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〇情は、蒸〇を〇生する・・・

 「私が伴侶の絆を宿してから、ヘンリー様の行動が、その・・・。」

 はっきりと言っていいのか、言葉を躊躇う。

 「思った事をそのまま話していいんだよ。ヘンリーは、それを受け止めなければならない立場だからね。」

と、エリック様が言ってくれた。

 私はエリック様の言葉に頷き、意を決して言葉を発する。

 「伴侶の絆を結んでから、ヘンリー様の行動がおかしく、このままでは、領地が荒れて、領民が苦しむ結果になると思ったからです。」

 緑をピンクの計画の地である地で起きた蚕の病気を、中心人物であるヘンリー様、それに私もエリック様に言われるまで知らなかった。

 

 蚕の置かれていた病気の原因は、蚕のうじ虫の寄生によるモノだ。

 

 蚕の食べ物である桑の葉に、蚕のうじ虫が卵を産み、蚕がその卵と一緒に食べてしまうとなる病気。

 桑の葉を洗浄して、うじ虫の卵を排除すれば防げるモノで、領民も知っているとばかり思って伝えていなかった。

 私のミスだ。

 だけど・・・。

 伝えなかったのはいけなかったが、その失敗を見過ごしていたのは悔しいい。

 寄り添うべき領主である公爵家が、領民を苦しさを見過ごしていたままでは、領民に不信感をあおる一方だ。

 『良い計画を打ち出したんだから何となしろ』

に、例えその計画が、良い計画だとしても、領民が心から付いて来るわけがない。

 未熟な計画であっても、領民に寄り添い、その土地にあった方法を探りながら計画を導く方が、領民に好かれる。

 まあ、領民に好かれるために計画を進めて行くのは問題だが、領民の視点からも考えてますをアピールしなければ、いくら良い計画であったとしても、『勝手に来て』『勝手にやって』『勝手に去って』終わりになる。

 意味ある計画でも、意味がない結果になりかねないのではないか?

 それって、その計画にかかった時間と資金を無駄遣いした事にならないのか?

 それも、資金が領民から徴収した税金ともなれば、領民の怒りを買う事になる。

 ダメダメで、却下決定事項に決まっているだろう。


 「ですが、私はそれを止める能力がありません。それどころか加担・・・しているのでしょうね。」

 私は、一端ため息を付き、再び話し始める。

 「ヘンリー様の腕の中は、余りにも心地よすぎて流されてしまうのですから・・・。」

 ヘンリー様に愛される事がこんなにも嬉しく愛おしい・・・って、私・・・今、何を口走ったのよ。

 一気に、自分の顔が赤くなり、手で顔を覆った。

 そして、辺りの変化にも気づかされる。

 

 な、なっ、何、この辺りの生温さは!


 周りの方々が、あからさまに生温かく見守ってます感満載が、蔓延しているよ。

 

 原因・・・私の発言からです。


 恥ずい、恥かしい、恥ずかし過ぎです。


 つ、つぎよ、次、次・・・。

 何を話せば・・・って、話して、また恥ずかしい事を口走るのではない?

 

 アリエルヨ・・・。


 こんな、何も考えられない状況だと口走る、確実に口走るって・・・。

 「あ、あの・・・あのですね・・・。その・・・ですよ・・・。ですから・・・ねぇ。」

 焦るしかできない。

 何を、どう説明すればいいのよ!!

 えっ!?

 説明って?

 何?

 ヘンリー様の腕の中の心地よさを感じるままに・・・・。

 無理でしょう!!

 違うでしょ!!

 おかしいでしょう!!

 そんなのをマジマジと話す女性は、ビッチって言われる分類でしょうが!!

 クソな公爵家令嬢であったとしても話してはダメ!

 いや、この場合、公爵令嬢関係なくレディーが話す内容ではありません!!

 「・・・・。」

 つまり、私は何を話すへきなのでしょうか?


 「ヘンリー。暴走したら、可愛い嫁が逃亡するだけだぞ」

 エリック様が、ただただ生温さが漂っている空間で、ヘンリー様を注意する発言を発した。

 「で、ですが・・・これは・・・。」

 ヘンリー様が、口元を手で押さえながら、まじまじと私を見ながら言う。

 「ヘンリーの過度な発情が、サーシャの蒸発を招くって理解しろよ・・な。」

 「そうですよ。正に蒸発しようと行動をとられているのですよ。今にも蒸発しそうな顔をしながらも・・・。」

 ヴァネッサ様。私の顔が蒸発しそうではなく、正に蒸発中ですよ~。

 「理解はしています。ですが・・・これは、反則です。」

 口を押えていた手が額に移動し、困った体勢をとるヘンリー様。

 「それもわかるが、ダメなモノがダメだ!」

 「ヘンリーには、サーシャしかいないのよ。別にあてがうなんて出来ないし、そんな子に育てた覚えはないわよ」

 エリック様とヴァネッサ様が、ヘンリー様を説得している。

 それを見守っているシナバー商会の方々は小声でとんでもない会話を交わしている。

 『ヘンリー様に女をあてがわれて、それにこたえていたら、子供が何人出来ると思う?』

 『凄いと聞くからな~』

 『一晩で何人の女性を相手できるんだろう』

 『妾同士の争いが激しそうだな』

と、異常な会話が、以上聞こえた。

 ヘンリー様は、そんな酷い人間ではないわ。

 エリック様もヴァネッサ様も、ヘンリー様に女性をあてがうことなく、まともに・・・・。

 まともな分類に育ててくださり、ありがとうございます。


 「時間を決めろ!」

 ビシッとエリック様が言う。

 「それがいいわ。そうよ、そうしなさい。」

 ヴァネッサ様もエリック様に同意をする。

 「今回は、見逃して欲しい。」


 「ダメだ!!」

 ”キュイィィ”

 ”ギュイィィ”

と、ドラゴンも含めて一斉に皆さんがハモった。

 

 

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