銀行を作りますわ
「それで、シャルロットは何か策を考えて来たのか?」
「そうね、我が領土は昔から作物が少しだけ育ち難く、メインに産業として育てている物は一にソバ、二に大豆ですわ」
「それで?」
「我が領土をソバはソバでも蕎麦を名産食品、そしてゆくゆくはパスタ、うどん、ラーメン、と広げて行き、天麩羅やすき焼きと広げて行き、最終的に王国一のグルメな領に致しますわ。その為には醤油を作らないといけないのですけれども、幸か不幸か大豆も我が領土にありますし、醤油が作れると言う事は味噌も作れると言う事でもあります。作物に関しては米も作りたいですわね。 土地が痩せていると言うのであれば『ママゾン市場』で肥料を買えば済む話ですもの」
そう力説するわたくしなのだが、皆「何故食べ物なんだ?」という表情をしていた。
「全く、何故まず食の改善をするのか分かっていないようですわね。 では、お父様は何故だと思いますか?」
「むむ、本当は知っているのだが最初に答えてはつまらないであろう? それで、ブレット君。 君はどう思うかね?」
『逃げたわね』
『逃げましたわね』
『あらあら、弟よ、シャルロットちゃんをモノにする為のアピールポイントよ。頑張ってっ!』
『俺に振るんじゃないっ!!』
お父様がブレットに擦りつけた瞬間、皆お父様が答えを知らないと言う事を看破したみたいである。
しかし約一名以下外が優しい表情でお父様へ視線を向ける。
それに、負けると分かっている戦いには挑まないというのを徹底していたからこそ、お父様はこのパッとしない領地でも問題なく運営して来れたのだろう。
「そ、そうですね……活動資金の調達……とか?」
「違いますわ。勿論活動資金の調達も必要なのですけれどもこの目的はこの地を食の観光地にして、人の出入り、特に商人の出入りを活発化させる事ですわ」
「それと独立とがどう結びつくんだ?」
「そう急ぎなさんな。 せっかちな男性は嫌われましてよ?商人が良く出入りする様になった段階で銀行を作りますわ。 そして王国を裏切りますわ」
「いや意味わからん」
ま、まぁ確かに端折り過ぎたかもしれませんわね。
「銀行、というよりも金貨と銀貨の引換券を発行する組織を作って、住民の金貨と銀貨の引換券発行券で税を納める場合は二割お得にするなどして交換して行きますわ。そして、それとは別に引換券で物資を買える商店も同時に作りますの。 そして我が領土で引換券での売買が流行り始めた頃にモーデル家領地でも怪しまれない範囲で引換券での売買をし始めるのですわ」