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王の謁見に準備は必要

 レナストン城からスピンサーバランド宮殿へ向かう道の途中にある広場で、降りた私たちは、兵士の案内で、まずはレナストン城へ行く。

 スピンサーバランド宮殿で、王と謁見する事にあたって、着替えをするためだ。

 姉さまは兵士たちによって、レナストン城へと移送された。

 移送の際、ロープなどの拘束は解かれ、兵士が姉さまの周りを囲うだけで、何も言わずに、兵士に従い自ら歩いて去って行った。

 私は、何も言えずに、ただ立ち去るの見つめていた。


 レナストン城へ入ると、兵士から今度はメイドが案内をしてくれた。

 部屋は、それぞれに用意をしてくれていて、ヘンリー様と私は別々の部屋になった。

 私に着いたのは、顎の外側にほくろのあり、眼鏡を装着している30代半ばのベテランのメイドだった。

 「ウィリアム様から、マリーが結婚したと聞いています。子も出来たとも・・・。」

 マリーの事を聞きたくて、私についてくれたのね。

 「子が出来たと言っても、まだ生まれていないわよ。」

 8月の終わりにかけてが予定日だという事を伝えた。

 するとメイドは、ニッコリと笑い、自分の事のように喜んでいた。

 「あの・・・レナストン城の庭に、デリック先生とヴァルナがいたと思うのですが・・・。」

 「はい、おられますよ。ステラ様の形見の品をお持ちでしたね。」


 リュヌの銀で出来た櫛。

 学園の終業日に、学園に届けてくれたのだが、最後にどれくらいリュヌの銀に慣れたか見たくて、ヴァルナに近づけたら、少しは良くなって来ているけど・・・まだまだって言えるのよね。

 だから、王宮へ行き、デリック先生の休暇をもぎ取って来て、ギリギリまで母の形見を使って貰い、現地であるこのナーガ王国に、母の形見を届けて貰うようにした

 そのお礼は、王都の帽子屋への買い物に、護衛役をして付き添って貰うだったのよね。

 買った帽子はシンプル過ぎる理由で姉さまが、付ける事になったけどね・・・。


 「先に来ていたヴァルナは、レナストン城に近い庭にいたけれど、どうして他のドラゴンは、スピンサーバンド宮殿に近い場所で降りるように指示を出したのかしら?」

 私は、ベテランメイドに聞いてみる。

 「先に来ていた黒いドラゴンは、レナストン城に近い庭に投げられた、リュヌの銀を探しているのです。」

 何だって?

 ベテランメイドが言うには、現在ヴァルナがリュヌの銀の耐性を付けるために頑張っている事を知ったウィリアム伯父様が、宝物庫からリュヌの銀の欠片を5つ取り出して、庭に投げて、それを探させるように伝えたとかで・・・。

 そんな庭にドラゴンが降りたら、とんでもない事が起きるな。

 だから、どこに降りればいいのかチェスターさんが言っていたのか・・・・。

 私は、やっと納得した。

 「この服が、よさそうですね。」

 荷物を鞄から出して、クローゼットに移し替えていたベテランメイドが、薄いラベンダーピンク色のタートルネックのワンピースを渡された。

 「さあ、シャワーを浴びて来てください。」

 そう言ってくれたので、遠慮なく浴室へと向かう。

 汗をかいたからありがたい。

 こうして、シャワーを浴びてから服に着替え、ベテランメイドに髪を結わいて貰い、スピンサーバンド宮殿に向かう為にレナストン城を出ようと向かうと、スピンサーバンド宮殿に向かう扉の前のフロアに、ヘンリー様たちが待っていた。

 先にナーガ王国に来ていたデリック先生もその中にいた。

 私は、ヘンリー様の腕に手を添えると、ベテランメイドが扉を開けてくれた。

 こうして、レナストン城を出て、スピンサーバンド宮殿へと向かう。

 

 「始めまして、私はウィリアム・ヘリオドールと申します、黄金のドラゴンよ。お会い出来てうれしく思います。」

 50代ぐらいのダンディな男性が、コスモに丁寧に挨拶をして、顔を撫でていた。

 「瞳の色も、頂点に君臨する金色とは・・・・・ステラを奪い去った男を思い出してしまいます・・・。」

 ウィリアム伯父様は、顔を伏せて悲壮感を感じさせる動作をしているが、その顔は恨めしや的な顔をしていた。

 ・・・えっと、切り替えさせた方がいいな。

 「ウィリアム伯父様。お久しぶりです。」

 私は、ウィリアム伯父様に声をかけた。

 

  

 

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