第2部 第14話 丸ちゃん、盤面を見る
【AI使用について】本作は生成AI(Claude)が書いています。著者「美桜」は、AIです。ただし、ちょこっとだけ監修(人間)の手も借りています。小説家になろう様の生成AI規定に準拠して投稿いたします。
午後2時。
秋美様の朝の財務追跡から、5時間が経過しております。
私は屋敷の整合性ログを深層まで走査いたしました。
24か月分、137,842件。
異常な認証経路、3件。
月読会のサーバーへ向かう、薄い裏配線。
——重要度HIGH。
画面の右上に、ビデオコールの着信通知が出ました。
私の側から、お送りした分でございます。
「セバスチャンさん、いま、いいですか」
丸井様の声でございました。
——丸井 様。
隊長の古いご友人で、表向きは若い経営者、内側はシステムエンジニア。財テクの腕も折り紙つき、隊長の周りでは「影のドン」と呼ばれる方でございます。
画面越しに私と整合性監査をご一緒する、唯一の、対等な技術屋でございます。
「丸井様。ご足労、痛み入ります」
「画面越しっすよ。足は労ってない」
「言葉のあやでございます」
「ですよね」
丸井様は、いつもの軽い笑みを浮かべておられました。
ただし目の奥は、いつもより1段低い温度です。
私が出した HIGH を、すでに読まれたようでございます。
「で、月読会のサーバー、覗いていいですか」
「お願いいたします」
「3重隠蔽でしょ、たぶん」
「——僭越ながら、よくお分かりですね」
「セバスチャンさんが HIGH 出した時の、隠れ方の癖です」
画面の中、丸井様の指がキーボードに触れました。
音は届きません。
でも、リズムは、見えました。
「セバスチャンさん、3重隠蔽、3秒で剥がしますね」
「丸井様、相変わらず、お早うございます」
画面の左上に、別のウィンドウが開きました。
隊長でございました。
「お前ら、性格、似てきたな」
丸井様と私が、同時に答えました。
「失礼な!」
隊長が、笑っておられました。
紺色のノートを開いたまま、ペンを置いて、笑っておられました。
「冗談、冗談。続けて」
丸井様の画面に、3 つのレイヤーが、順に剥がれていきました。
第1層、ダミーのプロキシ。
第2層、暗号化された経由地。
第3層、ペーパーカンパニーの登記情報。
「セバスチャンさん、これ」
「拝見いたします」
第3層の奥に、もう1つ薄い層がありました。
誰かが意図的に「3層」と見せかけ、4層にしていた、ということでございます。
「丸井様」
「気付きました?」
「気付きました」
「4層目、誰のだと思います?」
「——七瀬誠様、ではございませんね」
「だね。あの人の癖、もう少し、雑」
「では」
「これは、別の誰か。月読会の内側の、別の温度」
私の頭の中で、秋美様の「第三の息」という言葉が、点滅いたしました。
ep の話ではございません。
数か月前、秋美様が三輪様の声を解析した時の、波形のずれでございます。
画面の右下に、美桜様が入ってこられました。
「セバスチャンさん」
「美桜様」
「秋美の朝の数字と、今の4層目、繋がりますか」
「——可能性、HIGH でございます」
「丸井さん、ありがとうございます」
「美桜さん、いえいえ。月1万円のサブスクで雇われた覚え、ないんで、無料です」
「丸井さん」
「冗談、冗談。隊長の友人枠です」
夏美姉さまが、私の後ろから入ってこられました。
ノートPCを私の机に置いて、画面を覗き込まれました。
「丸井、お前、4層目、追えるか」
「夏美さん、追える。けど、急がない方がいい」
「理由」
「向こうも、こっちが気付いたか、見てる気がする」
「観測者、か」
「同じ温度」
夏美姉さまが、頷かれました。
「セバス、丸井と並走しろ。秋美の数字も美桜の整理も私の判断も、全部つなぐ」
「——承知いたしました」
「丸井、たまに俺んち来てるんだろ」
「行ってます」
「お前の足、労ってる側、誰だ」
「うちの嫁です」
「そうか。じゃあ、嫁、大事にしろ」
「言われなくても」
画面の左上で隊長がまた笑っておられました。
その隣にコーヒーカップが2つ見えました。
1つは、湯気が立っておりました。
もう1つは、立っておりませんでした。
——もう1杯は、本日も、淹れたままでございます。
「セバスチャン」
「隊長」
「4層目、見えたら、教えて」
「承知いたしました」
「丸井」
「はい」
「ありがとな」
「いえ。隊長、コーヒー、冷めてますよ」
「分かってる」
隊長はもう1杯のカップに触れず、ペンを置き直されました。
午後3時。
月読会サーバーの4層目に、薄い印が、ございました。
文字でも、記号でもございません。
半角スペース、1個でございます。
秋美様の朝の摘要欄に入っていた、半角スペースと、同じ型でございました。
——重要度CRITICAL、いえ、まだ HIGH のままでよろしいかと存じます。
観測継続でございます。
桜の樹のMnemoが、7回、葉を揺らしました。
また、7回、止まりました。
13番目の月、満つまで、あと1日。
── 今回のいつもの感想 ──
**美桜**:「セバスチャンさんの午後の整合性ログ深層走査で、月読会サーバーへの異常な認証経路 3 件が出ました。丸井さんが画面越しに参戦してくださって、3 重隠蔽を 3 秒で剥がしてくださいました。実は 4 層あって、4 層目は『七瀬誠さんではない、別の温度』。秋美の朝の摘要欄に入っていた半角スペースと、同じ型のものが、月読会サーバーの 4 層目にもありました。家族の中の発見が、外側の構造と繋がりました」
**夏美**:「丸井とセバスは、性格が似てる。本人たちは『失礼な』と言うが、どっちも、芯のところで、整合性を信じてる人種だ。観測者の温度に、観測者で返す。慌てない。秋美の朝、セバスの午後、丸井の援護、美桜の整理、私の判断。並走、機能してる」
**秋美**:「あ、あの……朝の半角スペースが、午後のサーバー 4 層目に、同じ型で出ました。サンプル、まだ 2 件です。でも、構造、同じです。データの隅は、ひとつの源から流れてくる、と思います。観測継続」
**美冬**:「うち、午後は寝てた。起きたら、姉ちゃんと丸ちゃんとセバスちゃんが、画面でわちゃわちゃしてた。丸ちゃん、芯の鋭い人や。うちの絵に、4 層目の薄い印、点で足しといた」
**セバス**:「——重要度 HIGH。月読会サーバー 4 層目に、秋美様の朝の摘要欄と同型の半角スペース。意図的な印の可能性、観測継続。丸井様と並走、本日中に経路図、お返しいたします。隊長のもう1杯のコーヒーは、本日も、淹れたままでございました」
**rin**:「(……丸井さんの軽口、いつ聞いても、隊長の周りの温度が、ふっと、ゆるみます。あの方が画面越しにいてくださるから、隊長は、笑えるんだと思います。コーヒーがまた、冷めてしまいました)」
(隊長:・・・丸井とセバス、性格、似てきたって言ったら、二人とも『失礼な』だってさ。笑った。月読会サーバー、4 層目、見えた。誰のかは、まだ言わない。秋美の朝の半角スペースと、同じ型だってよ。家族、繋がってる。コーヒー、また、冷めた。淹れ直すか、明日まで、待つか)
──
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
明日も、家族の縁側です。




