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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

運命知らずの白雪姫

作者: 葉月 夏

私は、さえ。高校一年生演劇部!


?「あぁ......なんて綺麗なお姫様だろう!」

朝私は、白雪姫の王子様の台詞を悠という同級生の男子が、

演じている夢をみた。


でもなんでこんなに鮮明に覚えているのか、自分でもよく分からない。

目を擦ると涙が無意識に流れた。


朝学校に行くと演劇部の今回の行う劇を発表するらしく、部室に向かった。

部長「今回の劇は白雪姫です。」


今回は白雪姫の劇をやるということで、皆気合いが入っている。


何故かと言うと......

今回のクライマックスでキスシーンがあるらしい。

私はそんなこと高校でやっていいのか! と思ったが、許可は取れたらしい、しかも同意を得れば、と言うのが条件だ。

そこで部員全員で話し合いがはじまった。


部長「えーっと、あのシーンやりたい人いる?」

皆気まずくなり少しざわついている。当たり前だ......

そこで一人、一年男子が手をあげた


悠「俺やりましょうか?」


皆が悠を見て驚いた様な顔をしている。


悠は、かなり女子からも人気があるらしい


そんなイケメンとキスシーンだなんて、皆浮かれているだろう、

私も、気になるけど......


悠「俺......さえとがいいんですが......」


その時は状況がつかめなかった。

さえ「私でいいの?」

悠「あぁ! むしろうれしいよ! ありがとう。」

部長 「と、いう事でさえちゃんは、白雪姫、悠君は王子様ね。」

と、まあそんな軽いノリで私は家路を急ぐことにした。


緩やかな下り坂を歩いていると、前の方に悠がいた。


私は勇気を出して声をかけてみた。


さえ「ゆ...悠君! 帰り道こっちだったの?」

悠「うん、さえちゃんもこっちなんだ。一緒に帰らない?」

さえ「いいよ。」

しばらくは、私も悠君黙っていた。

すると悠、君がこういった。


悠「白雪姫の劇の話なんだけどさ...後悔してない?」


どうやら私のことを気にかけてくれたらしい。

さえ「そんな事無いよ! 悠君かっこいいし......」

悠「もし良ければ、俺と付き合ってくれないかな......」

さえ「いいよ......うれしい!」


それで、仲良くなってからまだ一日も経ってないのに、

私は悠君と付き合うことになった。


次の日

私が朝学校に来た頃には、悠君を同級生の女子が囲んでいた。

同級生の女子達「悠君! さえって子と付き合ってるの?」

悠「えー、もうそこまで広がってるの?」

同級生の女子達「マジか!まあキスシーン一緒にするくらいだも

んねー!」

そんな感じで、悠君は大変そうだったけど、そんな事は気にせず

悠君と一緒に帰ることにした。


さえ「今日は練習も私達の事もあって大変だったみたいだね。」

悠「まあ大変だったけど、練習は大変じゃ無かったよ。」

さえ「そっか! 3ヶ月の白雪姫の劇頑張ろうね!」




三ヶ月後本番当日。

アナウンス「只今から白雪姫の劇がはじまります。」

さえ「いよいよだね!」

悠「頑張ろうね!さえ。よろしく。」

そしてクライマックスのキスシーン。

悠(王子様) 「あぁ......なんて綺麗なお姫様だろう!」


そして私にキスをしたそのすぐ後の事......


舞台上に用具されていた大道具が、悠君の頭に直撃した。


それで会場は、大騒ぎになり、悠君は病院に搬送去れた。

でも打ち所が悪かったらしく悠君は意識が戻らなかった。

私は家に帰ると自分の部屋に引きこもり泣いていた。

でもいつの間にか寝てしまった......



目が覚めると、私はたくさんの人の声が聞こえた。


そして、まだ悠君が、キスシーンの前の台詞を演じているところだった。

私は夢だろうと思ったが、私はある夢を思い出した。


それは白雪姫の劇をやると発表された日の朝の夢......

あの夢は、本当になった。だったらこの夢も本当になるかもしれない。


私は悠君がキスをしようとする前に悠君の頭を抱き寄せた。


そうすると大道具は悠君に当たらずに済んだ。

しかし大道具が落ちるなど、あってはならない事だということで

演劇部の発表会は中止され、帰ることになった。

になった。


私が悠車と二人でゆっくりと下り坂を歩いている時だった。

正面から来たトラックが、私に衝突した。


悠君は私を助けようとしてくれたけど、私は助からなかった。

すると私の目の前で悠君が演じているその姿が見えた。

あぁ、また時間が戻るんだ......

目が覚めると白雪姫の劇の三ヶ月前の朝だった。


泣いている場合じゃない。


朝、坂を駆け登っている途中にどうすればこの連鎖を止められるか考えた。


それで、私は、ある事に気がついた。


私が助かると悠君が死ぬ、悠君が助かると私が死ぬ。


でもこの時間の間にはひとつの共通点がある、それは


白雪姫の劇のキスシーンだ。

朝学校に行くと、やはり今回行う劇の発表されるという事で

部室に向かった。


役割の事を決める中でやっぱりキスシーンの話題が出た。


悠「俺やりましょうか?」

それでやっぱり同じ事を言われた。

悠「俺...さえ、とがいいんですが......」

そこで私はこう答えた。


さえ「ごめんなさい、私今回はやりたい役があるの、」


別に悠君を嫌いになった訳じゃない。でも私達が生きるためには

こうするしかなかった。


昼休み

私は悠君に呼び出されて、裏庭に行くことになった。

私はきっと嫌われたに違いない......いじめられるかもしれない......

そう思っていた。

裏庭に行くと悠君しかいなかった。

さえ「何の用?」


悠「トラックの時、助けられなくてごめんね。」


私は言葉が出てこなかった。私しか知らないはずの、記憶を悠君も知っていた。


さえ「もしかして、全部覚えているの?」

悠「うん、考えは君の考えは同じはずさ! キスシーンを

俺たちでするとどちらかが助からなくなる。だから他のやつ

と演じるしかない。もちろんキスシーンは無しだよ。」

さえ「そうね。じゃあ、また発表会でね。」

悠「あぁ、待っていてくれ!」



三ヶ月後本番当日。

アナウンス「只今から白雪姫の劇がはじまります。」

そして、キスシーンのところは、まるでキスしたかの様なフリを

悠君は、白雪姫を演じている子にした。


そして、私と悠君は舞台裏で会った。


さえ「お疲れ様。悠君。」

悠「あぁ、さえ、君もお疲れ様。それと何回も俺を救おうと、

してくれてありがとう......もし良ければ、今からでも

俺達の死の呪いを解くキスをしてもいいかな?」

さえ「何それ! 本当に面白い王子様ね♪ ...いいよ。」


こうして、私達の時間は動き出し、幸せな時を過ごすのでした。





はじめまして。葉月 夏です。

私の初めての作品いかがでしたか?

楽しんでいただけましたか?

また、他の作品で会いましょう。

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