6話目
ーーー次の日の帰り道
「今日は部活ないなぁ……ちょっとつまらん。」
「茜みたいに、みんなが部活に積極的だといいんだけどね」
「あ、そうだ茜。今日私体験授業なんだ!」
「えぇーー!!そうなん!?なんだ、それなら今日自習でも行こうかな。」
「え、来てくれるの……?」
「んーー、、家で寝るかもしれん!!」
「そうだと思った……笑笑」
「まあ、気楽にな!!行ってこいよお〜〜」
「ありがとっ笑」
今日は体験日。やっぱり一人で行くのは少し緊張する。
ーーー塾
「永田さん、待ってましたよ。この前担当した黒木です。覚えてるかな?」
はっ、まさか今日の担当って……
「今日の授業、私が担当するからよろしくね!」
「え、あ、はい!」
予想当たっちゃった……
「黒木先生、英語担当って言ってたのに……数学ですか?」
「あ、そうそう。俺、英語だけじゃなくて数学も担当してることあるんだよね。だから今日は苦手って言ってた理系科目をとりあえず……ね?」
少し笑った
あ、まってこの先生絶対ちょっと意地悪だ。
「永田さん、ここ方程式間違ってるよ。Aを解くはずがBの方に合わせちゃってる。」
「あ!本当だ……ありがとうございます」
「いえいえ笑 想像よりも苦手だね笑」
「あ、あい………」
今日は体験授業だったこともあってか、雑談も多く緩やかだった。
「永田さんは、部活何入ってるの?」
「あ、吹奏楽部です。一応部長もやってます。」
「うわ〜!吹部!いいなあ青春してそう!!部長ってかっこいいね!」
「先生は高校時代何入っていたんですか?」
「バスケです笑笑」
「え、そうなんですか。意外……あっ、」
「意外って!!笑笑 永田さんって結構面白いよね笑笑」
「えっ……!」
こうして楽しい時間は終わった。終わってしまった。授業なはずなのにとても楽しかった。
「じゃあ永田さん、また家に電話が行くと思うからその時はよろしくね。」
「あ、はいっ!黒木先生、今日はありがとうございました!」
「いえいえ、こちらこそ授業楽しかったよ!」
「さようなら」
「はい、気をつけてね。」
黒木先生……いい人だ。
あの先生の元ならもしかしたら夢も大学も決まるかも!!!頑張って……みようかな。
私はこの時甘かった。彼の存在が私の中で__いい人止まりにならないことを___