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言いたい放題

途中からヘンリー様視点です。

 工房の外へ出ると夕方になっていた。

 「結構時間をかけてしまったようだ。・・急ごう。」

 ヘンリー様は、私の手を引いて町の外まで歩く。

 町のそとへ出るとコスモがいた。

 コスモの首にロープで、ティーセットの入ったアタッシュケースをぶら下げる。

 ここまで来て落下してしまっては元も子もない。

 アタッシュケースもストッパーが付いていて開くことはないが、飛んでいる最中に開いてしまってたら・・・。

 こちらも元も子もない。

 しっかりアタッシュケースをロープで縛り、縛ったロープにつなげコスモの首にぶら下げる2重構造で落下防止をする。

 ヘンリー様がコスモに騎乗し、手を差し伸べられる。

 ・・・さて、覚悟を決めよう。

 差し伸べられた手をつなぐと引き寄せられ、私もコスモに騎乗。

 心臓がドキドキしてます。

 「サーシャ、ここに来る際のスピード以上のスピードを出して帰らないとならないから協力をして欲しい。」

 私は何でしょうかと首を傾ける。

 「な、何するのですか?!」

 ヘンリー様は、ヘンリー様の腰に回した手をいきなりロープで縛る。

 「腰に回された腕を離されては危ないからな。」

 何しでかすんですか?!

って、今度は何だ?

 私の腰にロープを巻き・・・そのロープの先がヘンリー様の腰に回され結ばれる。

 おいっ!

 これで、終わりじゃないの?

 私はヘンリー様のマントの中に覆いかぶさるように入れられた。

 ・・・密着である。

 「では、行こう。」

 飛び立つ前に言わせてくれ

 「変態!!!」

 遠慮せずに言ってやったわ。

 ヘンリー様は驚いたかしら?

 「変態って・・言い過ぎではないか?」

 もう、私の頭混乱しだしてます。

 ヘンリー様の事は知ったこっちゃない。

 「なら色気魔人よ!!いい香り漂わせないでよ!!」

 ヘンリー様のマントの中はヘンリー様の香りで充満中。

 ・・・ヘンリー様のお色気臭である。

 「人の事言えるか、サーシャもいい香りがしているのだぞ!」

 いい香りって・・変な汗かいたの私!

 クンクンッ ぐはっ

 「ヘンリー様のお色気臭を吸い込んじゃったじゃないですか!」

 私は、自分の香りをかごうとしましたが、ヘンリー様の香りしかしません。

 変な事を言って私を誘導して遊ばないでください!

 「鼻血を出したらどうするんですか?!」

 顔に、耳に、脳に高温を感じる。

 「鼻血って・・それはサーシャが変態だからだろう。」

 いやーーーー!!

 それは言ってはいけない一言です。

 「う~・・・鼻血でたらヘンリー様の服で拭いてやる~」

 それこそ変態的行動と言ってから思った。

 ヘンリー様のお色気臭は思考回路もおかしくするようだ。

  「ハイハイ、サーシャの鼻水も頬に飛ばされた事があったからな、服ぐらいどうってことないな。」

 ヘンリー様は軽くあしらう様な返事をする。

 が、その内容は恥ずかし過ぎて闇歴史に葬り去っていた過去の出来事だった。

 それもサラッと言ったし、許可しやがったよ。

 2重に恥ずかしいわ!

 「ヘンリー様の馬鹿」

 ボソッとだが、はっきりとヘンリー様の悪口をヘンリー様のマントの中で言う。

 「ハイハイ・・俺は馬鹿です。」

 また、軽くあしらいやがった。

 「ヘンリー様の変態。」

 「サーシャもな。」

 そこは、しっかり私に言い返すのかい!

 「ヘンリー様の・・・お色気魔人め」

 顔が火照り始めて朦朧としてきたよ

 「言いたい放題だな・・・どうせ俺はお色気魔人だよ。」

 ヘンリー様が認めただけはあるお色気に私はボーとしだした。

 「ヘンリー様の・・・。」


◇ ◇ ◇

 「俺の何だって・・・おーい。」

 俺は、サーシャの返事を待ったが答えがなかった。

 マントの隙間から顔を覗くと眠っていた。

 ・・・・オイオイ。

 変態やら、お色気魔人やら言いたい事を言いながら眠れるとは・・・。

 緊張していたのではないのか?

 『お色気魔人、サーシャどうしちゃったんだ?』

 頭に響くコスモの声

 お前も俺を色気魔人と言うか。

 「眠った・・・緊張してても眠れるものなのか?」

 『さあ?・・・サーシャだからって事じゃないのか?』

 ありえそうだな・・・サーシャだからで片付けられる。

 本当にいいのか?

 ・・・・まあ、サーシャだから?

 自問自答を繰り替えすなこれに関しては・・・。

 「コスモ。エーギルを通してモーリスに言ってくれ。城へ戻ったら荷物を降ろすのを手伝って欲しいとな。」

 俺はコスモに頼む。

 寝ているサーシャを起こすわけにはいなかいからな。

 『今日はどこへ行っておったのじゃ?』

 別の声が聞こえる。

 この仙人じみた言葉は・・・。

 『じいじ!!』

 コスモが嬉しそうに呼んだ。

 横風が吹き、ジジイが隣を飛んでいるのが見えた。

 『元気にしておったかコスモよ』

 コスモは嬉しそうに返事をしたのをジジイも嬉しそうに聞いているのが伺えた。

 『ヴァネッサさんのプレゼントを買うのにピンクカルサへ行ってきたんだ。』

 コスモが説明をしてくれた。

 『おお、そういう事じゃったのか・・・』

 ジジイ。そういう事とは・・どういうことだ?

 『風の噂を聞いてな・・・面白そうじゃから城へ厄介になろうと思うてのう・・・。』

 『じいじ、お泊りしてくれるの?』

 コスモは嬉しそうに言っている。

 もし、この会話が普通に人間でするならば、ジジイはコスモの頭を撫でながらの会話となるのだろうな。

 相変わらず可愛い孫扱いをしているし、可愛い孫をしている。

 実際は曾祖父とひ孫なのだがな。

 「ジジイ。風の噂とはなんだ?」

 『教えん・・・その方が面白いからのう。』

 母上が喜ぶ事だとは言っていたが・・・。

 一体何なんだろう?

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