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好感度が更に上がる

「何しょげているんですのよ。貴方がやった事でもない事で責任を感じる事は無いわ」

「それでも同じ男として思うところはあるし、何よりシャルロットをお金を生み出す道具か何かにしか思っていない様な奴等ばかりで情けないというかなんというか……」


 そう、怒りと情けなさが混じった様な声音で喋るブレットを見てわたくしは彼の背中を思いっきり叩いて喝を入れてやる。


「な、何するんだよいきなりっ!?」

「他人の負の面を自分も背負う必要なんかありませんわっ! それはいつか彼ら自身に降りかかる業であり、ブレットがどうにかしてあげるものでもありませんわっ。それに、この後今までの蛆虫レベルではなく蠅となった成虫レベルの、わたくしの周りを飛び回る虫の虫除けをしてもらうんですから、今からそんなくだらない事で精神を消費するのはおやめなさいな」

「……それもそうだな。 ありがとう。 シャルロットの言う通り小さい者の事で考えてても仕方ないな」


 わたくし喝が効いたのか、鬱屈した様な表情になりかけていたブレットは、次の瞬間にはいつもの彼らしい物腰柔らかく、けれども芯が確かにある凛とした知的さも垣間見える表情に戻るのを見てわたくしはほっと胸を撫で下ろす。


 それでこそわたくしが狙い定めた男、ブレットである。


 そして、適当に蛆虫をあしらいながらブレットと一緒に食事を摘み、顔馴染み達と近況などを交換しつつワインやシャンパンを嗜む程度に楽しむ。


 そんな感じで小一時間ほど緩く過ごしていると空気が一気にピリつき始める。


 その周囲の雰囲気で本日のパーティーの主催者でありグリドニア王国第一王子であるカイザル・ユリウス・レオポルトがパーティー会場に現れた事を察する。


 それはブレットも同じく気付き、今までリラックスしていた表情が真剣な表情へと切り替わるのが分かる


 寧ろこの空気の変化で気づかない方がおかしいのだが、わたくしに声をかけて来た蛆虫どもは他の同レベルの者達と未だに騒がしく談笑しているのが見えたので所詮はその程度の人たちなのだろう。


 それと同時にわたくしのブレットへの好感度が更に上がる。


「皆、今日は俺の主催したパーティーに集まってくれてありがとう。 今日は存分に楽しんでいってもらいたい」


 そしてレオポルトは会場の奥にある三段ほど高いステージへと上がり、当たり障りのない主催者の常套句を喋り始める。


「そして本日集まって貰ったのには訳があり、実は俺と、そこに居るシャルロットと再度婚約する事にした。 この事を皆に知ってもらいたくて今日のパーティーを考えたんだ」

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