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国母の心

 驚いたことに、ジジイ様がナーガ王国に来たのは、コスモが怪我してから5日後のことだった。

 それから、なんと2日間もかかりやっと、スピンサーバランド宮殿に来ました・・・。

 つまり、コスモが怪我してから一週間が経ってしまいました。


 コスモは、傷口もかさぶたが取れて、貧血もなく、無事にドラゴニアまでは帰れるまで回復しているモノの、やはり瀕死の危機に陥った事もあり。ジジイ様に乗って帰る事にした。

 まあ、ヘンリー様がジジイ様をこき使うと言っていたのを実行に移したのは言うまでもない。


 歴代の王と王妃の絵が飾られている部屋に来るのは、これで二度目。

 アンリエット様の前に、ケルヴィン国王がいた。

 「サーシャか・・・。」

 「はい。この度、コスモの命を救うために、国で大事に保管しているユニコーンの角を提供して頂き感謝しています。」

 私は、頭を深々と下げお礼を言う。

 「それだけでなく、コスモの回復するまで、城塞ウルナムに滞在させていただき、そちらも含め、なんとお礼を言えばいいのか・・・本当にありがとうございました。」

 再び私は、深々と頭を下げてお礼を言う。

 ケルヴィン国王は、穏やかな顔をしてこちらを見ている。

 「国の為にしたまでだ・・・。それに、母上との約束だからな。」

 そう言うと、アンリエット様の絵を見る。

 「・・・アンリエット様との約束とは?」

 そう質問すると、ケルヴィン国王は、懐かしむように私を見て微笑んだ。

 「ユニコーンの角を仕入れるきっかけとなったのは、母上が不治の病を発症したのがきっかけだったのだよ。」

 ケルビン国王は、寂しげな笑みを私に見せる。

 「母上は、国母として国民たちに慕われていた。だから不治の病を宣告された時、俺とウィルは、ユニコーンの角を国費に手を付けても取り寄せたんだよ。」

 本来国の運営の為にあるべき国費を、個人の為に使うとは・・・。

 「ユニコーンの角を5本手に入れ、2本使った頃には、母上の容態はすっかり良くなったんだよ。」

 ケルヴィン国王はいきなり、フッと鼻で笑い、アンリエット様の絵を再び見上げた。

 「だけど、母上は喜ばなかったんだよ・・・当然だよね。」

 少し間を置き、再びケルヴィン国王は話をしだす。


 

 

  国王の母となることは、国民全ての母となるべきと思い、これまでそのように接してきました。


  おかげで、国民にも慕われる母となりました。


  その国民を裏切るような行為を許すことは、国の母として許すことはできません。


  それが例え、私の為と思いした行為であっても、国を傾ける行為は国の裏切り、許すことはできません。


  いつかは人は死ぬのです。


  それは、避けられない必ず訪れる事実です。


  死してなお、国民に慕われる母でありたい。


  ですから、残りのユニコーンの角は、国の為にお使いください。


  それが、私からのお願いです。





 「その様に、母上に言われてしまっては、例え再発しても使う事は出来なかった。」

 アンリエット様は、本当に立派な方だったんだな・・・。

 イリス帝国にも、このような人が、少しでも皇帝一族にいたのなら、革命など起こらずに、済んだのかもしれない。

 「母上・・・母上のいう通りに、国の為にユニコーンの角を使わせていただきました。おかげで、ステラの子が悲しまずに済みましたよ。」

 ”ウルッ”

と、私は目がしらが熱くなる。

 アンリエット様の国を思う気持ちのおかげで、コスモが死なずに済んだんだ。

 もし、そうでなければ、ヘンリー様を失い、ジジイ様が精神崩壊をして、ドラゴニアが滅亡したはずだ。

 ドラゴニアとナーガ王国の友好の為に使ったと言える。

 ・・・借りを作ってしまったな。

 どう、この借りを返せばいいのだろうか。

 私は、アンリエット様の絵を見上げて、悩みだす。

 「サーシャ。黄金のドラゴンの2回目の脱皮の際の鱗でいいぞ。」

と、ボソッとケルヴィン国王が言って来た。

 私は、ちょとんとケルヴィン国王を見る。

 「私は、ステラの事を妹のように思っている。だから、伯父様特権を得られないのは、不公平だ。」

 可愛くむすっとした顔を私に見せる。

 「そのような物でよろしのですか?」

 ヘンリー様が、ケルヴィン国王に迫るように質問をした。

 「ナーガ王国は、これまで一度も黄金のドラゴンが現れずにドラゴンの大樹をダメにしてしまった。だから、ナーガ王国の血を引く者が、黄金のドラゴンの伴侶の絆を得た事は素晴らしい事なのだよ。その事実を後世に残させてはくれないか?」

 ケルヴィン国王の申し出にヘンリー様も私も、お礼を先に言い『そうしてください。』と、言った。


 「ここにいましたか。」

と、ウィリアム伯父様が、部屋に入って来た。

 「タルクウィーニオ王子の事で、分かった事があってな。」

 ウィリアム伯父様の一言に、一瞬で顔色を険しくした。

 「陛下も今後の事がございましょう。レナストン城にお越しください。」

 ウィリアム伯父様がそういい、一同は、スピンサーバランド宮殿から、レナストン城へと移った。

 

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