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今わたくしの顔は真っ赤

 そう思いつつもやはり今気になるにはブレットの感想である。


 間違いなく初めて見るであろう形をしたドレスを見たブレットは、はしたないと言うだろうか?


 いやあのレオポルト殿下と違い女性だからという理由で肩が出ているドレスはみっともないだとか、体のラインが分かるのはみっともないだとかは言わないと思っている。


 しかしながら、そんなものは実際に本人の口から聞くまでどう思っているかなどは所詮たらればの話でしかない。


「似合っているよ。 まるで妖精と見間違ってしまう程には美しく思う」

「あ、ありがとう……」


 そしてブレットからの感想はど直球のストレートで返ってくるではないか。


 なんだかんだで言っても『似合ってる』くらいであると思っていた所に『妖精と見間違う程美しい』とまで言われるとは思っておらず、無防備であったわたくしはモロにブレットの言葉を喰らい、思わず叫びながら転がりたい衝動をグッと堪える事で精一杯だ。


 あぁ、絶対今わたくしの顔は真っ赤に染まっておりますわ。


 そして私は今の表情をブレットに見られたくないと扇子を広げてて顔を隠す。


「何で顔を隠すんだよ?」

「別に、別に良いでしょうっ」

「ふーん、まぁ良いか。 それで、シャルロットは俺の衣装を見てどう思っているんだ?」


 そ、そうですわね。


 ブレットだけに言わせておいてわたくしは言わないというのはフェアじゃございませんものね。


そう思い、なんとか嬉しさが爆発しそうなのを抑え込みながらブレットの着ている服を見る。


 ブレットの着ている服は白を基調にした王国軍の軍服を真似て作られた衣服であり、しかしながら軍服よりかは飾りは多く、その部分からパーティー用又は式典用などに着る衣服でると区別が出来る。


 はっきり言って──


「控えめに言ってカッコいい……ですわ」


──わたくしの好みのどストライクであった。


「そ、そうか……」

「ええ……」


 先程の意趣返しを狙ってわたくしも直球で返してみたのだが思いの外恥ずかしくて後半は尻すぼみになってしまう。


「ち、ちなみに、襟の裏側にはシャルロットの髪の毛と同じ色の糸で右に我が家のシンボル、左側にはシャルロットの家、ランゲージ家のシンボルを刺繍していたりする……」

「そ、それは素敵なデザインですわね……」

「…………」

「…………」

「そ、それでは行きましょうか」

「そ、そうだな」


 そして互いに今日の衣装を褒め合うと、わたくし達はパーティー会場へ向かうのだが、先程の光景を一部始終見ていた側仕えが心の中で『さっさとくっつきなさいよっ!! 見てるこっちがヤキモキしてしまいますわっ!!』などと思われているのであった。

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