準備は進むよ・・・
「サーシャを見つけて、しっかり生活のサポートをする約束をね!」
満面の笑みでフレディ様が言った。
その話、聞いたの初めてだわ。
そして、フレディ様に生活サポートされる人生って・・・想像できないわ。
いいような・・・悪いような・・・想像できないっていうのに・・・何だろうな・・・うん、末恐ろしい。
申し訳ないけど・・・非常に申し訳ないけど・・・。
その気持ちが、存在してしまうね。
「ヘリオドール侯爵に会いに行った際、時機にサーシャが逃亡すると、睨んでいだよね。だから、探して保護して、充実した生活を送れる手伝いぐらい出来るだろうと、僕に期待していたんだよね。」
蓋を開けてみれば、逃亡しようとした時には、クラウンコッパー家に娘と知られて、牢に入れられて、その後、キャサリン様に助けられて、クローライト家で生活サポートを受けるどころか、家族のように接してくれて・・・。
「ドラゴニアに帰ってみれば、サーシャはクローライト家で、家族同然のような扱いを受けていてさぁ・・・。僕の保護下より、ずっといい環境だろう、僕の立場ないじゃん。」
フレディ様の立場なく、とても幸せにクローライト家で過ごさせていただきました。
「だから、せいぜい口約束である、アリエルに会わせるぐらいさせて欲しいよね・・・まあ、ヘリオドール侯爵の機嫌を考えると、連れて行くしかないけどね。」
それって、単に一言『よろしくね!』で・・・いいような~。
まあ、フレディ様が、そんな人ではないは、解るけどね。
グレアム様とハワードさんは、丁寧によろしくお願いしますと、伝えてきた。
「ああ、そうそう、念の為にチェスターにも頼んでおいたから、時機にこの城に来るんじゃないかな。」
何故、チェスターさんが来る?
まあ、白き傭兵団は、まだ休止中状態だからいいけど・・・。
「なあに、孫は可愛いモノだろう。」
フレディ様は、理由を聞く前に気づいてくれたように話を切り出してくれた。
「後ほど、グレアムがナーガ王国での日々を詳しく知りたくてね。」
何だろう・・・詳しく知りたいのではなく、報告をきっちりして欲しいと、聞こえてしまう。
「ああ・・・すまない。ここには孫がいないんだったよね。だから、僕の気持ちを解らないか・・・」
その言葉、ワザと言ってますよね、フレディ様。
場の雰囲気が悪いのですけど・・・。
それを、大いに楽しんでますよね、フレディ様だけが・・・。
◇ ◇ ◇
そして、私は地下牢に来た。
「姉さま・・・。」
私を見るや、大きなため息をつく姉さま。
例え、住み心地の良い牢屋であっても長らく閉じ込められているのだ。イライラが募って当然か・・・。
顔色も若干白く、肌が若干だが荒れていた。
・・・ストレスが溜まっているのね。
「何しに来たのよ。」
「ウィリアム伯父様へのお願い事を、何にしたかを聞きに来たわ。」
ナーガ王国へ行くのが近い事も姉さまに伝える。
「どうでもいいわよ。」
吐き捨てるように言ってた。
「そう言っても、姉さま自身の事でしょ。」
「だー、かー、らー、私の自由を願えないなら、他にはないに決まっているでしょう。何偉そうに言っているのよ。」
姉さまは、何も考えてなかったか・・・・。
「それでも、姉さまのお願いでしょ。」
「あ”――、うざい。サーシャが、頼めばいいでしょ。私はないの!!」
当たり散らすように言ってくる姉さま。
「本当にそれでいいの?」
「ええ、どうぞ!!」
私は困った顔を姉さまにする。
「何、ジロジロ見ているのよ。もう、話すことないんだから、どっか行ってくれない?」
私は、ナーガ王国に着くまで、ウィリアム伯父様に叶えて欲しい事があったら、言って欲しい事を言い、その場を去った。