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刺し身が食べたい

短くてすみません

 転生してから三年が経ち、カズキはすっかり異世界の生活に慣れつつあった。

 食に関しても、自分は言わずもがなでサラも料理が出来る。カエデにも料理を教えていたおかげで全員が料理が出来る状態で、その日その日で当番制にもなっていた。

 

 今日はカズキが一日ご飯を作る日なのだが、カズキは少しだけ不満が溜まっていた。


「どないしたん? 何か不満そうやけど」


 カエデはカズキ特製のポテトサラダを食べながら言う。

 何故ポテトサラダを作れたのかというと、カズキの試行錯誤の結果、マヨネーズを作る事に成功したからである。


 元々料理が滅茶苦茶上手いという訳ではなかったが、ポテトサラダや唐揚げにマヨネーズをつけて食べるのが好きだったカズキは、マヨネーズ作りに奮闘した。

 材料はある程度理解していた為、あとは作り方の問題だった。そして二日程ゆっくりと作っていると、ようやくマヨネーズ完成したのだ。


「いや……なんでもない」


「もしかして何か食べる物に不満でもあるの? このマヨネーズっていうソースは凄く美味しいし、そもそも作ったのはカズキじゃない」


「まあそうなんだけど、そうじゃないんだよ」


 カズキの不満の種が分からずに首を傾げる二人。


「……刺し身が食べたいんだよ!」


「「刺し身?」」


 この世界では生で魚を食べるような食の文化がない。何処にも刺し身がある店が無いどころか、魚を取り扱っている店がフロストの街は二店舗しかなく、その二店舗も魚は焼き魚か煮物だけ。


「マグロみたいな魚はあるのになんで生で食べないんだ……」


「魚なんか生で食べて美味しいん? 生臭そうやけど」


「分かってないなぁカエデは。そもそも魚の食べ方を焼きと煮るしか知らないなんて、この世界の人たちは可哀想すぎる」


「そんな事言われても、生で食べるなんて誰も思いつかないわ。でも、カズキがそこまで言うなら食べてみたいわね」


 サラは刺し身に興味をもったようだ。カズキは次にカエデの方を見る。


「食べてみたいけど……生って危なくないん?」


「そうね、魚は生で食べるとお腹を壊すって昔から言われてるし、ここらへんで生で食べてる人なんて誰もいないわよ?」


(……あ、寄生虫とかいるの知らないのか)


 恐らく昔に魚を食べてみた人が偶々寄生虫でもいてお腹を壊し、生で食べてはいけないと広がったのだろう。その事に気がついたカズキは、


「多分それ『清潔(クリーン)』使ったりとか寄生虫の確認してないからだ。寄生虫ってのは魚にたまにいるちっさい虫みたいなやつで、体内に入って人に寄生するんだよ」


「そんなんおるんやなぁ。あ、カズキの鑑定魔法で確かめれるんとちゃう?」


「そうだな……偶には遠出して海の近くにでも行ってみないか? なんか魚の話ししてたら食べたくて堪らなくなってきた」


 カズキは刺し身が好物だったせいで、三年も食べていないとなると流石に我慢出来なくなっていた。

 サラとカエデは刺し身に興味は持っている為、少し考えたあとの二人の答えは同じだった。


「ええよ、ウチも興味湧いてきたわ」


「私もいいわよ。偶には旅行に行きましょうか」


 こうして、カズキ達は旅行に行くことが決定した。

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