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王国が破綻してしまおうが知ったことか

 とりあえず今の所学校で教えることは文字に簡単な計算のみである。


 そこから人材を育てたり、引退したものを集め、専門学科も作りたいと思っている。


 もちろんこちらは卒業生も入学可能である。


 専門学科については木工、石工、鉄工等々、手に職を持てる学科から始めるつもりである。


 そこから家を継げない次男以降の者達が弟子入りしやすい環境を作ってやるまではサポートするつもりである。


 これから人手不足、特に職人不足は深刻になると見越しているため早くこの段階までプロジェクトを持って行きたいところだ。


 ちなみにこれらの学科で【ググレカス】の知識を教えるつもりはない。


 教えるのは契約を結んだ相手のみだ。


 これに関しては徹底していくつもりである。


 いつの時代も知識は金なり、という事を忘れてはいけないし、タリム領だけ(・・)を発展させるのが目標であるのにここで得た知識を領地外へと持ち出されて周辺領地まで発展し始めたら目も当てられない。


 王国発展で考えれば知識を教えて広めるというのが最善の手なのだろうが、わたくしがやるのはタリム領の独立なのだから、敵に塩を送るような事はするつもりなどない。


 それで王国が破綻してしまおうが知ったことか。


「でも、それなら学校はシャルロットの言うところの、敵に塩を送るという行為になるんじゃないのか?」

「それに関してはブレットに教えた通りすでにこの世界では知っている人は知っているレベルなので、学校で育った子供達が外へ流れようとも痛くもないわね。 唯一あげるとするのならば算盤なのだが、あれはあくまでも計算の補助の役割を脱する事はできないですし、計算方法を知らなければ計算することもできないわ。 円の面責の求め方の計算とかね。 なので広まったとしても勘定時の計算や家計簿等に使う程度で留まると思っておりますもの。 それに、広まる前にタリム領で算盤を量産しておけば先行販売でき抜け駆けができますしね。 さて、話している間に馬車は目的地についたみたいですわね」


 そして、ブレットと会話をしているとわたくし達は教師候補を集めた施設についたようだ。


 施設と言えど突貫工事の掘っ建て小屋なのだが、どうせおいおい壊す予定なので算盤と簡単な計算を教えるだけなので雨風を防ぐことさえできればそれでいい。


「とりあえず、ブレットにも覚えておいて損はないのでこの算盤を一緒に覚えてもらいますからね。 これからはわたくしがブレットの先生ですわっ!」

「分かりましたよ、先生」


 そして、今この世界で唯一算盤の使い方が分かるわたくしの、この世界で初めての算盤の授業が始まるのであった。

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