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01-03>ギルド酒場

ロープレロールプレイングゲームで情報収集って言ったら、やっぱ酒場が定番やね』

 仮想現実の異世界(VRMMORPG)で杖を手にコロコロ笑っていた八重(やえ)の顔が脳裏に浮かぶ。

 あの時は「流石にコミュ障を拗らせてNPCにさえ話し掛けられなくなった誰かさんの言葉には重みがあるねぇ……」などとからかって、顔を真っ赤にした八重(やえ)に「コミュ障ちゃうもん!!」とポカポカ殴られた訳だが――今となっては「何故もっと優しくしてやらなかったか」と言う後悔の想いで心が痛い。


 ◆◆◆


 原因不明の事故で俺達が飛ばされた異世界(ここ)八重(ヘビーゲーマー)が大好きだった『剣と魔法の世界を題材としたVRMMORPGゲーム』に似ていた。仮想世界でさえ人見知りを克服できなかった八重(やえ)に「パーティー組んでっ!!」と拝み倒され、渋々始めたゲームの知識や経験が参考になるとは……人生は全く判らない。


 ――VRゲームと同様に、この世界にも冒険者という職業がある。

 しかし、ゲームで世話になった「冒険者ギルド」は存在していない。


 これは、ギルド組織を立ち上げられる「カリスマ」の不在と、冒険者を取り巻く環境が原因だろう。

 冒険者と言う職業は「夢を掴むための踏み台(ステップ)や通過点」と言うのがこの世界の一般認識だ。腕を上げ、名を上げて領軍や騎士団に引き抜かれ(スカウトされ)る者、商隊や商会の専属護衛に雇われる者、手早く軍資金を稼いで転職していく者――と、腕の立つ冒険者ほど若いうちに転職していく。

「ギルド発足」や「冒険者の地位向上」などと言い出すのは冒険者生活に行き詰った輩が多く――身内の賛同さえ得難いのが実情だ。


 では冒険者は何処で依頼を受けるのか――と言うと、薬草や素材(アイテム)の採取や有害鳥獣(カテゴリー・ブルー)の駆除・商隊等の護衛と言った案件(クエスト)は各街の「商業ギルド」が、中級(カテゴリー・イエロー)以上の危険生物の駆除や討伐は「都市の防衛組織である衛兵や騎士団」が管轄している。

(商業ギルドがない村や集落は、近隣の大きな街のギルドや騎士団に依存していることが多い。)


 案件(クエスト)の大半を管轄している商業ギルドは「商人のための互助組織」なので、その建物に出入りするのも商人だけ。では、冒険者は何処で案件(クエスト)を受諾するのか――と言えば、ギルド直営の酒場――通称【ギルド酒場】がその手の業務を担っている。


【ギルド酒場】は昼と夜の二つの顔を持つ――


 大門が開いている昼の時間帯はカウンターにギルド職員が並び、冒険者への依頼斡旋や報酬の受け渡しと言った業務を行う。軽食やソフトドリンクは提供されるが酒類はNGだ。

 夜の時間帯はバーテンダーとウェイトレスがフレンドリーに出迎え、報酬で懐の温かくなった冒険者(お得意様)や商人を相手に酒と女を提供する場に変わる。

 因みに、酒場の二階部分は商人が接待や商談に使う防音の効いた小奇麗な個室が数部屋、屋根裏には住み込みのウェイトレスの部屋が設けられている。

(アイテムの買い取りカウンターと、客との交渉に成功したウェイトレスがしけこむ「連れ込み宿」は店の裏手だ。)


 商業ギルドの直営店だけあって値段の張る高級酒から安価でも美味い酒まで品揃えが豊富な上に、しっかりとした接客教育を受けたウェイトレスは美人揃いなので、毎晩報酬で懐の温かくなった冒険者(お得意様)や商人でごった返している――何というか、冒険者に支払った報酬を少しでも多く取り戻そうとする、商売人の金儲けに対する執念を感じさせる場所だ。

(余談だが、客の誘いを受けるか否かの決定権はウェイトレスにあり、執拗に関係を迫るとマナー違反で店から叩き出される。俺も何度かお誘いを受けたことがあるが、とある理由により全て断っている。)


 そもそも俺が酒場に行くのも依頼から帰ってきた冒険者や街を訪れている商人の話を聞き込むのが目的で、酒や女は二の次、三の次だ。


 今夜聞ける情報に「当たり」があるといいのだが……


 ◆◆◆


 ファンタジーな「この世界」にも武器の携帯に関する規則はある。


 まあ、俺達の世界でも銃刀法はあるし、正当な理由であっても作業用ナイフ(危険物)の所持で事情聴取されるのだから、冒険者が日常的に武器を持ち歩くこの世界に規則がない方がおかしい訳だが、下手にVRゲーム慣れしていたせいで、最初は違和感が半端なかった。

(ゲームだとレベルやモンスターに合わせて装備を変更する以外は、ほとんど着た切り雀だしな…)


 入市登録所で提示される規則によると――

 ・街中では武器や防具の着用は原則禁止。

 ・刀剣類は鞘から抜けないように留め金を掛けるか、紐で縛る。弓は弦を外し、槍や鉾といった長物は穂先を穂鞘や革袋で覆ったり、布袋に入れて持ち歩くこと。

 上記に反した場合、巡回中の衛士に呼び止められて――軽くて叱責、機嫌次第で「牢屋へご案内&罰金徴収」となる訳だ。

(冒険者の(たむろ)する辺りを巡回し、重箱の隅を突いて小遣い稼ぎをする衛士もいるとか……。)


 まあ、お世辞にも治安が良いとは言えない世界だから、自衛用の武器を持ち歩く一般人(ニーズ)も少なくない。

 武器を携帯したければ然るべき役場に武器を持ち込んで登録し、手数料を支払って年間携帯許可証――紐や木札、金属環など――を武器に付けて貰うのが一般的だ。

 俺達のような外から来た者は「入市登録時に武器の登録」が義務付けられているので、その際に手数料を払って期限付きの携帯許可証を付けて貰う。

 自衛用と認められるのはナイフや短剣(ダガー)だが、判断は街ごとに違うし、許可証があってもこれみよがしに装備したり、留め金を掛け忘れていると取り締まりの対象となる。

(俺の場合は、小太刀の携帯申請を却下されたので、副武装(サブ・ウェポン)のナイフで7日間の携帯許可を取った。)


 当然、ギルド酒場も街の規則に準拠した――より厳格な規則を設けている。

 曰く『酒の提供時間帯(夜間営業中)は、携帯許可証のない武器の持ち込み禁止・固い素材で出来た防具の着用禁止』と言うものだ。

 この規則は、酒に酔った冒険者同士の小競り合いが、周囲を巻き込んでの殺し合いに発展した事件があった際に、ギルドが自主規制として課したらしい。

 店内で暴力沙汰を起こしたら責任者(マスター)の判断で最悪「出入り禁止」。勿論案件(クエスト)も受けられなくなると言うのに、血の気の多い冒険者が起こす諍いは後を絶たない――とか。

(騒ぎを起こしたら、完全武装の警備員が有無を言わせず制圧して牢屋行きだ。)


 尚、固い素材で出来た手甲や脛当ては打撃武器になるので着用禁止だが、セクハラ防止の観点から女性冒険者の着用は認められている。

(酒に酔って女性の胸や尻を触ろうとする輩は、何処の世界にも少なからず居るようだ。)


 夜のギルド酒場に入るには、まず入口に立つ武装警備員に自己申告の上、持ち込み不可と判断された武器や防具は酒場に預けるか、宿に戻って着替えてくるかを選ばないといけない。――と言うわけで、今夜の俺は予備のズボンにこげ茶色の革ブーツはいつも通りだが、腰回りをゆったりと覆う丈の長い一回り大きいサイズの草木染めの長袖チュニックに着替えてきた。

 上着(チュニック)のサイズが一回り大きいのは、革製のボディアーマーと投げ針を仕込んだ革の手甲の上から着ても目立たないからで、腰回りをゆったり覆う丈の長さは腰の後ろに装備したナイフを隠すためだ。

 他にもナックルダスターをベルトの装飾に、指弾用の鉄球を幾つか懐に忍ばせている。


 ギルド酒場ではナイフを自己申告。初見と言うことでボディチェックも受けたが、ナックルダスターは武器とは思われず、指弾用の鉄球は変な顔をされただけで入店することが出来た。

 投げ針は――料理を刺して食べる木串や鉄串に寸法が似ていた為に、そうした用途だと誤認してくれたようだ。

(何故か投げ針を仕込んだ手甲に警備員の関心が集まったが……欲しいんだろうか?)


 入口脇で控えていた案内のウェイトレスに「一人で待ち合わせはいない」と告げ、カウンター席へ案内してもらう。二十歳過ぎだと思うが、小柄でスレンダーな童顔のそばかす美人だ。

 彼女にチップを渡して酒の好みを告げると、ウェルカムドリンクと小皿に盛られた木の実(ナッツ)が運ばれてくる。一杯目は店のサービスだ。


 幸いと言うか……商業ギルドが厳選したこの世界の酒は、醸造技術こそ未熟だが味は悪くない。

 ローストし過ぎの木の実(ナッツ)は、大量にまぶされた塩を指でこそぎ落として食べる。塩をボロボロ零す俺にウェイターが奇異な目を向けてくるが、「この方が酒の味がよくわかる」と誤魔化しておく。


 二杯目のオーダーを好機と見たか物好きなウェイトレスがにこやかに寄ってくるが、手で合図すると心得たようにテーブル席の方に戻っていく。


 ――流石、ギルド酒場のウェイトレスは教育が行き届いていて助かる。

(女目当ての客を相手にした方が彼女たちの稼ぎになるのに、その辺りの教育が行き届いてなかったり、妙にプライドを拗らせたウェイトレスだと、見込みのない客に粘着しすぎて騒ぎの元になることも多いんだ、これが……。)


 さて――酒の並んだ棚を眺めながらチビチビ酒を飲んでいる風を装いつつ、俺は周囲の会話に耳をそばだてていた。聞き漏らしがないように補助記憶装置(フォルダ)に録音し、頻出単語の分析結果をリアルタイム表示するよう設定する。


 今夜のギルド酒場も盛況で、店内はほぼ酔客で埋まっている。空いているのはカウンター席が数席だ。

 しかし……今夜は少し出遅れたかもしれん。

 既に出来上がった客が多く、会話は弾んでいても内容は酔っ払いの繰り言や与太話ばかりだ。

 さて、どうしたものかと考えていると、奥のテーブルで隣のテーブルの酔客相手の殴り合いが始まった――が、完全武装の警備員があっという間に制圧し、最初に手を挙げた男を連行していく。

 すかさずウェイトレスがとばっちりを喰った客を宥め、ウェイターがテーブルや席を元に戻し、店の奢りで酒が振舞われ、責任者(マスター)がにこやかな顔で辺りににらみを利かせて回り……あっという間に元の喧騒を取り戻す――流石ギルド酒場だ、いつ見ても息の合った見事な連係プレーだ。


 ◆◆◆


「旅の土産話に、この界隈でしか聞けない情報(はなし)を頼む」

 英雄譚を一曲披露し、テーブルを回って酔客からおひねりや振る舞い酒を頂戴していた吟遊詩人に、相場より多めの銀貨(おひねり)を渡して頼む。

 【ギルド酒場】を根城にしている彼のような吟遊詩人は、毎夜毎夜多くの酔客の話を聞いている上に酒に目がないので、情報源として重宝されている。

(「吟遊詩人の前で大事な話はするな」と言われる程、彼らの口は軽い。)


 商売道具(リュート)をウェイターに預け、隣のスツールに腰を落とした彼が、勧めた酒を一気に飲み干して披露してくれたのが【愚王伝説】の終曲【神の座】の舞台となる遺跡の話だった。


【愚王伝説】は「蛮行・愚行への戒め」と「神への崇敬の念の大切さ」を説くこの大陸ではメジャーな演目だ。中でも終曲【神の座】は、数十万の軍勢を率いて大陸を征した愚王が、傲慢にも神の力を我が物にせんと企み、軍勢もろとも神罰で滅ぼされる教訓話として教会でもよく講じられている。


「どうして、お前さんがそんなことを知ってんだい?」

 呑兵衛の吟遊詩人は、勧められる酒を次から次へと干しながら――

「遺跡の存在はここじゃ知られた話さ。ただ場所がね……危険区域の奥なんだよ。東の山脈のなかの一番高い山――あっこの頂上付近って話だ。知り合いが言うにはさ」

「知り合い?」

「アルバーシュの末裔さ。何でも愚王から【神の座】を守り切れなかったばかりか、汚されちまったことを恥じて、先祖代々ずーっと神様に謝罪し続ける生活をしてるのさ……」

「そりゃ信心深いこった。なあ――あんたさえ良かったらその知り合いを紹介してくれないか? こういう話が大好物って奴がいるんだよ……」


 ――【第六感】に引っ掛かるものを感じた俺は、吟遊詩人がもたらした情報をもう少し探ってみることに決めた。


 3か月に渡って「この世界」の情報を収集してきた俺にとって、【愚王伝説】は既に検証済みの――棚上げ案件だ。

 神罰の矛先が自分に向くことを恐れた人々(生き残り)によって愚王とその国は名を奪われ、歴史から抹消された。愚王に関わりのある場所・建造物は尽く破壊され、瓦礫すら地中に埋めて神の目に触れぬようにする徹底ぶりだったらしい。

 それだけやっても安心できなかったのか、障りを恐れる人々は氏名や地名も次々と改名していき、遂には自分達の歴史さえ捻じ曲げてしまった。

 例えば――「征服した××国の王都に愚王が次の国を攻め滅ぼすために拠点を作った」と言う話に基づいて調査に向かうと「いやいや、ここいらに××国なんて国はなかったよ。もっと南のほうじゃないか」と言われる。南に行けば東、東に行けば北――と言った具合に皆が皆、愚王との関わりを頑なに拒絶し、そんな事実はなかったと言い張る。この傾向は戦わずして愚王に屈した国や、愚王の大陸制覇に貢献した(と思われている)国ほど強くなる。


 ――おかげで調査は難航し、棚上げせざるを得なかった。


【神の座】やそれを祭っていたアルバーシュに関しても憚られたのか、これまで詳しい記述や情報が中々手に入らなかった。

「神」を冠した建物だ。何か掴めれば儲けもの――この時点での俺の考えは、その程度のものだった。


 ただ酒に味を占めた吟遊詩人に多少の追加投資(情報料と酒)をせびられたが、翌日の昼頃にギルド酒場(ここ)へ迎えに来る約束をして、俺は宿に帰った。

(ギルド酒場の責任者(マスター)が「待ち合わせはここにしな」と助言してくれたが、聞けば仕事の後はいつも潰れるまで飲み続け、そのまま昼まで酒場の隅っこで寝ているそうだ。)


 何処かホッとした顔で出迎えてくれた宿の娘さん(カーリア)が気になったが――気のせいだよな?



 冒頭に出てくる『八重』……旧姓:墨桜 八重さんは主人公の妻(故人)です。

(探査母船「ヤエザクラ」や第三章から出るアンドロイドも、彼女に因んだ命名です。)


 彼女――主人公とは幼馴染でお隣さん。幼稚園から高校までずっと一緒でした。

 初対面の人の前では目を見開いて硬直したり、逃げ出してしまう対人恐怖症で、子供の頃から主人公の背中に隠れることが多かった為に、ついた仇名が「背後霊ちゃん」。

 女の子同士なら何度か話せば普通に話せるようになりますが、大人になっても男性は苦手でした。


 二人の交際は社会人になってから。

 実家に帰省した際に久しぶりに再会し、彼女のことを意識しだした主人公が交際を申し込んで結婚……主人公が探索者になったのは、彼女の死がきっかけです。

(周辺からは「やっとくっついたか」と言われましたが、主人公自身は成人するまで恋愛感情を自覚していませんでした。)


 趣味はネットゲーム(ヘビーゲーマー)とお菓子作り。

 高校時代に某VRMMORPGゲームの魔法職に嵌ってゲーム三昧の日々を送っていましたが、中級魔法が解禁になった頃から前衛職とのパーティ・プレイが推奨されるようになり、仮想空間でも「ぽっち(フレンド0人)」だった彼女は、主人公に助けを求め、ネットゲームの道に引きずり込みました。

(前衛職の居ない魔法職は、中級魔術の詠唱中にモンスターにコロコロされます。)


 大学卒業後は家事手伝いと言う名の「ネトゲ廃人」でした。

 本人はぽっちゃりだと思っていますが、スタイルはかなり良いです。Fカップの胸を人目から隠そうと猫背でいることが多く、運動神経は子供の頃から切れたままです。

(友人曰く、対人恐怖症と猫背さえ直せば「アイドルが裸足で逃げる容姿」だとか。)


 家事全般は母親から念入りに仕込まれました。

 そんな彼女ですが……本作品中の出番は主人公の回想シーンのみです。




 さて――この世界に『冒険者ギルド』はありません。

 文中にも書きましたが、冒険者がギルドを立ち上げるには「カリスマ」が存在するか、自分たちの待遇に不満を持っているか……だと思うんです。

(この辺は労働組合の結成なんかと同じですね。)


 ところが、この世界の冒険者は「夢への踏台」。

 出来る奴ほどドンドン転職(独立)していき、残っているのは転職(独立)出来ない半端者と世間から見做されていて、古参の冒険者ほど転職さえ出来ない「冒険者馬鹿」と嘲笑される始末。

(40過ぎた冒険者は……もう嘲笑では済みません。)


 商業ギルド側も心得たもので、冒険者が不満を貯め込まぬよう「飴と鞭」で冒険者を上手くコントロールしています。商人恐るべき……です。


 あと、中世ヨーロッパを模したこの世界には便利な通信用魔道具も乗合馬車もありません。最速の情報伝達手段は早馬。人の移動は基本徒歩です。

(荷物を運ぶ商人などが馬車を使います。)


 情報伝達が遅く、意思疎通に難があるため、商業ギルドは基本「街単位」で組織されています。

 当然、冒険者の登録や情報の管理も街単位で行われ、他の街に移動すると前の街での実績は参考程度にしか評価されません。


 但し、衛兵や騎士団が募集するの討伐案件(クエスト)に参加した際に発行される「勲功票」は、他の街でも評価されます。


 これには冒険者の氏名や容姿、討伐した危険生物の名称、討伐数、冒険者個人の勲功(評価)が細かく書き込まれており、一応公的文書扱い(再発行不可)になっています。

 盗んで使ったのがばれたら……最悪死罪もあり得ます。



 文中にもあった危険生物のランク分けですが、


有害鳥獣(カテゴリー・ブルー):Rank:D~F

 畑を荒らす野良アーグや野鳥、野犬など、冒険者が2~3名もいれば駆除可能な野生生物。

 群れの規模や個体の大きさに応じて、ランクが上がる場合もある。


中級以上の危険生物(カテゴリー・イエロー):Rank:B~C

 雪豹や灰色大熊など冒険者が10名程度のパーティで駆除可能な危険生物。

 群れで行動することは少ないが、個々の戦闘力が高く返り討ちに合う冒険者も少なくない。


上級以上の要討伐生物(カテゴリー・レッド):Rank:SS~A

 騎士団や領軍が軍団規模で討伐に当たらないと駆除できない災害級の生物。

 討伐に当たっては、近隣住民に避難命令が出ることが多い。


 幻獣と呼ばれる特殊な個体や超巨大生物、個々は弱くても山野を飲み尽くす大群で襲ってくる生物まで様々だが、ランクA以外は滅多に現れない。

(国を滅ぼしたSSSランクの巨大龍種の記録も残っているが、ここ100年ほど目撃されていない。)



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