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側仕えであるマリーとバッチリ目が合う

「うん?まぁそうだな。それがどうかしたか?何も無いなら俺もう寝たいんだけど」


 コ、コイツっ!? それでも男なのかと、ちゃんと付いている物はあるのかと、小一時間問い詰めてやりたい気分ですわっ!!


 このままではわたくしの将来設定の一つで子供は三人以上という夢の一つが叶わないかもしれませんっ!! これは由々しき自体ですわっ!!


「それに、お前は良いのか?」

「へ? 何がですの??」

「この部屋だが隣の部屋にいるお前の側仕えに覗かれているぞ? 嘘だと思うのならばあそこにある不自然に空いている穴を覗いてみればいい。 だけれども、君がそういう、他人に見られなければ興奮しないという性癖の持ち主というのであれば俺も頑張ってみるよ。 惚れた女の性癖の一つや二つくらいなら付き合ってあげるのが男というものだとも思うしね」


 あらやだ、カッコいい……ではなくて!! み、見られているんですのっ!?この部屋っ!!


 そしてわたくしはブレットが指を差していた方向にある壁を、目を凝らして見てみると確かに不自然な穴が空いているではないか。


 そんなバカな。


 そう思いながらも一度穴を見てしまったら、確認せずには安心できない。


 流石に、いくらなんでも他人のプライベートな空間を覗き見るなど、それが側仕えだろうと平民であろうと貴族であろうと、あり得ないだろうと思いながらわたくしは不自然に空いた壁の穴を覗き込む。


 すると、わたくしの側仕えであるマリーとバッチリ目が合うではないか。


「あ、私の事は気にしないでください、シャルロットお嬢様。 私は今、路傍の石でございます。 ささ、こんな石ころの事など気にせず続きをどうぞ」

「…………で」

「で?」

「できるかぁぁぁぁぁぁあああああっ!!」


 思わずわたくしは端無いのも気にせず叫んでしまう。


 え? え? もしブレットもこの穴の存在に気付けていなかったならば……。


 そう思うと冷や汗が止まらない。


 とにかく今は大人の運動会を開催しなくて心から良かったと心の底から安堵する。


「どうしたんですか?シャルロットお嬢様。 いきなり大声なんか出されまして。 そんなのではブレットと事を及ぶ以前の話となって来ますよ?」


 違う。


 そうじゃない。


 そう叫べればどれ程楽だから。


 そして私はマリーをわたくし達の部屋へと呼び、なぜ覗いていたかを聞くことにする。


「なんで側仕えである貴方が、わざわざ覗き込んでくるんですかっ?」

「え? だって」

「だ、だって……?」

「子種が本当に主人の物であるかの確認は必要でしょう? それに、初めてどうしですとそもそもやり方を間違ってしまう場合もあるので、そういう時は側仕えの私が手取り足取りフォローに周る事ができますっ!」


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