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ちゃっかり優雅に

 2週間が経ち、夏休みとなっていった。

 姉さまからの伝言が来ないままでいる。

 もしかして、直接私に伝えようと、待っているのかしら?

 そう思いながら、王都の屋敷を朝に出て、ルベライト城へと向かっていた。

 「サーシャ。ナーガ王国へ行く件だが、ロゼリス殿を輸送するために、ジジイにお願いするから、説得に数日かかる。それでいいか?」

 そうだった。

 ウィリアム伯父様にお願いする内容の事ばかり考えていて、ナーガ王国に行くまでの輸送を考えていなかった。

 コスモに3人乗せる事は出来ると思うが・・・うん、姉さまがヘンリー様を誘惑する恐れがある。

 そんなのは、見たくないし、胸の強調する姉さまの姿を見るのも不快だわ。

 うん、別のドラゴンに乗って貰うのが一番ね。

 そうなると、被害の少ないジジイ様にお願いするしかない。

 「ジジイ様の説得は、私も行きます。」

 だって、私の用で、ナーガ王国に行くのだから、私が言うのが筋というモノ。

 ヘンリー様も解ってくれて、一緒に説得をしに行く予定が組まれた。

 「そろそろ城に着くぞ。」

と、ヘンリー様が伝えてくれた。

 進行方向に見えるは、温泉の湯気が立ち込める領都ルベルタだった。


 ・・・・・。

 ・・・・・。

 「う~ん!このオレンジジュースのツブツブ感がいいね。」

 「ヴァネッサ殿直々に、クッキーを焼いてくれるとは、嬉しい歓迎ですね。ありがとうございます。」

 バルコニーに置かれているリクライニングチェアーに、どっぷりくつろいでいるフレディ様とグレアム様。

 打って変わって、バルコニーにいながら、ちゃんとテーブルの席に着き、お茶を楽しんでいるエリック様、ヴァネッサ様と、ハワードさん。

 城主以上に優雅な2人だな・・・。

 「フレディ。何故ここにいる?」

 ヘンリー様が見かねて声をかけた。

 「ヘンリーたちは、ナーガ王国に行くんだろう。なら、グレアムも連れて行った方が、交渉がうまくいくと思うよ。」

 グレアム様が、リクライニングチェアーから立ち上がり、お辞儀をする。

 「根拠を聞いていいか?」

 ヘンリー様は、グレアム様と私の前に立ちはだかるように移動しながら聞く。

 「コスモの瞳の色が、金色だからかな?」

 フレディ様が、リクライニングチェアーから体を起こし、横に座る。

 「金色の瞳は、ウィリアム殿にとって、妹ステラを奪い、挙句に死なせる結果となったデューク殿の瞳の色。」

 うん、父であるデュークは、金色の瞳をしていたわ。

 だから、断絶したクラウンコッパーの姓名を与えられたのだけどね。 

 「だからさー、金色の瞳のドラゴンのみで行くのは危険だよ。扱いは酷かったからね。」

 ナーガ王国で、捕虜になった金色の瞳のドラゴンの扱いが、酷い扱いをされた一方で、紫と緑の瞳のドラゴンは、丁重に扱われていた事も伝えてくれた。

 「僕、ヘリ―ドール侯爵に、紫と緑のオッドアイのドラゴンのアリエルに、会わせる約束をしたんだよね。」

 口約束であっても、ウィリアム伯父様は喜んだと話してくれた。

 「だから交渉をうまく行くように、アリエルを連れて行く事がいいと思ってね。」

 あり得るの瞳は、紫と緑のオッドアイ。

 ウィリアム伯父様が丁重の扱ったと言われた、ドラゴンの双方を兼ね備えている。

 「フレディの手札を、俺に託すのは何故だ?」

 ヘンリー様は、フレディ様に何か意図があると疑いを向けていた。

 「僕もね。口約束したんだ」

 互いに交わすのが当然だな。

 それが、ウィリアム伯父さんならなおにの事。

 「サーシャを見つけて、しっかり生活のサポートをする約束をね!」

 満面の笑みでフレディ様が言った。

 

 

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