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現国王はブチ切れている



「一体、どういう事かな? シャルロット……」

「どういう事といのは、どういう事でしょうか? レオポルト殿下」


 今現在、わたくし達二人はお茶会が開かれる中庭へと案内をされ、そしてカイザル・ユリウス・レオポルトに挨拶をする前にどういう事かと聞かれる。


 その反応は想像していた通り、教科書通りとはこの事かと思える程の反応で出迎えてくれるカイザル・ユリウス・レオポルトなのだが、わたくしは敢えてカイザル・ユリウス・レオポルトの言っている意味が分からないという程で返す。


「まさか、分からないとでも言うのか? シャルロット。 それと、何故俺を呼ぶ名がカイザルではなくレオポルトなのだ。 俺とお前の仲ではないか。 以前のようにカイザルと呼んでも良いんだぞ?」

「はい。 レオポルト殿下が何を指して申しているのか、誠に恐縮ではございますが全くもってこれっぽっちも分かりませんわね。 また、わたくしは一貴族の一人に過ぎぬ身で御座います。 王族でもないわたくしがレオポルト殿下を下の名前で呼ぶなど恐れ多いですわ。 それに、レオポルト殿下の婚約者の前では嘘でもそう言う事を仰るのは勘違いされてもおかしくない内容ですので次からは気を付けてくださいまし」


 まさかわたくしがカイザル・ユリウス・レオポルトの言う言葉に、まるで歯向かうような返しをした事が余程びっくりしたのかレオポルト殿下は口を開けて固まってしまう。


 確かに、カイザル・ユリウス・レオポルトと婚約していた時は婚約者であり、そして王位継承権第一位でもあるカイザル・ユリウス・レオポルトを立てるために下手に出ていたのだけれども、婚約破棄をされた今、彼の言う事を聞く必要はないだろう。


 無礼がない程度にあしらって終わりである。


 また、わたくしの態度に対して不敬であると言って捕らえようとしようものなら即刻現国王へチクるまでである。


 そもそも今回のカイザル・ユリウス・レオポルトによる、仕来たりから何からその他諸々無視した非常識にも程がある突然の婚約破棄にカイザル・ユリウス・レオポルトの父である現国王はブチ切れているのだ。


 当然、後日今回カイザル・ユリウス・レオポルトに呼ばれた事はチクるとして、更に捕らえられたともなればカイザル・ユリウス・レオポルトの王位継承権を剥奪されたとしてもわたくしは驚かないであろう。


「そ、そうか。 そういう事か。シャルロットは婚約破棄をされて拗ねているんだね。 それならそうと言えば良いのに。 でも、拗ねているシャルロットも可愛いよ」

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