表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/98

一体どこから漏れたのか

 他人から緩いと言われても、わたくし自身が過ごし辛い空間であるのならば、側仕えの仕事は主人に居心地悪い空間を作るのが仕事なのかと問うてやりたい。


 なので、やる事さえやっていれば、それで良いのだ。


「あぁああっ!! こ、これはぁぁああっ!!」

「おぉーっ。 シャルロットお嬢様も隅に置けませんねえ」

「こ、これはこれで世の令嬢、いえ女性達に向けて販売すれば飛び交うように売れそうな予感ですっ!!」


 そんな事を前世での嫌な記憶、主にブラック企業のトラウマという記憶と共に考えながら、スマートフォンからノートパソコンへと本日撮った写メのデータを写して順番にプリントしていると、今度は先程の『キャイキャイ』という声音ではなく、どちらかというと『きゃーーっ!!』というような黄色い声が部屋の中に木霊する。


 何だろうと? と思い今印刷している画像を確認してみると、さりげなく隠し撮りしたブレットの写真と、わたくしとブレットのツーショット写真の項目に移っていたようである。


 そしてその写メ達をわたくしは考え事をしながら機械のようにひたすら順番にプリントしていたと……。


「こ、ち、違うんですのよっ!?」

「あ、大丈夫です。 シャルロットお嬢様がブレットさんの事が大好きだって事はメイド達の間では既に全員が知っている周知の事実ですから」

「そうですそうです。 いつも、ヤキモキしてたんですよっ!! いつブレットさんに告白するんだろう、もしくは逆に、いつブレットさんから告白をされるんだろうって」

「シャルロットお嬢様から告白をする場合は、おそらく勢い任せのその場しのぎになりそうなのですが、ブレットさんから告白をされる場合はさぞロマンチックなんだろうなぁ、って皆んなで想像していたんですよっ!? そしたら、蓋を開けてみればやっぱりロマンチックな告白だと知って、今日はもう仕事終わりにルームメイトへと早くこの事実を言いたくて言いたくて、いっそこの持ち場から離れて言いに行きたいくらいなのですからっ!!」


 そしてわたくしが取り繕うとするのだが、マリーの「周知の事実」発言からの怒涛のメイド達のターンによりわたくしは既に言い訳の仕様もなくブレットの事が好きなのだという事がバレているらしい。


 一体どこから漏れたのか。


 わたくしがブレットに恋心を抱いているという事は重要機密事項のはずである。


 そう思いながら『よもや、お主ではなかろうな?』とマリーへ視線を向けると『いや、もう態度でバレバレでしたよシャルロットお嬢様。 むしろ気づいていないのはブレット様だけかと』と視線で返事をされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ