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〇番外編〇  似るというが・・・

65年前の話。


ハミッシュ陛下の側近ピアーズ・スフェーンの視点の話です。

 私の名は、ピアーズ・スフェーンと申します。

 殿下から陛下となって3年となるハミッシュ・ルベライト=ドラゴニア様の側近をしています。

 聖女リオン様が亡くなられ、ハミッシュ様が気を失い3日間も目を覚まさなかった時は、もう絶望しか私にはありませんでした。

 その後、目を覚まし人が変わった感じがし、その理由が前世持ちだと知った時は、ドラゴニアがお終いだと感じたものです

 ですが、まだドラゴニアは大丈夫のようでホッとしてます。

 私が、終わりになどさせませんが。


 「陛下、書類です。」

 書類の束を追加する。

 「またか・・・うん~、肩がこるな~。」

 ハミッシュ陛下は”ゴリゴリ”と、肩を鳴らしながら腕を回す。

 殿下から陛下になられ3年目。

 だいぶ陛下らしくなってきたというのか・・・。

 どうも、行動に品がかけている感じはするのは私だけでしょうか?

 前世持ちの性格が入ってから、どうも気になるのです。

 これさえなくなれば、陛下としてご立派だと思うのですが・・・。

 今、この時も夏で暑いからって、シャツのボタンはずし過ぎです。

 でも、まあ頑張ってますし、ここは・・・。

 「陛下、特別に発注していた容器が完成して、先ほど浴室にセットされたと報告がありました。」

 「待ってたよ~。ちょうど今欲しいと思っていたところだったんだ。」

 ハミッシュ陛下は席を立ち歩きながら、はずし過ぎのボタンを尚はずしだす。

 もしや、今から入るのですか?

 ・・・入るのですね。

 「汗をかいてきたし、案配も知りたいし風呂に入ってくる。」

 ハミッシュ陛下は、すたすたと浴室へ行く。

 まったく、ハミッシュ陛下は自由なお方だ。

 自由な性格は、前世持ちになる前はあまり感じられなかったモノだったが・・・。

 しかたなく、私はハミッシュ陛下の新しい服とタオルを用意してから浴室へ向かう。


 「あっ・・いい・・ああ・・・きもちいい・・・。」

 ハミッシュ陛下の悦っている声が浴室から聞こえる。

 浴室に入ると、陛下が特注で頼んだ『打たせ湯容器』を堪能していた。

 シャワーからの水を貯めて、口から勢いよく水が上の方から滝のように落ちてくるという簡単な物なのだが・・・。

 『ハミッシュ、どうしたのだ?』

 この声は、ハミッシュ陛下と絆を結んだユピテルの声。

 窓のガタガタする音と共に、浴室のバルコニーに降り立った。

 「ユピテルか、打たせ湯が気持ちよくてな~。」

 その一言で、窓に張り付くようにユピテルが浴室を覗いてくる。

 ユピテルよ、覗きは良くありません。

 『勢いのいい水がそんなに気持ちいいのか?』

 ハミッシュ陛下は、ユピテルに打たせ湯の良さを伝える。

 『水の勢いがコリをほぐす・・・。』

 ユピテルは何か考え事をして、バルコニーから飛んでいく。

 私は心配になり、浴室のバルコニーへと出る。

 『ああ・・・本当に気持ちいいね。』

 ユピテルが、バルコニーから見える。庭の噴水の水の出る所に顎を乗せてまったりしていた。


 「あ~・・・んん~・・・気持ちいい」

 浴室では、ハミッシュ陛下が・・・。


 ”ギュギュギュギュギュギュ・・・”

 外の噴水では、ユピテルが・・・。


 水の勢いに酔いしれていた。


 ドラゴンと絆を結ぶと似だすというが・・・。

 これは、考えモノだと感じてしまうのは・・・私だけでしょうか?

ユピテルの噴水好きのエピソードを入れたいと思ってました。

温泉の話が出てきたので今回いれてみました。

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