3話目
ーーそして、土曜日が来た。
「普段なら今頃ゆっくり出来てるのにぃ……」
「こら、凛。つべこべ言わないの、せっかく塾の先生方が準備してくださってるんだから。」
「はぁーーー、、、。」
「ほら、もう着くわよ。第一印象、しっかりねっ!」
ーー塾ーー
「すみません、本日、入塾の面談の予定が入っていた、永田と申します。」
「あ、永田様ですね!伺っております。私、本塾、塾長の高木と申します。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。こちら娘の凜です。」
「よ、よろしくお願いします……。」
「(高木は微笑む) それでは、面談室へとご案内致します。担当のものが来るまで少々お待ちください。」
「はい。」
ーー面談室ーー
「綺麗な塾ねぇ……」
「うん、思ってたより広いねここ。」
ガラガラガラッ……(ドアの開く音がする)
「大変お待たせいたしました!」
その声と同時に私はドアの方を向いた。そこには “メガネをかけたあなたが立っていた”。
「永田様、本日は本塾に入塾のご検討をして頂きありがとうございます。担当をさせていただきます。黒木と、申します。」
「いえいえ、こちらこそありがとうございます。よろしくお願いします。 (凛に目を運ぶ)」
「あ、よろしくお願いします。」
「はい!(微笑む高木)」
(メガネ……かけてる。私に笑いかけた……?でもどうせ営業スマイルってやつでしょ。)
「それではお話させていただきます………」
ーー黒木先生と母の会話は続いていた。しかし私はこの時、きっと家で育ててる犬のことでも考えていたのだろう。