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親子の早朝会合

ヘンリー視点の話になります。

 ”バンバンッ バンバンッ”

 力強く布団が叩かれるが、俺はまだ寝ていたいが・・・。

 そうもいかなかった。

 「ヘンリー様!!」

 いつものモーリスと違うがどうしたんだ?

 私は、眠い目を無理やり開け起きる。

 「おはよう、モーリス。どうしたんだ血相変えて。」

 俺は、モーリスの方を見る。

 「夜伽の君は、どちらに行かれたのですか?」

 はぁ?

 あっけらかんとする俺。

 何を勘違いし得ているのだ?

 俺に、その様な女性はいるはずない。

 モーリス知っているだろう、俺がリオン一筋だという事は・・・。

 「モーリス、まずは落ち着け。そして何を勘違いしているのだ?」

 俺は、モーリスを落ち着かせようとする。

 「だって、脱衣所に濡れたメイドの服が・・・下着まで・・・しっかり下着まで入っているのです。」

 なるほどな、これはしっかり説明しなくてはな・・・・。

 俺は、昨晩の話をモーリスに伝える。


 「そのような事が・・・困ったものですね。」

 どうやら納得したようだ。・・・よかった。

 「それで、そのサーシャの事で父上と話がしたいと思っていたのだ。朝食前に会えないだろうか?」

 そのように言うと、すぐにモーリスが手配をしに行ってくれた。

 俺は、急いで着替えをする。

 

 前々から、俺の身の回りの世話をモーリスだけでは大変だから増やすように言われていた。

 だか、信用できる者いなく、メイドにローテーションに頼んでいた。

 そして、幻滅をした。

 色目を使ってくる。

 まあ、そこまではギリギリ許そう。

 寝込みを襲おうとするのは勘弁して欲しかった。

 再び身の回りをモーリスだけに頼りっきりになってしまった。


 だから今の俺のしようとしていることは、賭けに等しい。

 だが、それをする価値はある。


 ”カチャッ”

と、ドアの開く音がする。

 「モーリス、どうだった?」

 ドアの方へ振り向きながら言う。

 「やあヘンリー、迎えにきたぞっ。」

 そのには、腰にタオルを巻いた父上がいた。

 風呂場のドアから現れたのだ。

 「朝食前に込み入った話がしたいって言っただろう。なら僕の朝風呂に付き合え、ほれ脱げ脱げ、脱いじゃえ。」

と、父上はせっかく着替えた服を脱がせ始めた。

 「もう、子供ではありませんから自分で脱ぎます。」

 俺は服を脱ぎ、父上と同じ腰にタオルを巻く。

 父上は嬉しそうに風呂場へ行くドアを開ける。俺部屋の風呂場の上へ行く階段を昇り、屋上の大浴場へ行く。

 父上の部屋の風呂場も屋上の大浴場にいける造りになっている。

 故に腰タオルで迎えに来たのだ。


 この場は、ルベライト家の血を引く者が、ドラゴンと一緒に入るために造られた場所である。

 間欠泉から出ている温泉が白糸のようにちょこっと崖の隅っこから落ちている箇所がある。

 そして、間欠泉以外に出ている温泉も屋上まで引いれ滝のように出て、屋上の大浴場のお湯を満たしている。

 体を洗ってから、大浴場に入る。

 緑色のドラゴンと、黒いドラゴンが先に入っていた。

 どうやらまだ人と絆を結んでいないドラゴンのようだ。


 「ヘンリー、それで話とはなんだ?」

 父上はタオルを頭に乗せながら言う。

 「昨日からメイドとして働いているサーシャ・カーネリアンの事です。」

 父上の目が大きくなり、驚きを見せる。

 「驚いてすまないねぇ。サーシャの名前をさっそく出してくるとは、それもフルネームで言うとは思ってもみなかったよ~。」

 俺は、ここに来る前の彼女に会っている事を伝える。

 そしてその際に彼女の知識に助けられたこと言う。

 「なるほど・・・つまりヘンリーは、サーシャの事を気に入っていると見て~・・いいのかな?」

 間違ってはないが、他人から言われると恥ずかしいモノなのだな。

 「・・・まあ、そうなりますね。」

 躊躇気味に俺は言うと、父上は小さく笑う。

 「うん、わかった。ならサーシャをヘンリーの専属のメイドにする。それでいいのかな?」

 俺の言おうとしていた事を言われてしまった。

 そう、俺はサーシャを俺の専属メイドとして附けて欲しいと頼むために父上と話がしたかったのだ。

 「そのようにしてくださると助かります。」

 父上は『わかった。その様にしよう』と、言う。

 だが、その言葉は何故か上の空気味に言っていた。

 「それで・・・サーシャをヘンリー専属メイドにしようにも、他のメイドの確執をどう埋めるのだ?」

 父上もこの屋敷のメイドの新人いじめの事を知っているから聞いてきた。

 「ですから、折り入っての話がしたかったのです。俺専属のメイドにするために何か案はありますか?」

 昨夜のさっそく起きた新人いじめの件を伝える。

 伝え終わると『あるよ』と、父上が言ってくれた。

 「ただ~、それなりの協力が必要になるかな?」 

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