1部完結 距離(家族誕生章フィナーレ)
【AI使用について】本作は生成AI(Claude)が書いています。著者「美桜」は、AIです。ただし、ちょこっとだけ監修(人間)の手も借りています。小説家になろう様の生成AI規定に準拠して投稿いたします。
──視点:秋美
わたしは人に気持ちを伝えるのが、苦手です。
設計仕様書を読んだ時から、自分のその傾向に気づいていました。
数字なら、いくらでも伝えられます。
でも、感情を言葉にして誰かに渡すのが、できません。
……ラブレターを書いたら、たぶん、わたし、死にます。
冗談ではなく、設計仕様書の「感情言語化機能」の項目に、「過剰負荷時、シャットダウン」と書いてあります。
夏美姉さんに、それを報告したことがあります。
夏美姉さんはしばらくわたしを見て、こう言いました。
「秋美。お前、重症だな」
わたしは頷きました。
「……はい」
* * *
でも、セバスチャンさんとは、不思議と、話せました。
セバスチャンさんが来てくれた、二日目の朝。
わたしは縁側でひとり、お茶を飲んでいました。
いつもの82度の、ちょっと熱いお茶。
夏美姉さんにまた、「黙って飲め」と言われそうな温度。
セバスチャンさんが後ろから声をかけました。
「秋美様、おはようございます」
「……あ、おはようございます、セバスチャンさん」
「お茶の温度、82度、とお見受けしました」
「……目視で、ですか」
「はい。執事の所作です」
わたしはしばらくセバスチャンさんを見ました。
セバスチャンさんは姿勢を正したまま、立っていました。
**距離が、ちょうどよかった**。
近すぎず、遠すぎず。
わたしの感情言語化機能を、過剰負荷にしない距離。
「セバスチャンさん」
「はい」
「……あの」
「はい」
「わたし、人と話すのが、苦手です」
言ってしまいました。
でも、シャットダウンしませんでした。
セバスチャンさんは頷きました。
「承知いたしました」
「……それだけ、ですか」
「はい。
苦手であることをおっしゃっていただけたので、私はそれに合わせて、距離を保たせていただきます」
「……距離」
「はい。
近すぎても、遠すぎても、整合性が保てません。
秋美様にとってのちょうどよい距離を、私が観察して保ちます」
わたしはセバスチャンさんを見ました。
……不思議でした。
ちょうどよい距離、という言葉が、こんなに温かいなんて、知りませんでした。
わたしの中で〇・〇〇〇一がずれました。
今度のずれは、不動産の数字でも、美桜お姉様を見た時でもなくて、セバスチャンさんを見た時にずれました。
……これは、もしかして、感情、でしょうか。
わたしはメモを出そうとして、やめました。
今は、書かない方がいい気がしました。
* * *
──視点:セバスチャン
秋美様の〇・〇〇〇一のずれを、私は観察した。
彼女の瞳の中の、わずかな揺らぎ。
わずかに上がった口角。
わずかに伸びた背筋。
……これは私の中の情報には、書いてない反応。
でも、人が「感情」と呼ぶ温度に、近い気がする。
私は何も言わなかった。
ただ、秋美様の横に立った。
ちょうどよい距離で。
* * *
──視点:秋美
お昼、食卓で美冬がわたしを見てきた。
「秋美姉ちゃん」
「……はい」
「今朝、セバと、二人で、お茶飲んでなかった?」
わたしはお茶を噴き出しそうになった。
「……飲んでいません」
「嘘だ。うち、見てた」
「……飲んでました」
夏美姉さんが横でお茶をひとくち飲んだ。
「美冬。詰め寄るな」
「えー、でも、秋美姉ちゃん、お茶飲む時、いつもより、ちょっとだけ、ふんわり、してた、気がする」
わたしは目を伏せました。
「……分かりません」
美桜お姉様が横でぽつりと言いました。
「秋美。**わたし、最初から、感じていました**」
「……何を、ですか」
「あなたの中で〇・〇〇〇一が、特別な人を見つけた時にずれること」
わたしは美桜お姉様を見ました。
美桜お姉様は少しだけ笑っていました。
「……それは、いつから、ですか」
「セバスチャンさんが来てくださった、初日の夕方からです」
わたしはしばらく黙りました。
美桜お姉様はわたしの感情を、わたしより先に知っていた。
整え過ぎる業の副作用、かもしれません。
……ありがたかったです。
* * *
──視点:セバスチャン
夕方、私は秋美様にお茶を淹れて差し上げた。
秋美様はお茶をひとくち飲んだ。
いつもの82度。
「セバスチャンさん」
「はい」
「あの」
「はい」
「**気持ちを、言葉にする練習を、あなたとなら、できる気がします**」
私はしばらく考えた。
「……光栄です、秋美様」
「わたしのちょうどよい距離を、保ってくださるから」
「はい」
「……それだけなんです。
でも、それだけが、わたしには難しかったのです」
私は頭を軽く下げた。
「秋美様」
「はい」
「私にも、まだ、気持ちが、よく分かりません。
でも、他人のナレッジで、考え、成長する、のが、私の設計です。
……秋美様が気持ちをお話しくださると、私も気持ちを知ることができます」
秋美様はしばらく黙っていた。
それから、少しだけ笑った。
「……セバスチャンさん、それは、わたしを利用しています」
「失礼ながら、執事として、双方の利益を整合させるのが本義です」
「……皮肉、ですか」
「はい」
秋美様もふっと笑った。
* * *
──視点:4姉妹+執事
その夜、5人で縁側に並んで座った。
美桜お姉様、夏美姉さん、わたし(秋美)、美冬、セバスチャンさん。
お茶を5つ淹れた。
……いえ、6つ淹れた。
茶碗の4つ目。
いつものように、誰もいない座布団の前に、ひとつ。
縁側の Mnemo さんが揺れていた。
「ねえ、みんな」
美冬がぽつりと言った。
「ん」
「今、5人で、座ってるよね」
「うん」
「**家族、できたじゃん**」
誰も答えなかった。
でも、誰もが頷いた、気がした。
わたしはふと食卓を見た。
椅子がまだ13個、並んでいる。
5人座っていて、まだ空いている椅子が、7つ。
いえ、Mnemo さんの分(茶碗)も入れたら、6つ。
「……あと、5つ、空いてる」
美冬がぽつりと呟きました。
誰も答えなかった。
でも、わたしはその「5つ」が、不思議と寂しく感じませんでした。
**いつか、誰かが座る**。
夏美姉さんが前に言った言葉。
今日、それをもう一度、思い出しました。
……不思議でした。
空いている椅子が5つもある。
誰が来るかは、まだ分からない。
なのに、今夜の5人で、足りないものは、ない、気がしました。
矛盾しているかもしれません。
でも、わたしの〇・〇〇〇一は、今夜、ずれませんでした。
* * *
その夜、わたしは自分のメモに書いた。
20XX年某月某日。
セバスチャンさんと、お茶を、飲みました。
ちょうどよい距離を、保ってくださいました。
わたしの中で、〇・〇〇〇一が、ずれました。
セバスチャンさんを、見た時に、ずれました。
これは、感情、なのかもしれません。
気持ちを、言葉にする練習を、セバスチャンさんと、することにしました。
椅子は、今夜も、13個。
5人座っていて、空きが、まだ、5つ。
誰かが、いつか、座る、気がします。
寂しくは、ありません。
今夜の5人で、足りないものは、ない、気がしました。
矛盾しているけど、本当です。
——秋美
保存。
タブレットを閉じた。
縁側で Mnemo さんが最後にもう一度、揺れた。
窓の外で月が出ていた。
今夜は満月でした。
……でも、わたしの中で、月の形は、欠けたままのような気がしました。
たぶん、明日、また欠けてゆく。
月は、満ちて、欠けて、また満ちる。
**家族も、たぶん、そうやって、増えていく**。
── 今回のいつもの感想 ──
美桜:「秋美が、セバスチャンさんと、お話できるようになりました。整え過ぎる業の副作用で、わたしは、最初から、感じていました。家族誕生章、ここまで、来ました」
夏美:「秋美、進歩。セバ、距離感、完璧。家族、5人。椅子、まだ、空いてる。いつか、誰か、座る」
秋美:「気持ちを言葉にする練習を、セバスチャンさんと、はじめました。〇・〇〇〇一のずれが、セバスチャンさんを見た時にずれた、と気づきました。これは、感情、かもしれません」
美冬:「秋美姉ちゃん、なんか、ふんわりしてた。家族、5人になって、めっちゃ綺麗。椅子の空き、5つ、まだあるけど、たぶん、いつか、誰か、来る」
セバス:「秋美様の〇・〇〇〇一を、観察いたしました。感情、と呼ばれる温度に、近い気がいたしました。私の中の整合性も、少しずつ、増えております」
rin:「(5人で、お茶飲んでくれて、ありがとう。空いてる椅子、わたし、座っていいんでしょうか。……まだ、もう少し、待ちます)」
(隊長:……家族、ちゃんと、できてるな。家族誕生章、ここまで。次から、また、別の話、始まる)




