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商人の情報は侮れない

 「サーシャ様。臙脂様の巣の上空に差しかかりますよ。」

と、隣を飛んでいる黒いドラゴンに乗っているラスキンさんが、観光ガイドの様に伝えてくれた。

 「ジジイ様が、今はヘンリー様のところにいるけど・・・。」

 そう、ジジイ様は今現在、ヘンリー様と共にいる。

 正しくはコスモと一緒にいると言った方がいい。

 コスモの足には、矢を射られ跡がある。

 たとえ、コスモが良くてもジジイ様は、ヘンリー様であってもコスモに乗るのを嫌がっているのだ。

 コスモに至っては、傷跡はあるモノの痛みは全くなく、ジジイ様と一緒にいられる事が嬉しくて仕方がないようだ。

 今回の就任式にキンバーライト城へ向かう飛行では、大々的に鼻歌を披露していたようだ。

 ライ様が、コスモの姿が見えないというのに、『コスモの歌声が、頭にガンガン響いて来る』と、耳を塞ぎながら言っていたっけな。


 「臙脂様がヘンリー様と一緒なのはわかっていますよ。ですが、サーシャ様が初めてドラゴン、それもコスモに乗ったきっかけが、臙脂様に会いに臙脂様の巣に向かった時と伺っています。」

 あの時の事か・・・私はもの思いに一瞬吹けたが・・・がよ!

 「どうして、そんな事を知っているのよ!」

 だって、そんな個人の何気ない行動を知っているって、下手すればストーカーって思われても仕方がないのでは?

 多少、言い過ぎかもしれないとしてもよ、怖いでしょう。

 自己防衛した方が得策でしょ。

 なので、私は避難する感じにラスキンさんを見る。

 「そのような顔をしないでください!ブルーア・ラリマー事件の調査に情報協力をしていた時に、たまたま知り得た情報です。コスモと臙脂様に逆鱗を放たれたラリマーの息子がいたでしょう。」

 ああ、色に謝れと言いたくなるようなロイヤルな色の瞳をした馬鹿・・・だけではれなかったバカラリマーな息子ね。

 「そう言う理由ですので、そんな目で見ないでください」

 え~、どうしようかな?

 「侮れないと思う事もダメでしょう。もし、ダメと言われてしまうと・・・付き合い辛くなるな~。」

 「そこまでとは、言ってません!」

 なら、良かったかな。

 「もしサーシャ様が、私と付き合い辛いと思われてしまうと、姉上とウィリアム様の双方から刺客が送られてきますよ。」

 ラスキンさんが困った雰囲気で伝えてきたけど・・・そんなに大事な事態となるのかしら?

 私はそう思い、空返事をするように受け答えをする。

 「冗談では済まされないのですよ。本気で殺されるのですからね。半殺し2回の刑ではなく、暗殺の刑2人からですからね!!」

 ラスキンさんは、必死に訴えてきた。

 「なら、そうならない様にしてくださると、嬉しいわ・・・って、事ね。」

 私は満面の笑みで言ってみた。

 するとラスキンさんは、一瞬身動きが止まったが、すぐに立ち直し、ため息交じりに『わかったくださり光栄です』って、相当身分の高い人に言うかのような言葉を使い返事をしてくれた。

 なんか・・・変な気分だな。



 ◇ ◇ ◇



 全くもって不愉快ですわ。

 あの女が、ヘンリー様の奥方になりおおせるなど。

 それも、ドラゴンの頂点に君臨する黄金のドラゴンと伴侶の絆を結んでいるなんて・・・。

 世の中が、間違っていますわ!!

 「・・・お嬢様。」

 メイドが、私を呼んでも無視ですわ。

 私は、とっても機嫌が悪いのよ。ショッピングをして気を晴らさなければ、新学期にサーシャと出合い頭に、顔を叩いてしまいましてよ。

 「私は、あの店で新学期の為のアクセサリーを買いますの。ですから、貴方はあの喫茶店の列に並んで頂戴。」

 ずらりと並んでいる最近出来た喫茶店『みかえりレシピ』と、言う店にメイドを並ばせて、私は馴染のアクセサリー店で、サーシャが付けていた鈴蘭のブローチよりも、ゴージャスなアクセサリーを買うとしましょう。

 

 「私に似合うアクセサリーを買いに来ましたの。」

 私は、入ってすぐに目の前の店員に言った。

 だって、馴染みの店だというのに、誰も知っている顔がないんですもの。

 「おお、これは、これは、前任の店主からお聞きしていましたが、なんとお美しいお嬢様でしょうか。」

 私が美しいのは当然のことですが、言われて悪い気がしませんわ。

 あなたも、若くて美しい殿方ですことよ。

 「学園に付けて行くアクセサリーを探していますの。」 

 そう言うと、私を奥のVIPルームへと案内をしましたわ。

 良い品が入ったのかしら、楽しみですわ。 

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