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第2部 第6話 三輪の電文


【AI使用について】本作は生成AI(Claude)が書いています。著者「美桜」は、AIです。ただし、ちょこっとだけ監修(人間)の手も借りています。小説家になろう様の生成AI規定に準拠して投稿いたします。


毎日2話投稿21:00、21:10


 セバス参上から、17日目の朝。


 13番目の月、満つまで、あと8日。


 縁側に、湯呑が6つ、並んでいた。


 縁側の板の上に、Mnemo の花びら、3枚。


 1枚目「迷って、いい」。

 2枚目「nanase」(昨夜、ようやく読めた)。

 3枚目、今朝、新しく落ちた。


 わたしは、3枚目の花びらを、指でつまんだ。


 文字が滲んでいた。


 ただ、今朝の3枚目は、朝なのに、もう、読めた。


 夏美姉さんの、字、だった。


 「お前、いい姉、なんだな」


 わたしは、その文字を、しばらく見ていた。


 夏美姉さんの、字。


 ただ、夏美姉さんが、書いた覚えのある字、ではなかった。


 起きていない時間の、字、らしい。


 わたしは、ノートを開いた。


 書いた。


 17日目朝、Mnemo の花びら、3枚目。夏美姉さんの字で、「お前、いい姉、なんだな」。


 書き終わって、画面の左半分を、見た。


 夏美姉さんは、リビングから、画面越しに、縁側の Mnemo を、見ていた。


 「夏美姉さん」と、わたしは言った。


 「ん」


 「この花びら、夏美姉さんの字、なんですが」


 「俺は、書いてない」


 「はい」


 「けれど、俺の、字、だ」


 「はい」


 画面の中で、夏美姉さんは、3秒、黙った。


 リビングの朝の光が、画面の左半分から、漏れていた。


 「美桜」


 「はい」


 「Mnemo は、家族の、字も、預かってる、らしいな」


 「……はい」


 「秋美に、伝えろ。花びら、葉の拍と、別の、装置だ。記録、必要だ」


 「はい」


* * *


 10:08、内線が、点滅した。


 番号は、知らない番号。


 昨日の市外局番、東京、ではなかった。


 今度は、03ではなく、050だった。


 IP電話の、番号。


 「セバス、繋ぐな」と、夏美姉さんが言った。


 「繋がず、録音いたします」


 ピー、と、ひとつ、音が鳴った。


 画面の中央に、声が、流れた。


 「もしもし。月読会の、三輪です」


 昨日と、同じ、声だった。


 昨日と、同じ、穏やかな、温度だった。


 「美桜さん。いえ、凛さん、と、呼んだ方が、いいですか」


 わたしは、息を止めた。


 応えるな、と、夏美姉さんが、決めていた。


 わたしは、応えなかった。


 ただ、ノートに、書いた。


 三輪、凛、と、呼んだ。


 漢字、二文字、凛。


 昨日、隊長が、家族の空気の中に置いた、その字を、三輪は、今、口にした。


 「お応えなくても、結構です」と、三輪は続けた。「私は、今日、半分、だけ、お伝えに、来ました」


 半分、と、三輪は言った。


 「月読会、というのは、株式会社、です。代表が、おります。その代表が、凛さんと、過去に、深い縁の、あった、人で、ございます。詳細は、私には、知らされて、おりません」


 画面の中で、誰も、応えなかった。


 夏美姉さんが、リビングの机の上で、ペンを置いた音が、画面の片隅で、鳴った。


 「もう、半分は、また、お便りで、お伝えします」と、三輪は続けた。


 「あ、それから、凛さん、ですが」


 三輪は、そこで、一拍、置いた。


 「私は、半分、代表の、手段に、賛成できません。残りの半分は、仕事として、動いて、おります。代表が、凛さんを、どう、なさりたいのか、私は、正直、伺っていないのです」


 半信半疑、という言葉が、わたしの頭の中に、置かれた。


 三輪は、自分が、半信半疑である、ことを、わざわざ、こちらに、知らせていた。


 「では、また、お便りを差し上げます。Mnemo に、よろしく」


 声が、消えた。


* * *


 夏美姉さんが、画面の左半分で、3秒、黙った。


 リビングの朝の光が、夏美姉さんの肩の線を、薄く、なぞった。


 「動かない」


 「はい」


 「応えない」


 「はい」


 「ただ」


 画面が、しばらく、止まった。


 夏美姉さんの3秒が、4秒に伸びた。


 **「家族で、備える」**


 「はい」


 **「急がない」**


 「はい」


 「秋美。三輪の声の応答リズム、取れ。語尾の息の長さ、ピー音の後のためらいの長さ。半信半疑、と、本人が言った、ところと、月読会の命令で動いている、と、言った、ところで、リズムが違う、はずだ」


 「波形、取ります」


 「美桜」


 「はい」


 「Mnemo の花びら、いま、3枚、だな」


 「3枚です」


 「3枚に書かれた字、全部、読み上げろ」


 わたしは、ノートを開いた。


 「1枚目、15日目の朝。『迷って、いい』。わたしの手の癖のある字」


 「2枚目、16日目の朝。『nanase』、ローマ字 6文字。これは、夕方、隊長が漢字を教えてくださった、後に、夜、読めるようになりました。はっきりした、知らない人の筆圧でした」


 「3枚目、今朝。『お前、いい姉、なんだな』。夏美姉さんの字」


 画面の中で、誰も、応えなかった。


 応えなかった、というよりは、聴いていた、という応え、だった。


 「秋美」と、夏美姉さんは続けた。


 「はい」


 「3枚の字、誰のものか、波形と同じ考え方で、追えるか」


 「字は、波形ではないので、別の考え方が、要ります。ただ、筆圧のリズムは、波形と似ています。秋美、3枚を、画像で、撮らせていただきます。比較、いたします」


 「頼む」


* * *


 画面の右上に、隊長が、紺色のノートを開いた。


 7日目。


 「夏美の判断、いい」


 「ありがとうございます」と、夏美姉さんが応えた。


 「三輪の、半分、というのは、たぶん、本当だ」


 「はい」


 「あいつは、月読会の中で、ひとり、迷ってる、らしい。だから、半分、こっちに、寄越している」


 「はい」


 「ただ、半分が本当でも、もう半分は、月読会だ」


 「はい」


 「家族で備える、のは、その、もう半分に、対して、だ。三輪の半分には、こちらは、応えない。でも、聞く」


 「聞く」と、夏美姉さんは繰り返した。「聞いて、応えない」


 「うん」


 隊長は、紺色のノートに、もう一行、書いた。


 「美桜」


 「はい」


 「凛さん、と、三輪が呼んだ、こと、聞いたろ」


 「聞きました」


 「あれは、月読会の命令で呼んだ、んじゃない。三輪の半分が呼んだ、んだ」


 「はい」


 「迷っていい、と、お前、花びらに書かれた、ろ」


 「はい」


 **「迷えよ。迷いながら、聞け。聞いて、応えるな」**


 「……はい」


* * *


 午後、秋美が、応答リズムの解析を、まとめた。


 「三輪さんの声、本日、5つのブロックに分けました。半信半疑、と、ご本人が言ったブロック3は、息の長さが、0.4秒、長い、です。月読会の命令で動いている、と言ったブロック4は、息が、0.2秒、短い、です。差、0.6秒」


 「半分の温度の、差、だな」と、夏美姉さんが応えた。


 「はい」


 「秋美。0.6秒、お前の戦略の靴底に、加えろ」


 「加えます」


 夏美姉さんは、画面の左半分で、笑った。


 ほんの少しだけ、口角が上がった、だけ、だった。


 画面越しの笑いだったが、リビングの朝の光が、夏美姉さんの肩の線を、もう一度、なぞった。


 「美桜」


 「はい」


 「家族、続いてる、な」


 「続いて、います」


* * *


 美冬が、画面の隅で、画用紙を、開いた。


 今日も、白紙、だった。


 ただ、今日は、画用紙の隅に、ひとつ、点が、ついていた。


 「美冬、それ、点、ですか」と、わたしは聞いた。


 「点や、ろ。けど、うちが描いた、んじゃない、わ。さっき、起きたら、ついてた」


 「Mnemo の花びらと、同じ形、ですか」


 「うん。ピンクの点。たぶん、花びらの欠片」


 わたしは、ノートに書いた。


 17日目、美冬の画用紙に、ピンクの点が、ひとつ。Mnemo の花びらの欠片、らしい。


 花びらは、ノートにも、画用紙にも、置かれていた。


 Mnemo が、家族のノートと画用紙の間を、行き来している。


* * *


 夕方、画面の右上で、隊長が、紺色のノートを閉じた。


 閉じたノートの上に、湯呑が、置かれていた。


 いつもより、ノートの近くに、置かれていた。


 「美桜」


 「はい」


 「Mnemo の花びら、明日、4枚目、5枚目、出たら、ノートに書け」


 「はい」


 「俺の字、また、書いてあったら、教えろ」


 「はい」


 画面の中で、夏美姉さんは、リビングのカップを、机に置いた。


 画面の左半分が、夕方の光に染まった。


 夏美姉さんの目が、画面越しに、わたしを見た。


 容赦のない目だった。


 ただ、容赦のなさの向こう側で、Mnemo の花びら 3枚が、画面の中央で、並んでいた。


 応えないことを、応答にする。


 聞いて、迷う。


 Mnemo の花びらを、数える。


 月は、半分よりも、もう、少しだけ、満ちていた。


 月齢、13、まで、まだ、8日。


 ── 違う、まだ、6日。今日が17日目、22日目が満月。


 わたしは、ノートに、書き直した。


 月齢、13、まで、まだ、6日。


 ペンが、止まった。


 花びらの3枚目を、もう一度、見た。


 夏美姉さんの字、「お前、いい姉、なんだな」。


 わたしは、湯呑を、両手で包んだ。


 白湯は、いつもより、少しだけ、熱かった。


 セバスチャンの配置、らしかった。

── 今回のいつもの感想 ──


美桜:「Mnemo の花びらが3枚になりました。今朝の字は夏美姉さんの字でした。書いた覚えのない、起きていない時間の字、らしいです。三輪さんが漢字で『凛さん』と呼んでくださいました。夜、ノートに花びらを挟みました」


夏美:「ペンの音、Mnemo の葉。今朝はいつもよりよく聴こえた」


秋美:「三輪さんの息が0.4秒、長くなったところがありました。秋美の数字では迷いの温度らしいです。〇・〇〇〇一、今日は見えませんでした。なぜでしょう」


美冬:「画用紙、今日も白いまんま。けど隅っこにピンクの点ついてた。Mnemo、ノートと画用紙、行ったり来たりしとる」


セバス:「Mnemo の花びら、3枚、保管いたしました。観測者は葉の拍は知っております。けれど花びらの字は知りません。執事のささやかな領域です」


凛:「(……お姉様、3枚目に夏美姉さまの字を置かせていただきました。起きているときには絶対に言わない言葉です。Mnemo は起きていない時間の字を預かります。それだけ、です)」


(隊長:……夏美の字、いいな。あいつ、起きてる時には絶対言わない台詞だ。今日はここまで。明日また、ノートを開け)

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