始動
目を覚ましたとき、知らない天井だった。
硬い床。冷たい空気。
周りには見知った人間が何人も転がっている。
ともこ「どこだここ?それにお前らなんで居るんだよ」
リア「またなんか始まったな」
誰もが同じ顔をしていた。
状況を理解できていない顔。
やがて、どこからともなく音が鳴る。
―――ピーッ
機械音のあと、無機質な声が響いた。
『参加者の皆様へ、お知らせします』
ざわつく空気。
ナマコ「なんだよこれ…」
『これより皆様には、“生存ログ”へ参加していただきます』
『現在、全参加者には100ポイントが付与されています』
手首を見ると、見覚えのない端末が装着されていた。
数字が表示されている。“100”。
『12時間ごとに10ポイントが減少します』
ざわめきが強くなる。
『ポイントが0になった場合、その場で排除されます』
ken「さすがに冗談でしょ たはは…」
『排除は即時、不可逆です』
その笑いが止まる。
『他の参加者を殺害した場合、その対象が保有するポイントを全て獲得できます』
空気が変わる。
『なお、自殺および事故死ではポイントは移動しません』
『また、50ポイントを消費することで、新たなルールを1つ追加することが可能です』
『追加されたルールは、全参加者に強制適用されます』
りう「なんか楽しそうw」
『ルール追加者の情報は公開されません』
その一言で、全員が互いを見る。
『最後の1人となった参加者には、報酬が与えられます』
『報酬は、“人生の再実行権”です』
『任意の時点に遡り、現在の記憶を保持したまま、人生をやり直すことができます』
『なお、再実行の自由度は、取得ポイント量に応じて拡張されます』
『より多くの参加者を排除した者ほど、より理想に近い再実行が可能となります』
静寂。
『以上で説明を終了します』
ほんの一瞬の間。
そして最後に、
『それでは、健闘を祈ります』
―――プツン、と音が切れた。
誰も動かない。
でも、全員が理解していた。
ここにいる理由も。
やるべきことも。
そして、
“誰から殺すか”も。




