表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
焦燥と月下のマギア(下) 奴隷王朝の乙女  作者: Sy
槍の王 第4部
PR
5/26

第4章 皇帝シヴァ

そして一同は皇帝シヴァとの謁見の日を迎えた。


皇帝を前に、七袖ナナソデとセレステがひざまずいている。


ハヅキはこの謁見に参加していない。皇帝はハヅキの双子の姉ミツキの顔を知っている可能性が高く、瓜二つの顔をしているハヅキの正体が早々に露見するのを防ぐためだ。幸いカナン王の手紙は、シヴァ皇帝を誤解させるに十分な内容との判断だ。


おもてを上げよ。」とシヴァは2人に言った。


その声色は全身に響く程低く、そして顔をあげるとそこには灰汁あく色の毛並みを持つ巨大な獣人属の皇帝が坐していた。


(アスラさんと同じ色…)とセレステは思った。


「良く来た、マギアの乙女よ。カナン王は息災そくさいであられるか。」とシヴァは尋ねた。


その威厳に満ちた声は2人を緊張させる。


「はい、陛下。カナン王より書状がございます。」


そう言って七袖は書簡をシヴァに差し出した。



ーーーーーーーーーー


カナン王から皇帝シヴァへ宛てた手紙




『シヴァ君、元気にしているかい?


僕は相変わらず美女に囲まれて幸せな毎日さ。


今回は僕の娘達が君の国に遊びに行くことになってね。


どうか、宜しく頼むよ。



PS. 年頃の生娘なんだから手は出さないでおくれよ。傷物にしたらサクッと戦争になっちゃうかもね!(๑・̑◡・̑๑)



君の友、


カナンより』


ーーーーーーーーーー



シヴァはしばらくその書簡を見つめるとせきを切ったように笑い出した。


「カーハッハ!相変わらずだなあのスケコマシは!」


と上機嫌になったシヴァを眺めながら、ホッと胸を撫で下ろす七袖とセレステ。


すると先程よりも大分砕けた表情でシヴァが続けた。


「うむ、カナンの言う通り美しい娘達よ。このシヴァ、お前達を歓迎しよう。我が国を存分に楽しんでいくと良い。」


どうやらシヴァは思惑通り、七袖とセレステをカナン王の娘だと勘違いしたようだ。だが、その結論は浅薄であったと2人は直ぐに思い知る。


そして皇帝シヴァは思ったよりも話の分かる人の様だった。


その器の大きさは、この大王朝のみかどに相応しい。


「もうすぐ我がせがれ、アスラも其方そなたの国へ赴く。ぜひ仲良くしてやってくれ。」


「ハッ。」


そう言うと2人は再び皇帝の前にひざまずいた。そしてシヴァは最後に七袖とセレステに言った。


「今日姿を見せなかったカナンの娘にも、宜しく伝えてくれ。」


シヴァは不敵な笑みを浮かべながら、額に冷や汗を滲ませる七袖とセレステを見送った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ