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魔力溜まりの王
あれから何時間?何日?何年?
襲い来る飢餓感に手当たり次第に喰らう
何匹目かの『光る餌』
そいつを喰らおうとした瞬間
『光る餌』は笑って奇妙な術を使い
私の一部分がその術に消し飛ばされた
その痛みと喜びが私を支配する
『光る餌』は私に名前を付けた
私は名前を呼ばれ形を作られた
『魔力溜まりの王』
私の存在が確固たるものになる
『光る餌』を喰らうだけの存在が
魔力溜まりの中の一部の存在たる私が
『魔力溜まりの王』となった
素晴らしい
飢餓、退屈、苦痛、曖昧
そして歓喜
名付け親である『光る餌』を喰らってやった
『名前』『確固たる存在』『魔力溜まりの王』
これから私以外を全てを喰らう。