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第十回 異世界ってなにが楽しいの?


 ツイッターを始めました。うん、いまさら。


 前々から画面の見方と使い方がよくわからなくて敬遠していたのですが、多少なりとも「小説家になろう」上での活動のプラスになればと思い。ぶっちゃければ作品宣伝に役立てばと思い。始めてみました。


 人とつながれるのは純粋に楽しいです。面白い人とも知り合えました。


 他の人の作品を知るきっかけにもなりました。カクヨムさんやアルファポリスさんや、他の小説投稿サイトさんを使ってらっしゃる方との交流も楽しい。


 ただまぁ、なんとなくわかってきたこと。


 結局自分の話が読まれるかどうかは、自分の話のクォリティ次第だよってことで。



 

 腐るのはPC落としてから一人ベッドでうじうじするとして。


 せっかく気分転換に2カ月ぶりくらいのエッセイを開いたので楽しいことを書きましょう。あ、気が付いたら2カ月以上間空いてたんですね。トップページにしっかり、「この連載小説は2カ月以上更新がありません」って書いてあったわ。小説じゃないしー。


 とかいう低学年レベルの揚げ足取りはさておき。


 異世界モノ創作小説家にとって、一番楽しいこととは何でしょう? ファンタジーものの書き方考察みたいなのを、他の名作(あげつら)いながら書き殴ること? いやいや。小説書くこと? うーん、辛いことも多い。お褒めの言葉の感想を読むこと? えーと否定はしないけど。執筆サボってゲームやること? あー、一番楽しいかも知んない。


 かも知んないけど閑話休題。異世界モノを書く楽しさって、ぶっちゃけ、異世界の設定を考えることだと思ってるんですよ。ええ、異論は認める。でもねでもね、普通に物語を書きたいだけなら現代小説でも歴史、時代小説でもいいわけじゃないですか。差別問題なんて人間と魔族の間で描かなくっても、世界中に転がってます。恋愛ものなんか言わずもがなって言うか転がってない国がないです。バトル物は条件によっては難しいですけど、剣とか槍とかで戦う話だったら人間の歴史は戦争の歴史。時代と国を選べば大体どうにかなる気がします。


 どうにかならないのが、魔法とドラゴンとエルフなんかの異種族。でもこれらも、フィクションの実力を駆使すれば異世界を用意しなくてもある程度どうにかなっちゃいますね。古代ローマ?辺りでヴェスヴィオ火山とかエトナ山とか、その辺りに伝説のドラゴンが住んでいて!とか。エルフさんはよく科学技術の発展の末に人体実験から生まれた新種族、みたいなSF的ファンタジーがありますし、現実世界で魔法で戦うお話なんて三歩歩けば見つけられます。あ、Fateみっけ。


 若干の脚色さえすれば現実世界を舞台にして剣と魔法のファンタジーだって十分描けます。ではなぜ「異世界」を舞台にする必要があるのか。




 そもそも、異世界モノの元祖って言ったら指輪物語ですよね。それ以前にもあったかも知れませんが、知名度とスケール、そして現実世界と一切つながりのない完全な、自己完結した異世界という意味では指輪物語の存在は大きいでしょう。


 日本ではこの指輪物語は、ファミコンの台頭を基にゲーム世界の発展の土台にされてきました。ファミコン以前からのゲームファンの方々は、「ウィザードリィとかウルティマとか、もっと前からあったんじゃい知らないくせに語ってんじゃねーよ」とお怒りかもしれませんが(偏見)、まだまだマイナーだった「異世界を舞台に物語を作る」という行為を、然も当たり前のことにしてしまったのは恐らく、ドラクエ、FF辺りの爆発的な普及力によるものだったのではないかと想像します。


 いまでは、TVゲームRPGの世界では「異世界」を舞台にすることが当たり前になっています。説明書開いて1ページ目か最後のワールドマップ紹介に日本地図書いてあったら「え、嘘」ってなるでしょう。もちろんシャドウハーツみたいに実在の地名を舞台にした作品もあるでしょう。ただ圧倒的マイノリティ。落ち着いて考えてみれば、「異世界を舞台にするのが当たり前」っていう感覚はかなり独特な進化系統の末だと思います。


 

 はい、戻ってきたよ。


 そんな日本における「異世界観」の進化みたいな話をちょっと机の上の見える所に置きつつ、皆様に聞いてみたい「異世界モノ書いてるとき、何が一番楽しい?」


 私個人は、異世界モノを語るとき、まずトールキンのことを意識してしまいます。指輪物語辞典を眺め、歴史や動植物、地理などの詳細を見。本屋でエルフ語の発音教材を本気で売ってるのを見かけた、その感想の第一声が「楽しかっただろうな!」でした。物語作るのより絶対楽しかったと思うんですわ。創世神話から未来まで全部年表作って、ストーリー的には絶望的なまでの強さを誇るラスボス、冥王サウロンがいて、でも全体的に見たらサウロンは結局ガンダルフやサルマンやバルログとかと同じ種族なんだよ、とかとか。絶対楽しい。今や世界中にファンのいるトールキンですが、もし今彼が生きてたら、世界中のファンたちと分け隔てなくSNSとかで直接話してたんじゃないかな。だって自分が作った世界観について夢中になってくれてる人と、ひたすらそれについて語り倒すって、最高じゃん!



 

 そしてもうひとつ。日本の文化の中で育ったRPGのうち、私がその世界観に多大な感銘を受けたのが「アークザラッド」です。うん、第7回でも指輪とアーク題材にして書いてたよね。ちょっと間空くと同じもの扱うようになるな。気をつけよう。


 アークの世界観の何がすごかったって、まぁぱっと見、現実の世界地図に似てるんですよ。で、日本の位置にある国もある。アメリカっぽい国もある。アフリカな雰囲気の場所や、太極拳みたいなの使う宗教集団のいる中国っぽい国、アラビア的な砂漠の国。北欧には魔女伝説のある国もありましたね。で、封印されているラスボスがいて、その封印を解くべく暗躍する四天王がいるのですが、彼らの各国への働きかけがすごい。一人は大臣の位について国王を暗殺し、国の代表の座に就く。一人は軍属についてクーデターを起こし、政権を奪う。一人はマフィアとつながりつつ共和制国家の代表に立つ。そしてあっちの国はこの国に植民地支配されていた歴史があって、こっちの国は隣の国と紛争状態にあって。


 現実の社会に近い設定で、オリジナリティは低い。でも、主人公が戦っている相手が世界征服を目論み政治的に各国に入り込んでいる、っていう背景が、すごく立体的に描かれていたんです。多分そんな風にゲームやってた人は少数派だと思うんですけど、逆にそこに注目してなかった人には今度そこ見ながらもう一回やり直してほしいって思うくらい。多分、作中に描かれてない各国の関係性や歴史も、たくさん作られたんじゃないかなってわくわくしました。



 

 そんな、今まで出会った「異世界設定」の大好きな部分を抽出して、自分でも同じように楽しんでやりたいなーと思って、そして出来上がっております拙作『はるシア』の舞台エネア大陸。


 楽しいあまり、6,000年分の歴史年表を作り、カレンダーを作り、宗教を作り、14カ国の設定を作り、地図を作り……。異世界なんだから太陽と月の数って同じでいいのかな? そもそも星の大きさは同じか? 違うとすると重力に影響が。大きさ違うと多分長さの単位にも影響でてくる気がするし。てか待って魔法とかあるってことは動物相植物相の進化系統変わってくるんじゃね? そうするとこの国はどんな気候になってどんな生物たちが集まってきて。えーと、地質はどうなってんだ?


 と、さすがに、そんなことやってる間にストーリー進めろよって思い始めた、18年目の今日この頃。


 やー。


 まぁ楽しいですけどね。とっても楽しいです。



 

 どうでしょう。なろう始めweb小説を書いてらっしゃるみなさまは、どんなことを思いながら異世界を描いていらっしゃるのでしょうか。



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