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職場復帰できました・・・

 ルベライト公爵家のメイドになって3日目。

 やっと職場復帰の許可が下りた。

 公爵夫人のヴァネッサ様の看病は勘弁して欲しかった。

 心臓に悪く、あの世からお迎えが来るかと思った程です。


 渡されたメイド服の襟に、イエローパールのピンバッチが付けられていることに気づく。

 ヘンリー様の専属となった事を示す物だと言われた。

 いつ?どうして?なんで?ヘンリー様の専属になったのだ?

 そんな役職付いたら、メイドいじめに拍車がかかるだろうと思った。

 昔、姉が私の部屋の扉を釘で打ち付け、出られなくした事があったので、気にしながら扉を開けたら普通に開けられた。

 乙女ゲームでよくある階段から落とす行為もない。

 厨房へ無事降りれた。

 「おはようございます。」

 私が挨拶すると、目をウルウルさせて近づいてくる使用人たちがいた。

 皆、私に感謝のお礼を言う。

 「何かあったのですか?」

と、質問すると、私が来たことで使用人の陰険な雰囲気が無くなった事を言われた。

 ・・・私何かした?

 まあ・・いいか。

 いじめの処理時間を考えなくて済むのだから。

 

 私は、ヘンリー様のモーニングティーの準備をしようとすると、厨房の人たちが、ヘンリー様のお気に入りのティーセットと言って、黄色いコスモスのワンポイントの入った白いティーセットを用意してくれた。

 もちろん、紅茶も用意してくれていた。

 それにしても、ティースプーンが可愛いわ。

 銀のスポーンだが、持ちての部分が陶器のワンポイントなんて可愛いわ。

 ちゃんとワンポイントにティーカップと同じ黄色いコスモスの絵柄・・・なんかいいな。

 私は、そのような事を思いながら、ティーセットをカートに乗せて運ぶ。


 ヘンリー様の部屋の前で、暗い茶髪に赤茶の瞳のどこかで見たような雰囲気の20歳ぐらいの男性がいた。

 ジャケットにイエローパールのピンバッチが付いていたので、ヘンリー様の専属の使用人だとわかった。

 「始めましてサーシャ・カーネリアンです。至らぬところがあると思いますが、よろしくお願いします。」

と、挨拶をする。

 「あなたがサーシャさんですか、私はモーリス・マディラと言います。」

 軽い挨拶をして、ヘンリー様の部屋へ入る。

 モーリスさんはすぐに部屋の奥へ進む。

 向う先は寝室だろう、私は寝室の出入り口にティーセットを置き、寝室の中に入る。

 モーリスさんがカーテンを開けていたので、私が変わることを伝えると、モーリスさんはヘンリー様を起こしだす。

 「・・・お・・はよ~・・・」

 今にも寝そうな返事だな。

 「眠いならさっそく温泉に入ったらいかがですか?」

 ヘンリー様は、コクっと頷くとベットから起きようとする。

 「ヘンリー様。おはようございます。温泉に入る前に水分補給をしてください。」

と、私は寝室前に置いたティーセットを持ってくる。

 「サーシャ、寝ていなくて大丈夫なのか!?」

  さっきまで起きているか不安げな行動をしていたヘンリー様が、普通に話し出した。

 「ご心配をおかけしました。もう、大丈夫ですよ。」

 私は、ティーセットに紅茶を注ぎ、ヘンリー様の所へ持って行く。

 ”すっ”

 「!?」

 ヘンリー様は私の額に手をやる。

 当然、私は驚いた。

 「おっと・・・。」

 ナイスキャッチですモーリスさん。

 驚いて手元が狂い、ティーカップを持つ手に力が入らなくなった私の手をモーリスさんは支えてくれた。

 「ヘンリー様。紅茶を受け取ってください。」

と、ヘンリー様の前にティーカップを私の手ごと差し出すモーリスさん。

 ヘンリー様は、紅茶を受け取ると飲みだす。

 それを見て、モーリスさんは着替えの用意をしに部屋を出て行く。

 「ヘンリー様、私のような者が本当にヘンリー様の専属メイドになってもよろしいのですか?」

 メイドになって早々だし、メイド経験が一か月ちょっとの私だよ。

 「専属になって貰わないと困る。サーシャの知識が赤の領土には必要だからね。」

 その後、ハミッシュ陛下の紹介状にもそのような事が記載されていたことを教えてくれた。

 

 ハミッシュ陛下よ。そこまで盛り立てないで欲しい。

 プレッシャーがかかるだろうが!!

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