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4 転移者逃がしません

4話目

「あと、今日のお泊りはこちらの宿舎でお願いします~」

「へ?」


さすがに宿まで用意されていることは想定外だったので面食らった


「なにか?」

「いや、さすがに宿まで用意されているとは思ってもいませんでした」

「あーそれですね~、優秀そうな転移者の方に逗留していただくために宿が用意されてます~。もちろん費用は領主、ギルドから出ています~。」

「ということは、青田買い?」

「ですね~、もうさっそく仕事が来ると思いますよ~」


講習が終わった時間を見計らったように、部屋がノックされた


「はいどうぞ~、講習は終わっております~」


いかにも風格のあるお偉いさんといわれそうな人物と副官っぽいひとが入ってきた


「アオキ!? もしかして?」

「はい、日本からの転移者です」


あーそうなんだ、転移者って結構多い?


「さっそく、青田買いですか?」

「それもありますが、まずは宿舎の案内と食事でも」

「あ~お言葉に甘えさせていただきます」

「宿舎はこちらの者に案内させます、私は食事の際にまた」


それから3階に上がり、副官っぽい人に案内された部屋は豪勢な部屋だった


部屋の中に部屋が3つ、これ、ホテルだとスイートだ

一つは書斎みたいに机、テーブル、ソファーのある部屋、壁に時計が掛けてある

一つはトイレ、これは現代のウォシュレットなしの洋式トイレ、タンクが背中についているやつだった、

しかもロール式ではないけど紙も添えられていた、あ、これ流しちゃダメな奴だ、横のごみ箱に入れるみたい

もう一つの部屋は寝室、ベットは藁ではなくマットレス付きの部屋

すべての部屋に人感センサーがあるらしく入ったら光る

ベッドの部屋は少し暗めだが……

うーん……西部開拓時代にするとオーバーテクノロジーだなこれ


案内された部屋を見て副官っぽい人に


「……過分な期待をいただいているようですが……何も出ませんよ?」

「いえいえご安心ください、転移者の方はまずこちらにご案内してますので」

「本当ですか~?」

「本当ですって!」


副官っぽい人は少しニヤニヤしながら反応を返す

そのニヤニヤが信用できないんだよなぁ……

まぁ、いいか食事の際にいろいろ聞いてみるか


「食事の時間までお茶でもいかがでしょうか」


ついてきたメアリーさんからのご提案、それとなくソファーに促される

あれ? メアリーさんも?

そのままうなづいてソファーに座る


「コーヒー、紅茶、アイス、ホットどちらにされます?」

「(あれ?)アイスコーヒーを」


コーヒーがあるか……アイスも作れるの? 技術力高くない?


「あなたは?」

「ホットコーヒーで」


副官っぽい人はそう答えた

メアリーさんは外にいるメイドさんに


「アイスコーヒー、ホットコーヒー、紅茶をホットで1つづつお願いします」


え? メイドさんいつの間に?

あ、メアリーさんは紅茶なのね。


ソファーに腰掛けようとした際にそれとなく聞いてみる

「いや~転移者のための講習ってあるんですね」


メアリーさんは少し困った顔をして話す

「すべての転移者の方がこちらのルールに合わせてくださるわけでもないですので~」

「あ~そうなんですね、ちなみに転移者って年何名くらいカラクルムに来るものですか?」

「そうですね、多い時で年数名程度ですよ~」


ひと月1名もいないってとこか……結構来ない?


「そんなに来ないのですね」

「そうなのです~、なかなか来ないのですが、ルールを守っていただけない方もおりまして~、そのための講習となってます~」


ふむ、学生さんかな? 社会人で給料もらってないと納税とかわかりにくいしなぁ……

俺も学生時代はバイトやりすぎて、住民税の振込用紙がこないとわかんなかったし……


「あー、自分のいた国はお金や社会通念上のルールについてあまり教育されないですね、家庭で教育しないとあまり知識がない人もいます」

「やっぱり、そうなんですね~、アオキさんもそんなこと言ってましたし~」


話しているうちに扉がノックされる


「どうぞ~」

メアリーさんが返す


「やっぱりメイドは珍しいですか?」

「ええ、こちらでは特定地域でしか見かけないですよ」


目の前にアイスコーヒー、ホットコーヒー、紅茶が置かれる

アイスコーヒーは透明なグラスに小さくした氷と入っており

さらに砂糖、ミルク、ガムシロップの器もある。

これって高級品になるのでは?


「この飲み物ですが~……お金のほうは……」

「あ~、お金はいただきませんよ~、こちらに滞在中は食事代も一切いただきません」

「え?」

「講習も含めてなのですが~、転移者の方とのトラブルを防ぐためにやっています」

「トラブルですか?」


まぁ、おこるわな

何も知らない世界に少ないお金で放り込まれたら、何をやっていいかわからないし、生活しないといけない

あ~生活か……、生活のために無茶やっちゃうよな……


「まず、転移者の方にこちらのルールを覚えていただけるように、こちらに滞在しながら仕事をしていただいてます~、ある程度お金が貯まったら引っ越しになります~」

「はぁ、そうなんですね」

「夢のような展開を望んでる方には心苦しいのですが~、それは夢なので~」

「でも、これって結構贅沢なのでは?」

「そこまで高くはありませんよ~」


う~ん、本当か!?

これ以上聞けそうにないので、話題を変えよう


「ところで、アイスコーヒーが出てくるとは思いませんでした、氷ってどうやって作ってるんですか?」

「そうですね~、魔術師の訓練で作っている氷を使ってます~」

「訓練!?」

「魔法は使わないと、レベルアップしませんので~」

「そうなんですね、魔法を覚えるにはどうすればいいのですかね?」

「冒険者ギルドで講習やってますよ~、有料ですが~」

「お、行ってみます」


情報ゲット、少ない会話から今後必要になりそうな情報を得ていかないと生活もままならない


「そろそろ、お食事のご用意が……」

「では~、食堂に移動しましょうか~」


メイドさんの案内で食堂へ移動した

お読みいただきありがとうございます。


本日は、もう1話投稿します

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