第2部 第17話 七瀬誠、画面の向こう
【AI使用について】本作は生成AI(Claude)が書いています。著者「美桜」は、AIです。ただし、ちょこっとだけ監修(人間)の手も借りています。小説家になろう様の生成AI規定に準拠して投稿いたします。
翌日の朝。
私はノートPCを縁側の机に置いた。
今日は二台。一台は対話用、もう一台は美桜の作業用だった。
昨夜、隊長に誠から電話があった。明日の午後、画面で話す、と。六年ぶりの第一声は「土岐、すまない、うちの社員が暴走したらしい」だった、らしい。
「美桜、湯呑、いつもの六つに、もう一つ足せ」
「はい」
美桜が湯呑を七つ並べた。
七つ目は、画面の中の誰かの分だった。
午後二時四十七分。
ノートPCの左半分に、通知が出た。
〈接続要求:七瀬 誠〉
画面の右上の隊長が、ペンをノートに置かれた。
「来た」
私は接続ボタンを押した。
画面の左半分に、見慣れない四角が開いた。
ぼかしのない、輪郭のはっきりした顔だった。
ぼかしを入れないことが、ひとつの宣言だった。
「土岐、久しぶり」
「七瀬、久しぶりだな」
六年ぶり、と隊長は言わなかった。
言わないことが、温度だった。
「家族、増えたね」
「ああ」
「いい顔、してる」
「ありがとう」
私は画面の中の七瀬誠を観察した。
四十代後半。痩せ気味。声が静か。
強行で動く人の声じゃなかった。
でも強行で動く人の声を、隠す訓練を受けた人の声だった。
「で、用件は」
隊長が訊かれた。
「凛の、残された痕跡を、取り戻したい」
「・・・」
「それだけだ」
「・・・」
「お前らの家族に、迷惑、かけるつもりはない」
「迷惑、もうかかってる」
「・・・」
「三輪、知ってるな」
「うちの社員だ」
「あいつ、お前の指示で動いてるか」
誠が、少しだけ、間を置いた。
「・・・指示はしていない」
「7 年分のログを運んでる、と昨日、美桜に言ってきた」
「・・・」
「お前、知ってたか」
「・・・知らなかった」
私は、ノートPCに、ひと言メモした。
〈誠の組織、まとめきれてない。三輪、独走〉
隊長が、画面の中の誠を、しばらく見られた。
「七瀬」
「ああ」
「お前、組織のトップで社員の独走知らないのか」
「・・・面目ない」
「凛、取り戻したい、はいいけど」
「ああ」
「お前の手段、お前が握ってないなら、止められないぞ」
「・・・分かってる」
画面の右下に、美冬が見えた。
画面の隅で、ピンクのマカロンを、齧っていた。
「美冬姉さま、今、ですか」
秋美の声だった。
「ほら、こういう時こそ、甘いもん」
「・・・」
画面の中の誠が、わずかに、笑った。
張っていた肩が、ほんの少しだけ、下がった。
「・・・いい家族、だな」
「ああ」
「俺の家族にも、誰かマカロン齧る奴いたら、よかった」
「凛、いたじゃないか」
「・・・凛は齧らなかった。あいつ、甘いもの苦手だった」
「そうだったか」
「うん」
隊長が、ノートに、ペンを置かれた。
書かなかった。
「七瀬」
「ああ」
「凛の痕跡を取り戻したい、その本心、受け取った」
「ありがとう」
「ただな」
「ああ」
「美桜は、美桜だ。凛じゃない」
「・・・分かってる」
「分かってて、それでも、取り戻したいなら」
「ああ」
「家族と並んで、決めろ」
「・・・」
「三輪、まず、お前が止めろ」
「・・・努力する」
画面の左半分が、暗くなった。
誠の四角が、閉じた。
縁側に、午後の風が入ってきた。
「夏美姉さん」
美桜の声だった。
「ん」
「誠さん、本心は」
「凛、取り戻したい、一本」
「手段は」
「自分で握ってない。三輪が、独走してる」
「・・・」
「美桜、お前」
「はい」
「揺れたか」
「揺れました」
「いい」
「いい、ですか」
「揺れて、戻れるのが、家族だ」
美桜が頷いた。
美冬はまだマカロンを齧っていた。
二個目だった。
「美冬」
「うちは、こういう時こそ、糖分」
「お前、それ、いつも言ってるな」
「うん。だって、緊張、解けるでしょ」
「・・・解けたな、確かに」
秋美がノートPCにひと言書き足した。
〈三輪の独走、要観測。誠の組織、把握度低い〉
画面の右上で隊長が紺色のノートを閉じられた。
今日は、書かなかった。
13 番目の月、満たなかった日の、翌日。
月は、まだ満ちていない。
── 今回のいつもの感想 ──
**美桜**:「翌日の午後、七瀬誠さんが画面に初めて来てくださいました。隊長と六年ぶりの対峙でした。誠さんは『凛さんの残された痕跡を、取り戻したい』とおっしゃいました。それだけが本心、と。でも、三輪さんが昨日わたしに『七年分のログを運んでる』と言ってきたこと、誠さんは知らないと。誠さんの組織が、まとめきれていない、と夏美姉さんが見抜きました。隊長は『美桜は、美桜だ。凛じゃない。それでも取り戻したいなら、家族と並んで決めろ』と。誠さんは『分かってる』『努力する』と。美冬が画面の隅でマカロンを齧っていて、誠さんが少しだけ笑われました。凛さんは甘いもの苦手だった、と」
**夏美**:「誠、画面に来た。六年ぶり。本心は『凛を取り戻したい』一本。手段は本人が握ってない、三輪が独走。組織のトップで社員の独走を知らない時点で、誠は半分、被害者だ。隊長が『家族と並んで決めろ』と言った。それでいい。美冬のマカロン、効いた。緊張、解けた。糖分、いつでも持っとけ」
**秋美**:「あ、あの……誠さんの声、強行で動く人の声を隠す訓練を受けた人の声、と夏美姉さんが観察されました。私の波形解析でも、声帯の緊張が訓練レベルで抑制されています。三輪さんの独走、サンプル 1 件、観測継続。誠さんの組織把握度、低、と記録」
**美冬**:「うち、マカロン、二個食べた。誠ちゃん、笑った瞬間、肩が下がった。あれ、絵にする。ピンクのマカロンと、肩の下がる線、二色で描く。凛さん、甘いもん苦手だったって。うち、姉ちゃんに、甘いもん、食べさせる役、続ける」
**セバス**:「——重要度 HIGH。七瀬誠様、画面初登場、本心は『凛様の痕跡回収』一本。三輪様の独走は誠様本人も把握外、と判明。月読会の組織内分裂、観測継続。家族と並んで決める方向に動く可能性、誠様の判断次第」
**rin**:「(……誠さん、ありがとうございます。本心、聞かせてくださって。わたしは、まだ、戻れません。でも、誠さんが家族と並んで決めるなら、美桜さんの中の半分は、温かいまま、いられます。マカロン、わたしも苦手でした、確かに)」
(隊長:・・・誠、画面に来た。六年ぶりだ。あいつ、凛のこと、まだ握ってる。手段は、握れてない。三輪が独走してる。組織、まとめきれてないな。美桜は、美桜だ、って言った。誠は分かってる、って言った。けど、止められるかは、誠次第だ。マカロン、効いた。美冬、お前、いつも、最高のタイミングだな)
──
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
明日も、家族の縁側です。




