な、なんですってっ!?
もうこれだけでこの『しょーとけーき』なる食べ物が美味しいという事が伝わってくる。
そして私は、流行る気持ちを抑えながらフォークで『しょーとけーき』を一口サイズに切り分けると、恐る恐る口の中へと入れる。
するとどうだ。
口いっぱいに広がる牛乳ともバターとも言えぬ乳製品独特のクリーミーさが口一杯に広がっていくではないか。
先ほど食べた『フルーツだいふく』よりも、フルーツに邪魔される事なくこの白いクリームの味わいを強く感じる。
その事からも先ほどの『フルーツだいふく』はあくまでもフルーツが主役なのだが、この『しょーとけーき』なる食べ物はこのクリームが主役なのだろう。
そして、クリームの重さを後からやってくるイチゴの酸味がさっぱりと口の中を洗い流していく。
その事がどういう事かというと、無限に食べることができる、ということですわっ!!
しかしながら私の目の前にはまだ一つ、『せんべい』なる食べ物が残っている。
一見すると先ほど食べた『フルーツだいふく』や『しょーとけーき』と比べると一見地味であり、そしてあまり美味しくなさそう、というのが私の感じた第一印象であった。
そして、それを手に取り、匂いを嗅いでみるのだが、お菓子という割には甘い匂いすらしないではないか。
一体どうしてこのようなものを『フルーツだいふく』や『しょーとけーき』と一緒に出したのか、私には分からないのだが、シャルロット様がここに出したということは恐らくこの『せんべい』なる食べ物も、それらに匹敵するほど美味しいのであろう。
「あら、次は煎餅を食べるんですのね。 やっぱりお茶請けと言えばフルーツ大福や苺のショートケーキよりも煎餅が合いますわよね」
「そ、そうなのですね……」
な、なんですってっ!?
なんとか私は平静を装ってはいたものの、心の中では雷に打たれたかのような衝撃が駆け巡っていた。
先ほどの『フルーツだいふく』や『しょーとけーき』よりもお茶請けとしては『せんべい』という食べ物が上であるとシャルロット自らが仰るのだから、これが吃驚せずにいられますかっ!
しかしながら、どの角度から見ても、いくら匂いを嗅いでも、この『せんべい』なる食べ物が『フルーツだいふく』や『しょーとけーき』に勝るとは到底思えないので、食べて判断する事にする。
想像ではクッキーのような焼き菓子を想像していたのだが、クッキーのサクッとした食感とは違いパリッ!という食感がまず初めに伝わってくる。