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口元がニヤけてしまいそう

「どうした? シャルロット」


 そう思っていたのだが、ブレットのよそ行きの服装を見た瞬間ダメだった。


 流行りを取り入れつつもブレットらしさを取り入れた服装は、普通にイケメンで、私の心にクリーンヒットしてしまった。


 攻撃することだけを考えており、防御する事をすっかり失念していた私は、ブレットからの攻撃をもろに喰らっ事となった。


 流石わたくしの婚約者様ですわっ!! まるで絵本から飛び出して来た王子様みたいですわねっ!!


「い、いえ。 ただ、ブレットがあまりにもイケメンすぎてちょっと立ちくらみを起こしてしまっただけですわ」

「お、おう……そ、そうか。 でも、シャルロットも目を奪われる程美しいよ。 まるで天から妖精が舞い降りたかと思ったぞ」

「あ、ありがとう……ございますわ……っ」


 当初のイメージではわたくしの美しさにブレットはメロメロになり、今頃わたくしが婚約者である事という事実に気づき喜び咽び泣いているところの筈であった。


 しかし蓋を開けてみればむしろわたくしの方が、ブレットと婚約できたという事実に咽び泣きそうになっているではないか。


 あぁ、イケメンイケメンとは思っていたのだが、まさかここまでイケメンだったとは。


 わたくしは、これほどまでのイケメンと、それも中身も申し分なく、この世界、この時代では珍しく女性だからと言って見下すこともない、まさに絶滅寸前の良物件と言って良いだろう。


 そんな殿方と婚約できるなんて、カイザル殿下と婚約していた時にはまさかこんな未来が待っているとは思いもよらなかった。


「そ、それで今日はどこへ向かうんですの?」

「うーん、それに関しては目的地に着くまで秘密って事で」

「むむぅ……。 ま、まぁ良いでしょう。 ブレットと一緒ならどこに行っても楽しいでしょうし」

「それに関しては俺もだよ。 俺もシャルロットと一緒ならどこでも楽しいよ。 俺にとってはシャルロットの隣が最高の場所だからね」

「ば、ばか……っ」


 そして、ブレットと婚約しているのだという幸せを十二分に堪能した後、ブレットへこれからどこへ向かうのか聞いてみるのだが教えて貰えず、そしてその仕返しにブレットを赤面させてやろうとしたのだが逆にわたくしの恋心が刺激されまくってしまい、わたくしの方が赤面してしまうではないか。


 しかしながら、好きな異性にわたくしの隣が最高の場所だと言われて悪い気はしない。


 むしろ嬉しすぎて口元がニヤけてしまいそうになるのを必死に抑える。


 そんなこんなでブレットと共に馬車に乗り、まだ知らぬ目的地へと向かい始める。

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