伯父様
姉さまを落ち着かせ寝かせてから、再びウィリアム伯父様の書斎へ戻ったヘンリー様、ウィリアム伯父様、ケルヴィン陛下とジタン先生と私。
「わかった。」
私は、姉さまの為になる事を頼み事すると、ウィリアム伯父様は、納得するように返事をして、すぐにケルヴィン国王の方を見る。
「ジタン。ロゼリスの為にお願いしていいか?」
すぐに、ウィリアム伯父様が言おうとしている事をアイコンタクトで受け取ったケルヴィン国王は、ジタン先生の命令をした。
ジタン先生は『かしこまりました』と、返事をして、すぐにウィリアム伯父様の書斎を出て行く。
早速、動いてくれるようだ。
「ケルヴィン国王、ありがとうございます。」
私は、頭を深々と下げる。
「そんなに深々と頭を下げる程ではないな。でも・・・。」
ケルヴィン国王は、いきなり考え込む。
そして、私にニッコリ笑顔を向けて来た。
「『ケルヴィン伯父様!』って、呼んでくれたら、嬉しいかな?」
『殿下』の次は、『伯父様』ですか?
却下だよね・・・即、却下なんだよね・・・。
だけど、無理なお願いしたしな~。
素直に、困った顔を私はした。
「ウィルだけ『ウィリアム伯父様』って、羨ましいよな・・・。それは、正式な場所では『国王』だけどさー。こんな団欒な場所ではいいだろう。」
ウィリアム伯父様は、母様の兄であるから伯父様でいい。
だが、ケルヴィン国王は、母様と兄妹の様に育っただけで、しっかり母様はケルヴィン国王の事を『ケルヴィン殿下』と、言って敬意を示したのであって、それを越えて私が、この私が、『国王』を『伯父様』呼びは、団欒な場でもしてはいけない気がする。
ああー、でも、無理なお願いを引き受けてくれたし・・・。
「一度・・・ぐらいでしたら・・・。」
何か、顔が熱くなってしました。
嬉しそうに頷くケルヴィン国王。
「ケ・・ケルヴィン伯父様っ!」
私は、目を瞑りケルヴィン国王を伯父様呼びで呼んだ。
「うん!!」
嬉しそうに返事をしてくれるケルヴィン国王。
”がっしりっ”
ケルヴィン国王の嬉しい返事の後に、すぐに私は、誰かしらに抱きしめられた。
目を開けると、ヘンリー様の腕の中にいて、ケルヴィン国王とウィリアム伯父様から隠すように、抱きしめられていた。
「サーシャの事は姪と思っているから、安心してくれていいのに・・・。」
「陛下。ヘンリー殿は、ドラゴンが伴侶の絆を結べなかった時代より前に生まれた人です。その様な人は独占力が強いのですと、何度も説明差し上げたではありませんか。」
ウィリアム伯父様が、ケルヴィン国王に説明を入れていた。
「ここに来るのが遅い理由も、それが原因だって言ってくれたな。」
「はい。」
・・・なんだろう。嫌味が少し含まれた会話に聞こえてしまうのだが。
「理解をしてくださり、ありがとうございます。サーシャの可愛い顔は、自分だけのモノと考えていますので、これ以上は勘弁してくださるとうれしいです。」
なんて、考えをしているのですか!?
私は、ヘンリー様の胸を叩き、睨みつける。
「サーシャ・・・怒ったその顔も可愛いと思っているのだが・・・キスをおねだりしているのか?」
「してません!!」
私は、すぐにヘンリー様から顔を逸らせ、腕の中から離れる為にヘンリー様の胸を押す。
サブタイトル決まり次第、次の話出します。




