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モーリス・マディラ

 「モーリスさんが、エーギルと絆を結んだのはいつだったのですか?」

と、私はなんとなくヘンリー様に聞いてみる。

 「・・・リオンが亡くなった後。」

 私、何か聞いてはいけない事を聞いてしまったのだろうか。

 「リオンがドラゴンに傷を治す特殊な能力があることは知っているか?」

 私はもちろん知っていると答えた。

 そしてリオンは、ユニコーン狂に殺されたと見せかけ、実はクラウンコッパー公爵家の刺客に殺された事も・・・。

 「エーギルはリオンが最期に助けたドラゴン512頭のうちの1頭だ。」

 ヘンリー様が天井の星を眺めながら話し出す。

 「リオンが亡くなり悲しみのあまりにエーギルは自殺をしようとしたんだ。エーギルだけでなく他のリオンが助けたドラゴンたちもな。」

 私は起き上がヘンリー様の方を見る。

 「リオンが亡くなった崖で、ドラゴンたちが集団自殺を決行しようとした時、モーリスが駆けつけ、リオンの死を無駄にしたくないと訴えたんだよ。」

 モーリスさんは、リオンが最期に助けた512のうち人と絆を結んでいない392頭に、人と絆を結ぶ事がリオンの最期の願いだと思わないかと訴え、人と絆を結ぶ手伝いをする決意をドラゴンたちに伝えた。

 その決意にエーギルが答える形で絆を結んだという事だった。

 「その後、どうなったのですか?」

 私は、その後を知りたくなった。

 392頭の行方に、モーリスさんの家族の事。

 「モーリスは、聖ドラゴニア学園に入学をさせた。他の391頭のドラゴンもモーリスを慕っていたからな。ドラゴンに好かれる者を入学させる義務がある。聖ドラゴニア学園は・・・。」

 そして、モーリスの家族はルベライト公爵家に使用人として雇う事となる。

 モーリスの弟妹には、ヘンリー様とリオンに幼少期に付けていた教師を付け勉強もさせた。

 その後、モーリスは391頭のドラゴンの全てに、それぞれ人を絆を結ばせる事が出来てから、ルベライト公爵家の使用人として雇う事になったことを教えてくれた。

 「どれぐらいの月日がかかったのですか。391頭のドラゴンに人と絆を結ばせるのに・・・。」

 2年間の学園生活の中で、391頭と絆を結ばせるのが出来るのだろうか・・・?

 「10年かかった。」

 使用人としてモールスさんが、ルベライト公爵家に来た時は、母親に弟、妹の方が使用人としてのイロハが分かっていて、当初は小言を言われまくっていたと話してくれた。

 私はその話を聞いてホッとし再び身をハンモックに包まれる。

 「その後、ドラゴンの圧死の件があり、ドラゴンの戸籍を作る事になった。」

 その際、モーリスに手伝うように国からのお達しがあり、一時ルベライトの使用人から借り出された事を教えてくれた。

 その際、ドラゴニア独特の国家鑑定士になりたい者の為に、戸籍の閲覧を自由にしようとする案が出された。

 だが、国家鑑定士の何たるかをわからずになり、国家鑑定士の質を落とす事になりかねないと、閲覧禁止の物になった。

 だが、国家鑑定士に真剣になりたい者の為に、一般人から4ないし5人、ドラゴンの戸籍を閲覧許可する者を選んだ。

 その者にたどり着けば、その者に合うドラゴンを選び、教えてくれるのだ。

 「その一人がモーリスだ。」

 「そのような重要な事を私のような者に伝えてもよろしいのですか?」

 私は、とんでもないことを教えて貰った気がして聞く。

 ヘンリー様は構わないと言ってくれた。

 「サーシャはこの事が重要な事だとわかるだろう。だから、滅多には伝えない。そう、信じられる。」

 ヘンリー様は私を疑いを全く向ける気配なく私に伝えた。

 ・・・・・。

 そんな事言われては、私自身が一番心配してしまうのだが・・・。

 他の4人も知りたいのは確かだけど、信頼に答えなければ・・・。

 ・・・・聞きません。

 

 「サーシャは、ドラゴンたちに気に入られている。それに・・紫色の瞳だからな、聖ドラゴニア学園に入学させないとならなくなるな・・・。」

 ヘンリー様が寂しそうに言った。

 何故・・そんなに寂しそうにいうのですか・・・?

 私は・・・聖地巡礼をしに来たので、是非入学をしたいのですが・・・・。

 「サーシャ、そういえば、サーシャの事を俺は良く知らないな。どのような生活をこれまでしていたんだ?どこで、そんなに知識をえたんだ?」

 ・・・・・。

 「・・・寝たのか。」

 寝息が微かに聞こえた。

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