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ナーガ王国に到着

 コアルト大陸の中央から北西にかけて、大陸の5分の1を占める国がナーガ王国。

 かつては、4分の1まで占めていたという記述も存在している大国である。

 大国までにのし上がるには、ヘリオドール一族の存在が大きいと言える。

 時に王家に従い。

 時に王家を操る。

 ナーガ王国の影に、ヘリオドール一族の存在が大きく、影の支配者と言われる存在である。


 かつて、ゴーラン王国という国が、コアルト大陸の中央にあったが、国王の暴挙により、国王自らドラゴンの大樹を放火し国を消滅させた逸話である土地を、全て支配下に置くようにナーガ国王に進言したことから、ゴーラン国王を暴挙に走らせたのは、ヘリオドール一族ではないかと噂されている。


 実際は、ゴーラン王国からの難民の問題解決するために、ドラゴンの大樹の祝福のオーラがない土地であろうが、利用できるモノは、利用しないとままならないぐらいに、国の運営に支障をきたしていたようだ。


 イリス帝国が革命を推し進める際に、国外に避難する難民の問題を解決しないとならないと書かれた、ウィリアム伯父様からの手紙に、このことが書かれていた。

 

 確かに、前世で、内戦やら戦争で、難民が他国に避難をして問題が発生している事が、ニュースで挙げられていたので、革命が起これば、イリス帝国の難民が他国へ避難する事は目に見えていた。

 実際に私も、その中に一人と言っても過言ではないけど。


 なので、必死に頭を巡らせた難民問題政策の問題解決の書類を送ったら、大いに喜ばれたっけ。

 そして、それがきっかけで、ウィリアム伯父様自らイリス帝国の革命家に会いに行くという、目を疑う行動を起こしたのよね。


 「装飾されているような屋根ですね。」 

 ハワードさんが、ナーガ王国に入って、まず目に入ったのが家の屋根だった。

 青と赤の2色で彩った屋根だからだ。

 縞々模様だったり、市松模様だったりが基本だが、屋根に絵が描かれている物もある。

 だけど、必ず青と赤で彩られているのが、ナーガ王国の特徴ともいえる屋根の特徴だ。

 「ナーガ王家の初代王の瞳の色と、絆を結んだドラゴンが青色で、ヘリオドール家の初代当主の瞳、それにドラゴンが赤い色だった事から、王家とヘリオドール家に敬意を示して、国民は家を建てる際に、屋根を2色にしているのです。」

 若干、青の割合が多くなっているように見えるのは、王家の方が上の存在だからね。

 国民も、それは分かっているようだ。

 「なら、あの山にそびえ立つ青い屋根の城が王宮ってことですか?」

 グレアムさんが、山の上にそびえ立つ大きな建物を指さしながら言った。

 「はい、スピンサーバランド宮殿です。」

 見た目は、前世のドイツ3大名城、3大美城の両方に挙げられている城で、天空の城とも言われている建物に似ている。

 「その山の麓にある赤い屋根の城が、目的地であるヘリオドール侯爵家の城レナストン城です。」

 前世で似ている城と言われると、ミュージカルの題材にされる皇妃が愛した城に似ている気がする。

 庭は、スピンサーバランド宮殿と繋がっているのだけどね。

 

 『うわ~、金色のドラゴンだわ!』

と、城下の町の人々がコスモに気づいたらしく、歓喜する声が聞こえる。

 そして、ここでも土下座で崇める人々が、ちらほらと見えてしまった。

 それを見ながら、赤い屋根の城へ向かう、城の庭に大きな黒い塊が見える。

 近づくにつれて、それがドラゴンだと、それも黒く光沢を帯びているドラゴンだと気づく。

 ”キュキュキュ~ン”

 黒く光沢を帯びたドラゴンのヴァルナは、機嫌がすこぶる程によい。

 リュヌの銀の影響だと一目でわかった。

 そばにいるデリック先生が、こちらを見つめながらも、ヴァルナを気にして何度もヴァルナの方を見る姿が見える。

 「どこに、降りればいいんだ?」

 チェスターさんレナストン城の上空で言い、辺りを見回す。

 ヴァルナのいる広場は結構広く、ドラゴンを停泊させても大丈夫な空間んがあるのに、どうしてなんだろう・・・。

 ”ピユーーンッパ――ンッパーンッパーンッ”

と、祝砲の音がして、そちらを見る。

 そこは、レナストン城からスピンサーバランド宮殿へ向かう道の途中にある広場で、そこに降りるように兵士が旗を振り指示してきた。 

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