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娘自慢という長話

「これでも私は心配だったのだよ。 聞けばあのクソ虫が主催のパーティーへ行くと言うではにか。 そもそもあのクソ虫も婚約破棄の時に交わした約束を何だと思っているのか。 いくら王族といえど私達を舐め過ぎだろう。 そして、うちの娘はそのパーティーへ行くと申すではないか。 私はその時『娘は何か企んでいるな』と思い、はっきり言って気が気じゃなかったよ。 しかし蓋を開けてみれば非公式ではあるものの、娘とブレットが婚約発表をしたと言うではいかっ! その話を耳にした時はもう腹を抱えて笑ったさ。 だってあのクソ虫の送ってきたパーティーの招待状には私の娘に復縁を匂わす内容だったからね。 あぁ、できる事ならば実際に見て見たかったものだよ。 しかし、非公式に婚約を皆の前で発表したと言うのに一向に君たちは私の元へ来ないものだからここ最近は心配だったのだ。 娘は釣った魚を逃したのではないか、と。 しかしそれも杞憂に終わったようで何よりだ。 これでも私と妻で愛情たっぷり伸び伸びと育てた愛娘だからね。 少し変なところが伸び過ぎてしまった気がしないわけでもないが、目を瞑ればその変な箇所も見えまい。 ブレット君、可愛い私の娘を頼むよ。 何なら娘の小さな頃の話でも聞くかい?」

「もうっお父様っ! 恥ずかしいから止めて下さいっ!」

「ええ、娘さんであるシャルロットはお父様に似ていてとても聡明ですし、目を瞑ってしまっては可愛いシャルロットの顔を見れなくなってしまうではございませんか。 あ、シャルロットの幼い頃の話は聞きたいです」

「ぶ、ブレットもお父様を焚き付けるのはお止しなさいっ!!」

「ははははっ!! それはいいっ!! 今日はめでたい日だっ! おいっ! そこのメイドさんや。 料理長に今日の夕飯は豪華にしてくれと言ってくれっ!! さて、娘の幼い頃の話は酒の席で私の妻も交えて話すとしよう」


 そして、上機嫌な父と、それをヨイショするブレットに、そこへお母様も加わり、今日一日は長くなるぞと覚悟をするのであった。


 あれ? ブレットに聞かなければならない大切なことがあったような……。 でも忘れてしまうような事なのだろう。 


 そして、想像していた通り、両親の娘自慢という長話は深夜まで続くのであった。





「おはよう、シャルロット。 うぅ、頭が痛い……」

「おはようございますわ。 はいお水ですわ。 全く、今は若いから頭痛だけで済んでおりますけれども、考えて飲む癖をつけないといずれわたくしの両親みたいに朝から吐くことになりますわよ」

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