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そうなんですの

「へ、へぇー……そうなんですのね」

「そうなんですのよっ!!」


 そう、今まで来てきた中でカイザル殿下だけが唯一、肩書などではなく私だけを見てくれた。


 それはきっと、恋だの愛だのという感情ではなく、ただ単に可哀想というものからきた感情であろう事も理解している。


 それでも、初めて私を見てくれた人という事は変わらないし、初めて私を見てくれたという感動は今なお鮮明に思い出す事ができる程に嬉しかったのだ。


 そんなカイザル様を好きになるのに時間はかからなかった。


 初めこそこの感情がなんであるのか波分からなかったのだが、カイザル殿下が開催したパーティーの、シャルロットとブレットを見て羨ましいと思った事と、その前にカイザル殿下がシャルロットへ復縁を迫った時に『嫌だ』と思った事により、『あ、私はカイザル殿下の事が異性として好きなんだ』という事に気づく事ができたのである。


 そのため、自分の気持ちに気づく事ができるシャルロットには、その件に関しても感謝している。


「そうは言われましても、殿方を落とす方法ねぇ……。 あれから数年経ってますし何かこう、アピールなどはしなかったのですか?」

「そ、それが……最初は何をすれば良いのか分からなかったので、ただ黙ってカイザル殿下のお側にいて、付いて回っておりましたの」

「ふむふむ……あ、このチョコレート美味しいわね。 新作として店頭に出してもいいかも……」

「ですが、カイザル殿下は少し顔を赤らめるだけで、他の殿方、あ、この場合は私の肩書き目当ての殿方なんで助けれども、その殿方達とは違ってちっとも愛を囁いてくれませんのよ? すこし背伸びをしてセクシーなお洋服をきた時も『美しい』だとか『綺麗だ』とか一言も言わないで、ただただ顔をいつもより顔を赤らめるだけで何も言わないんですの」

「ほうほう、そうですか……。 あら、この煎餅も美味しいわね。 ここ最近煎餅のクオリティーも上がってきていい事ですわ」

「そうなんですのっ!! なのでもう少しだけ勇気を振り絞って手を繋ごうとしても触れた瞬間カイザル殿下が顔を真っ赤にして手を引っ込めてしまって……きっと触られたくなくて凝らしてしまったと思い謝罪はすぐさましたのですけれども、もうどうカイザル殿下へアピールをして良いものか、分からなくなってしまいまして……。 それで、こうして今シャルロット様に恋の駆け引きについてご教授頂きたく、迷惑かとも思ったんですけれどもここまで来たんですの」

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