コスモと絆を結んでいる事は・・・
後悔をすべきと理解はしている。
だが、理解と実感がかみ合わない。
それよりも、このスリルに興奮をしている俺がいる。
・・・寝ているサーシャにキスをする
そして・・・翌朝起こしにきたサーシャの唇を見る。
その唇に、昨夜キスをした事を思い出し高揚感が再度湧き上がる。
今夜も・・・と
初めての時は反省はしたが、その後のサーシャの顔を見てそんな感情は吹き飛んだ。
「次、こんな事があったら、添い寝するからな。」
あの一言の後のサーシャの顔は、可愛かったな。
『触れたいな』と、言ったら断られたが・・・。
触れてしまっていたら、どうなっていたんだろう。
昨夜は、唇だけではやめられなかったな・・・。
浴衣の重なりが緩んで見えた胸元。
と、言うか・・・鎖骨と胸元の間。
ここに将来、俺と同じ黄金の印が刻まれる、コスモによって・・・。
白くきれいなこの場所に・・・コスモが・・・
まずは、俺だろう。
俺が、サーシャを好きなのだから・・・。
コスモが刻み込む前に、俺は胸元と鎖骨の間に刻みつけた。
そして現在。その部分はしっかりと服によって隠れていた。
普通に服を着たら隠れるのだが・・・明るい中でみたいモノだな。
今は、サーシャが連れてきたジャネット・リアルガーという、リアルガー伯爵の娘と、ピンクスピネとピンクカルサの町長たちと話をしている。
はっきり言おう、ジャネットが先頭を切って緑化計画を振興している。
ジャネットは、この計画の事を知り、自らも図書館へ娘と行き調べて、サーシャの計画の内容を更に発展させた。
観光地となるこの地に、ウェルカムティーとなる物。
リアルガー伯爵家に植えるバラから、ローズヒップティー。
禿山に植える桃から、ピーチティー。
そして、ピンクスピネに植える植物に加えて欲しいと言われた植物。
ピンクのハイビスカスから、ハイビスカスティー。
その3種類が、ウェルカムティーとして作る計画となった。
それから、ピンクススピネに染色の材料として植える植物クルクマなのだが、染色の材料だけでなく他にも利用できると言われた。
『ウコン』もしくは『ターメリック』といって、お薬や料理の材料にもなる植物だとも、つまり、その工場を造る事を視野に入れて計画を進めるようになった。
そして、サーシャが気になっていた『ディル』という、黄色い花を咲かせるハーブなのだが・・・・。
植えることが決定した。
グレープフルーツとマンダリン、それからサーシャが挙げなかったがレモンもそれに加わった。
それらの植える場所なのだが、ピンクカルサから、ピンクアメジを通り、ピンスピネへ行く川『ピンクエピド川』の両サイドに植えるのだ。
将来、ピンクエピド川と言われている川が『コスモ川』と、呼ばれる事となるようにと・・・。
「コスモがどれほど素晴らしいドラゴンか、ヘンリー様たちは理解してございません。」
ジャネットが興奮気味に言っていたな。
過去ドラゴンのいた国に、800年に一度の単位で黄金のドラゴンが誕生する国もあったが・・・。
このドラゴニアでは、5000年前のアーサー・ギベオンと絆を結んだ黄金のドラゴンが、コスモの前の黄金のドラゴンだ。
「敬称を付けないのが礼儀と言いますが、本当なら『様』どころか、『神』と付けるべきドラゴンなのですよ。」
コスモが・・・神・・・『コスモ神』だと?
・・・やはり、想像つかない。
「コスモの神々しい形跡をこの地に残してください!!」
と、ジャネットが述べたのだが・・・。
この地の緑化計画が、領民たちに理解して貰うきっかけも・・・・それだった。
黄金のドラゴンであるコスモが、次期ルベライト公爵の俺と絆を結んでいる事。
なんか・・・コスモの利用価値に驚いているこの頃なのだ。
だが、着々と緑化計画も進行している。
領民が、自分の庭に植える植物を楽しみに待っているだけでなく、その植物の育て方のコツを学びに来ている。
それに応えるべく、不定期なってしまうが、植物に詳しい者を連れて講座を開いている。
ここに来た時とは違い、活気にあふれている。
この地は、とてもいい地となるな。
「ヘンリー様。公爵からの手紙です。」
と、こちらは定期的に領都から書類を持ってくるドラゴン騎士の者だ。
書類はいつも通り、作業用にと使用している部屋へ置いているようだが、手紙は直接持ってきた。
俺はそれを受け取ると中身を見る。
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ヘンリー
元気にしているか?
いい報告が、書類を届けさせている
騎士団から挙がっている。
ヘンリーの父として誇らしい。
そろそろ、クッキー祭りだな。
11月2日の夜には、ヘンリーのみ
帰ってくるように。
サーシャは残してこい。
わかったな。
いい話が聞けることを持っている。
エリック・ルベライト
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こうして6日後
俺のみ・・ルベライト城へ戻ることになった。




