嘘か本当か
遅くなりまして、申し訳ありません。
円卓会議のお部屋にハミッシュ陛下とカリスタ様、それにキンバーライト家のセシル様セラ様と、ラスキンさんが入って来た。
ラスキンさんは、壁に置かれている椅子ではなく。ご自身の姉であるセラ様の後ろに立った。
今回は、資料を運んでくるメイドはいなかったが、一人一人に飲み物が出された。
「氷が入っています。」
メイドに手渡しで飲み物を渡されたラスキンさんが一言。
「サーシャね。」
キャサリン様が、飲み物を見て私の方を見る。
その通りです
ドラゴンにお願いして、氷を作って貰う様にメイドに進言をしたのだ。
それも、入っている氷は、普通の氷ではなく、梅ジュースを氷にして貰った物なので、溶けても濃度が変わらない優れもの。
その為に、メイドがメモまでしたのだろうな。
「梅ジュースに氷だけでなく、梅の果肉まで入れるとは・・・身に染みる味だな。」
マティアス様が、一口飲みホッと肩を撫でおろした。
「梅は、夏バテに効果がありますから、先ほどメイドに言って作って貰ったのです。」
「落ち着いたところですので、本題に入らせていただきますね。」
と、話しを持ち出したのはセラ様だった。
そこにいた人たちは一同に、賛成の合図を出すと、セラ様は、ラスキンさんの方を見る。
一歩前に出るラスキンさん。
「ナーガ王国に、現在、サーシャ様の姉君であらせられるロゼリス様がいらっしゃいます。そのロゼリス様が、おっしゃっていた内容を報告させていただきます」
姉さまは何を言ったのだろうか・・・。
「ホルンメーネ国の第3王子であるタルクウィーニオ王子の胸に、ドラゴンの文様があるという情報です。」
何だって!?
「偽物、つまり入れ墨ではございませんこと?」
「ドラゴニアで、商売をスムーズにするため、信頼を得ようと入れ墨をした可能性があるよね。」
クリスティーナ様とフレディ様は偽物と思っているようだ。
「ラスキン殿。ドラゴニアを混乱させるために、ロゼリス殿の情報自体が偽の可能はありませんか?」
キャサリン様が、ラスキンさんに情報自体の信憑性を聞く。
「タルクウィーニオ王子が、ドラゴニアで利用していた宿の店員の数人が、ドラゴンの文様を見ています。ですが、その文様が本物か偽物かは判りませんが・・・。」
「実際に、絆を結んでいるドラゴンを見た証言はないのですね。」
カイル様が、困った雰囲気で口にしながらラスキンさんの方を見る。
残念そうに『はい』と答えるラスキンさん。
部屋に暗い沈黙が漂う。
「ハミッシュ陛下は、どう思いますか?」
と、ヘンリー様がハミッシュ陛下に質問をした。
ハミッシュ陛下は、ため息を付いた後、ゆっくりと口を開く。
「俺の考えは、タルクウィーニオ王子は、ドラゴンと絆を結んでいると考えている。」
そう言うと、ハミッシュ陛下は私の方を見る。
「・・・私も、タルクウィーニオ王子が、ドラゴンと絆を結んでいると思います。」
私は、真剣な声で言う。
「サーシャもか・・・。」
ヘンリー様がため息交じりに言う。
「それって、どうしてかな~?」
フレディ様、黒いオーラを漂わせながら言わないで欲しいのですが・・・。
次、サブタイトル決まり次第出します。




