第二話 おとしあな!
自分の給与大幅アップという、
一大ムーブメントを巻き起こすべく、活動を開始したしゅんきち。
雑用だって何のその。
コピーにお茶汲みこれも修行!
続けりゃ会社も俺を重用!
てめえら全員巻き込むぜっ!
俺の名前を覚えとけい!
遠からん者は音に聞けい!
近くば寄って、目にも見よ!
――ふっ、ついつい出ちまったぜ。
HIP-HOP用語がよ……。
だぁが、しかし!!!
"昇格昇給制度" の存在を完全に見逃していたしゅんきち!
これじゃすぐには給与(=サラリー)が増えない!!!!
飲み会を必ず割り勘にするクソ部長に直談判するも!
"昇給要件" に、 "給与テーブル" !
"社則" やら "誓約書" やらを叩きつけられ愕然とする!
――ちっっくしょうめ!
自分から誘った挙句に、毎度やたらと飲み食いしやがる癖に……!
やっぱり世の中腐ってやがる。
俺たち弱者は、養分でしかないというのか……?!
強者が決めたルールという名の水槽の中に泳がされ、搾り取られる、儚きイワシの群れに過ぎないというのか……?!
やさぐれ酒をかっくらい、電気街を千鳥足でぶらつくしゅんきち。
"てやんでぇ、やってられるか" と、言わんばかりDA!
そんな、ある意味平和な酔っ払いのそばに!
謎の通り魔の影が忍び寄る……。
この国はもう、平和ではないというのDAろうか?!