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ダンスに防御は必要です。

 コスモがパーティー会場近くに降り立つ。

 そして、ヘンリ―様と私がコスモから降る。

 ヘンリー様に手を差し伸べられその手に、自分の手を添えパーティー会場に入っていく。

 「ヘンリー、お帰りなさい。」

と、ヴァネッサ様がにこやかに向かい入れてくれた。

 「サーシャ、ありがとう。先ほどのピアノとても嬉しかったわ。」

 私は喜んでもらえて私も嬉しい事を伝える。

 「サーシャもパーティーを楽しんでね。」

 私は『はい』と、言う・・・言うしかないのよね。

 だって、只今私はパーティードレス着ているのだから・・・。

 ラベンダー色のドレス。

 女性店員と口論しながら決めたドレスだ。

 だってよ、昼間のパーティーだって言っているのに、肩だし胸の谷間だしの夜用のドレス出してくるんだもの。

 断固お断りよ。

 メイド枠で会場入りする事になるのに、場違いなドレスなんて着たらそれこそ、令嬢たちの格好の餌食になるし、ヘンリー様の顔を潰すことにもなるのよ。

 しっかりタートルネックのドレス。

 まあ、レース生地だけどね。

 5分丈の袖もレース生地になっている。

 太ももまでレースの生地で、それからふくらはぎまで、ふんわりとふんだんにシフォン生地が使われたスカート。

 くるりんと回ると、シフォン生地がふわっと広がる仕様。

 注目すべきは・・・手の痙攣がひどく、店員に着せてもらったことかな。

 その際、コルセットの閉め方が下手と言われ閉めなおされた。

 胸を締め付けすぎと怒られてしまった。

 靴もドレスに合わせてラベンダー色のアンクルストラップのハイヒール。

 そして、髪型。

 クセが付かない髪を三つ編みやら編み込みやらで、髪に流れを作り後ろでまとめ造花の髪飾りを付けて貰った。

 涙で少し腫れていた顔も化粧で修正してくれたのだ。

 ありがたい。

 「サーシャ。ダンス踊れるだろう。」

と、手を引かれ会場の中央へ

 「ヘンリー様、私まだ手の痙攣がひどくスカートを握れません。」

 右手は相手と繋ぎ、左手は男性は女性の脇に腕を回し背中に、女性はスカートを握る。

 「サーシャ、その体制は夜会の時のダンス時だよな。」

 ・・・はい。

 昼間は・・・男性の肩に手です。

 でも、そうなると・・み、密着度が・・・。

 「ほら、曲が流れ出した。」

 ワルツの音色が流れ出す。

 私は仕方なくヘンリー様の肩に手を添える。

 ヘンリー様と私は踊りだす。

 「やはり、上手だな。」

 私は、棒読みでお礼を言う。

 「なんて目をしているんだ。」

 私の目は、3Ⅾアートの隠れた絵柄を見ようとする目をしてます。

 「ヘンリー様のお色気臭を防御しているだけです。」

 効果は微妙なのですが、しないでクリーンヒットするよりはマシだ。

 「またそれか・・・一応言っておくがサーシャもいい香りしているんだぞ。」

 はいはい、そうですか。

 私は軽くあしらう言葉をかける。

 ”ドンッ”

と、人にぶつかりよろける。

 すぐにヘンリー様は私を引きよせ、音色に合わせ私をのけぞらせる。

 先ほど私にピアノを弾かせた令嬢の方が見える。

 それだけでなく私の周り、その方たちだらけ・・・。

 すぐにまた引き寄せ、私を一回転させる。

 「ヘンリー様。助けて頂いてありがたいのですが、私で遊ばないでくださいね。」

 一応注意をする。

 「どうして?このままじゃあ、再びぶつかる恐れがあるよ。ほらっ」

 再び衝突の危機に陥る。

 ヘンリー様は素早い身のこなしをして、私を引き回す。

 「うん・・・上手だね。」

 一応お礼を言うが・・・ヘンリー様に付いていくので精一杯です。 

 「いつまで、その目でいるのだ?」

 曲が終わるまでなのだが・・・。

 「このままじゃ無理だと思うから、しっかり俺を見て。」

 ・・・・・その方がいいのは分かっていますが。

 「嫌です。ヘンリー様の色気に当てられている私の身になってください。」

  大変なんですよ。

 「サーシャ。聞きたいのだけど、もし俺の色気というモノに直で当たったらどうなるのだ?」

 「考えるのも嫌です。変な事、言わないでください。」

 恥ずかしい。

 こうして、曲が終わりどっと疲れが押し寄せてきた。

 ・・・・が、次にエリック様が私の手を取りダンスをすることになった。

 それが、終わると・・・ハミッシュ陛下が。

 いつになったら、踊り・・・終わってくれるの?

 明日・・・筋肉痛決定かしら?

 温泉で何とかならないかな?

 手の痙攣がまだ完全に治まっていないのだから・・・。 

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