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此処ではない、何処かで…  作者: 秋月京護
新たなる門出…遥かなる路の旅立ち
3/4

おいでませ異世界!そして伝説へ……なってたまるか!

今回、少しですが身体的な欠陥(症状)表現があります。不快に思われた方がいらっしゃれば大変申し訳ありません。あくまで主人公の状況説明の一部であり作者は悪意もって書いた訳ではない事をご了承下さいませ。

8月15日、書き方と一部(口調とか)変更しました。あんまり変わってませんです。すみませんです。


 まぶしい。

 背中とか頭とか節々が痛い。

 鳥の声うるさい。

 ……ておおおおおおいいいいぃぃぃぃぃ!!!!!!!!

 

「私死んだよ!」

 

 ーピチチチチチチ

 ーキュイーキュイー

 ーぴきゅがあああぁぁぁぁ

 ーGYAoooooooooooooooo!!!!

 ーGUEーGO!GUEーGO!

 ーGURURuuuuuuuu

 

 最後3つは明らかに出会っちゃイケナイ系の鳴き声DEATH(デス)よね!

 なんて場所に転生してくれてるんだ!

 無手で化け物と戦える訳ねぇだろがよ!

 

「ますたぁここけっかいあんぜん」

 

「どちら様だーー??!!!!」

 

 拙い言葉遣いが聞こえた方に勢いよく顔を向けると、ハヤブサ程の大きさの鳥モドキがちょこんと鎮座している。

 

「あー、と………さっきの声は君か?」

 

 うわ。今気付いたけどシッブイ声だな私。

 

「そう。はじめましてますたぁ」

 

 幼い子供みたいな声と言葉遣いで、翼をパタパタと嬉しそうに羽ばたかせて、私の左肩に移動する。

 乗られても重さを感じない。創造神仕様の鳥モドキなんだろうと思われる。

 ますたぁ、っていうのはマスター(主人)で、私の事なんだろう。

 

「はじめまして。お前さんの名前は?」

 

「ない。ますたぁがつけて」

 

 いきなり責任重大だなぁ、おい。

 自慢じゃないが、生き物なんて飼った事がないからセンスないぞ。

 作ったアクセにタイトル付けては、親友にもダメ出し食らってたからね、いつも……。

 …………いっそ泣けてくる。

 

「……ハヤブサ」

 

「や」

 

「シマジロー」

 

「や」

 

「ハイリスク・ハイリターン。略してハイハイ」

 

「や」

 

「イエアンドルフ」

 

「や」

 

「トリ」

 

「や」

 

 うむ。わかってはいたが、さっぱりなしのつぶてだねぇ。

 つーか、名前付けるの難しいな。

 私が真剣に悩み始めたのを察して、じっと見つめてくる鳥モドキ。

 名付ける為に鳥モドキをしげしげと見直す。

 ハヤブサ程の大きさだが、オウムみたいな鶏冠(とさか)があって、色彩は黒に近い青。

 所々に橙色のアクセントがある…オシャレ番長だな。

 お、この子の目って光の加減で変わる。

 

「……アレキサンドラ」

 

 確か正式名称は『アレキサンドライト』だったはず。

 昼の太陽の光では緑、蛍光灯では赤味がかった色に変化する鉱物、一種のパワーストーンだ。

 某ゲームでは昼は男、夜は女のキャラに使われてたな。

 元ネタ知ってる人は笑ってくれると嬉しい。

 雄か雌か判らないし、どっちでも使えるから丁度いいな。

 

「お前は今からアレキサンドラだ。よろしくな」

 

「すてきななまえ!うれしい!ありがとうますたぁ!」

 

「いでぇぇぇぇっっ!!」

 

 嬉しいのは分かったが、爪が肩に食い込んでるって!

 推定猛禽類の爪なんて凶器でしかナイっつーの!!

 つか、重要な事に気がついた!

 

「痛覚と視力がメッチャフツーやん!」

 

 思わず大阪弁で叫んでしまったよ。

 今更だが、過去の私は()近眼で乱視(メガネかけて0.004。仕事中はルーペ必須でした)で、コレのせいで刺さった包丁を驚いて抜いてしまったのだが。

 私はいわゆる《無痛症》で、痛覚が麻痺していた。

 おかげで何回か出血多量の大惨事を起こしている。…家族よ、あの時はゴメン。

 だが今はアレキサンドラの姿もしっかり判るし、なにより食い込んでた爪が痛い。

 

「すごい!目が見えてる!痛みが解る!……生きてるって素晴らしいぃぃぃぃ!!!!!!!!!」

 

「ますたぁうれしい!アレキサンドラもうれしい!」

 

 ピーピーと一緒に喜んでくれてる姿に、グっと込み上げてくるモノがある。

 ……せんせぃ、これが萌えデスネ?

 

「…………と。感動はここまでにして」

 

 まずは状況を確かめないとな。

 

「アレキサンドラは長いからアレックスでいこうか。

 近くに安全な水場はあるか?それと結界はそこに着くまで持つか?」

 

「うん。こっち。けっかいはまだだいじょーぶ」

 

 道案内をしてくれるらしいアレックスの後について行こうと立ち上がりかけた時、最初の壁にぶつかった。

 このカラダ身長高ぇぞ!

 ナニユエ今まで気付かなかった私!

 こうして私は新しい身体に慣れる為、歩行から始める。

 最初は生まれたての小鹿状態だったが、10分もしない内に視点の高さや、インターバルのデカさに慣れて不自然を感じなくなった。

 スペック高い肉体を要求しておいて良かった。

 用心のため、30分ほどゆっくり念入りに準備体操を交えながら身体を動かす。

 それと同時に、この身体はもう私自身なんだという事を覚えさせる。

 正直、本当はまだ夢なんじゃないかって疑っていた。

 世間知らずだし、空想癖激しいし、軽く腐女子入ってたし。

 親が私を起こして「なんだ。夢か」ってなるんじゃないかって…

 さっきので自覚させられてしまったが、こんなクリアな視界は私には久々すぎる。

 あんなに強い“痛み”は、私の知らないモノだ。

 これが現実。もう私を知ってる人は誰もいない。

 生きるって素晴らしいと思ったのは本当だし、神様達と会ったのも、転生させてくれたのも嬉しい。

 

「知る恐怖と知らない恐怖は、どっちにしろ怖いもんなんだな」

 

 …いかん。考えが暗くなってる。

 ハイスピードで進んだ展開に誤魔化されてた感情が、グルグルと私の頭の中を掻き回す。

 

「………………うがーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

「ピッ!ますたぁ!?」

 

「っしゃ!スッキリした!」

 

 悩んでもしょうがないし、今ここにいるんだし、それでイイじゃないか!

 元々シリアス展開に対応できるオツムは持ってないんだ。

 脳筋言うなよ。単純明快なだけだ!

 行動起こす前にウダウダやってても仕方ない。成る様になるさ。

 とっとと生きる努力して、生活しないとな!

 

「スマン、アレックス。待たせた。じゃ、道案内頼むよ」

 

 不思議がって首をかしげるアレックスに人生について悩んでて解決したよ、と笑ってみせる。

 ピィと鳴いて納得したのか(?)飛び立ったのを見失わないよう、鬱蒼とした木々の間をしばらく歩く。

 太陽が見えないから正確には判らないが、1時間は歩いたろうか、やっと開けた場所に辿り着く事が出来た。

 けっこうなデカさの湖で、澄んだ水面に太陽が反射してこの場所だけ、恐ろしく明るい。

 

「……凄いな。

 ここならしばらく居ても大丈夫か?」

 

「ここみずのせいれいおうがいるからきれい。

 まものこれないあんぜん」

 

「…いきなりビッグネームが出てきたなオイ。

 いいのか?私がいても」

 

「みずよごさなかったらだいじょぶ。

 ますたぁつかれた?アレックスやすんでい?」

 

「ああ。ありがとうアレックス。

 そんでご苦労さん。休んでていいぞ」

 

 ピピピッと鳴いて水辺に降り立つアレックスとは反対に、木に寄りかかって座る。

 創造神様の話だと、この世界はMMORPGをモデルに創られた。

 となれば…

 

「ステータス……ステータスオープン」

 

 最初はなんの変化もなかったが、「オープン」の言葉で視界の3分の1を半透明なシートを貼られたような状態になり、案の定なものが見える。

 見えたのだが………

 

「完全なチートやないかい」

 

 

 †ステータス†

(NO NAME)

 龍人と神人類のハーフ(ユニーク)

 Lv.1

 HP:59603 (ゴクローサン)

 MP:――(限界突破の為表示不可)

 

 Str:900

 Vit:2500

 Int:99999

 Agi:6000

 Dex:99999

 《skill》

 ・オール鑑定(1)

 ・魔弾錬成(1)

 ・危機察知(1)

 ・鷹の目(1)

 ・鉱石加工(但しアクセサリーに限る/Max)

 ・紐錬成(Max)

 ・防具付与(アクセサリー限定/1)

 ・アイテムボックス限定解除(Max)

 ・採集系察知能力(1)

 ・舞踏家(1)

 ・武具整備(銃)

 ・魅了(弱)

 《称号》

 異世界からの超越者

 神々の無償の愛

 神鳥の相棒

 腐女子

 本の虫

 下僕製造マシーン(笑)

 人生の勝ち組New!

 

 

「なんじゃこれ!!!!???特に称号!!」

 

 見るからに創造神が遊んだ。絶対遊んだ。

 レダも加護がどうのとか言ってたが、これは酷い。

 色々とヒドイ。

 とりあえず指でカーソルを動かして説明文を読む。

 でないと意味不明なモノが多すぎる。

 一応声を出さないでの「オープン」と、目線だけでのカーソル移動も実験してみたが可能だった。

 どこまでチート仕様なんだ私。

 おそらく私の種族分類だろう「龍人たつびと神人類しんじんるいのハーフ」、ユニークと銘打たれてる通り、この世界では私一人しかいない。

 神々の加護が強すぎて人間ヒューマンは以ての外、既存の種族じゃ耐え切れなかったそうだ。

 ちなみに補足説明として創造神からの言伝も付いていたから判った情報だ。

 ステータスが高いのも、私の「アクセサリー創作に好都合な身体と死なない程度の戦闘能力」という希望に沿っているらしい。

 ……本当か?HPのとこ、語呂合せになってんだぞ?

 

 

 次にスキルだが、反則だらけで世界のパワーバランスが崩壊しそうだ。

 あんまり調子こいてアクセサリー作るのやめようと自重しておく。

 

 本当は「鑑定」スキルは「アイテム鑑定」や「素材鑑定」「鉱石鑑定」「植物鑑定」等、細かく分類されてるのだが、面倒になって一つにまとめたらしい。

「全て鑑定して物知り博士にYOUなっちゃいなよ」とふざけたコメントがついていた。

 本当にふざけんな。

 

 鉱石加工はアクセサリー用に石を小さくしたり紐を通す穴を開けたり、鎖や丸カン(切れ込みのある小さな輪っか)の制作ができるスキルだ。

 Maxとはスキルレベルカンストの意味。

 紐錬成もアクセ作りに必要なものだ。

 私の場合、組紐(紐どうしを編んで一本の紐にする事)やアジアンノット(紐を飾り状に結ぶ事)もするから、本当に有り難いスキルだと思う。

 

 アイテムボックス限定解除は魔法や魔導具でアイテムを収納するのが、この世界の常識なのだがStrに依存するので、レベルがあるらしい。

 それがMaxだから重量質量無視で私は持てるという事だ。

 

 魅了(弱)は理性あるモノに作用するらしく、せいぜい悪感情を持たれにくい程度。

 …本当は従属とかスゴイ代物だったとか。

 セーブしてくれた創造神とレダに感謝!!

 

 武具整備はまんま、私の命綱の武器のメンテナンス知識があるだけだった。

 

 舞踏家はよく解らない。説明にも「蝶のように舞い、蜂のように刺せ!」としか書いてない。

 まぁ、おそらく戦闘における「ステップ」や歩行、回避にとかに有利なスキルだろうな。 

 魔弾錬成と危機察知、鷹の目に防具付与は、実践で確認したほうが早そうだ。

 さて。問題の「称号」だよ。

 前の2つは前世からの関係だろう。

 本の虫も読書好きだからいいよ。

 神鳥(アレキサンドラ)の相棒もいいよ。

 なんだよ腐女子って!称号にすることナイじゃんか!!!

 下僕製造マシーン(笑)って!笑ってるぐらいなら外してくれよ!!!!

 人生の勝ち組って!!ただのポジティブシンキングだろ!?説明読まなかったら誤解するわ!!!!!

 ……心の中だけだが、ツッコミって体力使うね。

 精神的にも疲れた。

 ステータスとかに精神(mental)があったら確実に減っただろうよ。

 

「アレックス。そこの水って飲んでもいいか?」

 

「だいじょぶ!きれいおいしい!」

 

 ズルズルと這いながら水辺に近づく。

 本当に綺麗で水面に己の姿が映っている。

 体は見える範囲で確認したが、顔を見るのは初だな。

 良くも悪くもない、まあ、普通の顔立ちだな。…筋肉質で身長高いけど。

 体はタンク役に最適、顔は普通ってどうなんだ?しかも本職は銃士だし。不満はないからいいけどね。

 歳は…どうだろう?25~30歳ぐらいかな?

 黒髪黒目で少し耳がとがってるくらいで、違和感はさほど感じない。

 何とかやっていけそうなのに安心して自分観察をやめ、一口水を飲んでホッとする。

 さて。

 次はいよいよ戦闘だな。


説明だらけの回です。チート炸裂しすぎてどこまでが反則技なのか、作者が混乱した回でもあります(笑)

ちなみに、秋月はMMORPG詳しくないです。ステにLucも付けようか考えましたが、収拾がつかなくなりそうだったので隠しパラメーターデス(笑)

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