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さっさと結婚してしまいなさいよっ!

「物凄い根に持っているんだなって事だけは分かった」

「当たり前ですわ。 このわたくしをここまでコケにして頂いた分はきっちりと恨み、そして倍にして返してやらないと気が済みませんわ」

「そりゃ怖い。 シャルロットには恨まれないようにしないとな」

「ふふ、せいぜい頑張りなさいな」


 そんなわたくしの恨み節もブレットとの会話で霧散していく。


 なんだかんだでわたくしにとってブレットはこの三年の間でただの悪友からなくてはならない大切な存在へとなって来ている気がするのだが、とうの本人はきっとわたくしの心情の変化など気づいてすらいないであろう。


そもそも、恋人役をオーケーしたのだって、わたくしの気持ちに気付いてほしいからであって、相手がブレットだからであるにも関わらず、今わたくしと会話をするブレット本人はその事に全く気付いていない事が見て分かる。


「ブレットの唐変木」


「ん? 何て? すまん聞こえなかった」

「何でも無いですわ」

「そ、そうか」


 そういう所が唐変木だと言うのですっ!


 とは思うもののわたくしもわたくしで自分の中で日に日大きくなっていく感情をブレットに教える勇気は未だ無いのだからお互い様であろう。


 それでも、気付いて欲しいと思うのが乙女心というものである。


「それにしても、さすが城下町だな。俺の家が治めている領地の中心街と比べるまでもなく凄い賑わいだ」

「それだけに、闇もまた深いのがこの城下町ですわ。 そしてわたくしの治めるタリム領はそうならないようにこの城下町を反面教師にしないといけませんわね」

「下手をすれば侮辱罪で捕まりそうな事をこの城下町で良く言えるな」

「今わたくし達は馬車の中ですもの。 誰も聞いてやしないわ。 それに、ブレットの事を親以上に信用してますもの。 そのブレットに裏切られたのならば人を見る目が無かったわたくしの責任ですわ。 ですので、頼りにしておりますわよ? これからもわたくしを変わらず支えて下さいな」


「『変わらず』か……。 俺は今の関係から変わりたいと思っているんだけどな……」


 そんな会話そしているとブレットが聞こえない声で何かを喋る。


「何か言いまして?」

「いや、独り言だ。 気にするな」


 そして同じ馬車に乗っている、ランゲージ家に代々執事、メイドとして一族が仕えている家系の側仕えてメイドは『さっさと結婚してしまいなさいよっ!! 甘々空間でもうのぼせそうですっ!! メイド長っ!!』と、表情にこそ出さないものの、心の中で必死にこの叫びながらこの空間を耐え凌ぐのであった。

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