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第二回 映画『メアリと魔法の花』を見て勉強したこと

映画感想込。ネタばれ有です。

 

 はい、二本目も映画の感想です。そして二本目にしてずいぶん知名度が落ちました。

 

 いや個人的に最近見たアニメ映画を並べてるだけなんですが、映画の感想とかレビューとか本気で書こうと思ったら、もう少しタイトルについて一般論的な選択をしないとダメですよねー。いいんです、別に真剣に映画評論したいわけではないんです。

 

 

 

 前回の「君の名は」に引き続き、こちらの作品につきましても、「惜しいなぁ」と思うことがありまして。ここさえ、だったらホントに面白い作品になったろうに!っていう、まぁ偉そうな上から目線なんですがとにかくそういう思いの強い作品です。君の名は、よりメアリの方が強いかも。

 

 あ、君の名の方は皆様視聴済みだろうって体で書いてしまいましたが、メアリの方は見てる方少ないですよね。かるーく、ネタばれしておきます。

 

 森の中で魔女の花を見つけた主人公メアリは、一時的にすごい魔法の力を手に入れます。偶然魔法学校へ行き、入学生と間違われた彼女は、校長に連れられ学校内を見学。その中で、「あなたはすごい魔法使いだ!」と絶賛され褒めそやされます。

 ですが魔女の花を使ったドーピングがばれてしまったメアリは、「詐欺だ! っていうか花よこせ!」と喧嘩を売られ。一方で校長とマッドサイエンティスト先生の非人道的実験に気付いてしまったメアリは「誰があんたたちみたいな人非人どもに!」と喧嘩を買ってしまいます。

 そして、巻き込まれヒロイン系男の子と一緒に校長たちを倒すと。とってもわかりやすいストーリーでした。

 

 原作があるようですね。メアリー・スチュワートさんの『The Little Broomstick』。映画に合わせて日本語版も出直したようですが、まだ読んでません。映画館の帰り道以降、探すのすっかり忘れてた。

 

 それはともかく。どこまで原作どおりなのかってのが興味深いですが、原作の方がきっとものすごく面白いんだろうな、って思わせるなかなかの出来でした。原作の方がっていうのは、映像の方は2時間程度の時間の枠が少し窮屈そうな印象だったから。花を拾うまでの日常生活シーンとか、男の子との出会いとか、もっと時間をかけて描けた方がよかったんじゃないかなぁって、まぁ映画を見た限りの感想。それ以上の他意は無いです。

 

 さて、では何が「惜しかった」のか。

 

 物語終盤、最後の戦いに向かうシーンで、メアリは先輩魔女から魔法の花を受け取ります。時間制限付きのドーピング薬である「魔法の花」。その力がないと魔法が使えないメアリは、花なしではそもそも魔法使いと戦いに行くっていう前提が成り立ちません。


 しかし、その花は早々に敵に奪われてしまいます。メアリは時間切れで魔法の力を失い、ほうきも折れて魔法学校まで辿り着くことすら至難。そんな状況下で、「前提が成り立たない」という前述を覆すごとく、メアリは魔法の力のないまま敵を倒し男の子を助け、全てを解決してしまいます。

 

 詳細は省きますが、最後に魔法の花を使おうとしたメアリは、しかしいろいろあってその花を使わないまま全てを解決してしまいます。そして、家への帰り際、髪に引っ掛かっていた魔法の花に気付き、「魔法の力は私にはもういらないから、この花はあなたへ」と言って見ている人に投げかけます。そしておしまい、エンドロール。

 

 ですが、この最後の花は、ラスボスを倒すためには絶対に使わなければいけないものだった、と思います。見ている人に魔法の花を、っていう演出がしたかったんだと思いますが、最後のひと花をそんなことに使っちゃいけない。何せその花は、いろいろな事情を押して先輩魔女がメアリに託した希望の綱の花だったから。そして先輩魔女とラスボス校長との間にこそ強い確執があり、その確執ごとまとめてメアリに託して「校長たちを止めて」と最後の戦いに送り出したんですから。それを「結局使わないで勝っちゃった、えへ」なんて言っちゃうとやっぱり物語の盛り上がりとして「先輩の立場どーなの」ってなるわけで。

 

 

 

 こちら、面白いという評判が立っていれば、もっといまだに名前が聞けてるんでしょうね。あちこちでレビューを見ても「ぶっちゃけどうなのこの出来」っていう意見が多いようですし。公開中は結構宣伝してましたけど、そんなもんかなぁ。

 

 でも個人的には、ストーリーの構成がとても面白かった。特に最後の戦いを前に魔法の力を失い、花も奪われ、ほうきも折れた。もうどうしようもない絶望的なシチュエーション。ここをどう乗り越えるか、と緊迫させたところで、安易に「魔法の花の奇跡が!」とか「眠っていた力が目覚めて花なしでも魔法が使えるように!」とかご都合主義な乗り越え方をしなかったところがよかった。もしそんな展開だったらドっちらけだぞ、と少々意地悪い心情で見ていたところ、ちゃんとそこまでの展開の中にあった伏線を使う形で展開を切り開いたところは正直鳥肌すら立ちました。


 説明が足りない部分は往々にしてあったかもしれないけど、そこは脳内補完で十分埋められた。物語として、基本に忠実で、それでいてちゃんと「そう来るか!」と思わせてくれた展開に、ほっとすると同時に肝を抜かれました。うーん、表現が古臭い。

 

 ただあちこちの感想を見るに、本当に評価が低いんだなぁとがっかりしているところ。いろいろな感じ方はあるんだろうけど、ストーリーテリングの基本に、今どき珍しいくらいに忠実に描かれた話だなぁって思うんです。「ありがち」とか、「どっかで見たような」って言われると、「どっかで、じゃなくて、どこにでも当たり前にあるストーリーだよ」って思うんだけどなぁ。




 まぁさておき。


 こちらの、「メアリと~」の方ではもっと基本的なことで、「敵を倒すためにもらった武器やアイテムには、全て意味を持たせないといけない」ってことでして。


 こんな約束事を知る前、昔書いた童話風のお話がありまして、それが『雨の城の女王』。連載中ですので、もし興味がおありでしたら、ご一読頂き、「あー確かに、このアイテムちゃんと消化しないとダメだよな」って思ってみてください。修正も考えましたが、こんな文章を書いてみたので敢えて修正前の形で載せてみようと思います。

 

 うん、露骨な宣伝。






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