エリス商会と・・・
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
「ラスキンさん・・・エリス商会について・・わかる事を教えて貰えませんか?」
私は、驚きを隠せないまま、ラスキンさんの方を振り向き説明を求めた。
「エリス商会は、ヘンリー様のいう通りにホルンメーネ第三王子のタルクウィーニオが、経営している商会です。」
「ユニコーン狂の多いホルンメーネ国で、しかも王族が、商会を経営となると、ユニコーン関係の国としか、商売をしないと思っていました。」
セラ様が、ムッとした感じに言う。
「ドラゴンの大樹に奇襲をしかける為に、アルミナ商会とガブロ商会を創設したのかもしれないな。」
ハミッシュ陛下が、敵の企てに、ため息をつきながら見解を言う。
「ドラゴンの大樹に隣接した町と、その周辺の町の被害は、結果的にどれぐらいになっていたのでしょうか。」
マティアス様の質問に、皆が一同に苦い顔をする。
「私からお伝えします。」
と、ハミッシュ陛下の後ろにいたピアーズさんが、一歩前へ出て言う。
「32の屋敷が占拠されていました。内、5件が女性の宅で、媚薬漬けにされてました。」
ここでも、媚薬が絡んでいたのか・・・。
それにしても、32とは中途半端な数ではない?
「32って、中途半端だけど・・・本当にその数で合っているの?」
と、フレディ様が、私の思っている事を代弁してくれた。
「一軒一軒確認をしましたので、間違えはありません。」
ピアーズさんは、きっぱりと答えた。
「ドラゴンの大樹を襲撃された時点で、国の汚点と言えるからね。一軒一軒確認するのは当然だけど・・・。」
皆が、一斉にハミッシュ陛下を見る。
「国の汚点とは・・・手厳しいな。」
ハミッシュ陛下はボソッと言った。
「フレディ。32という数は、方位における32と思われる。ドラゴンの大樹を中心にぐるりと囲うという意味で、敵は数を決めていたと思う。」
フレディ様も含め、32という数字に納得する。
だけど、何だろう・・・。
「サーシャ、どうしたんだ?」
考え込んでいる私に気が付いたマティアス様が声をかけてくれた。
「32軒という数字は納得したのですが・・・多いとは思いませんか?」
キマイラ事件から、あまり月日が経っていない。
そんな中で32軒も占領して、武器や兵を送り込む事が出来るのだろうか?
「アルミナ商会とガブロ商会が、ドラゴニアで商売を始めたのは、数年前からではありませんか?」
私は、ラスキンさんの方へ振り向き、疑問を投げかける。
「最低でも1年前からです。」
ラスキンさんは、1年前ぐらいから、ファーテンの涙の媚薬が出回りだした事を理由に挙げる。
「キマイラ事件の時に、ドラゴンの大樹を襲撃することが出来るな。」
ハミッシュ陛下が、恐ろしい計画の内容を口にした。
「それをしなかったのは、黄金の祝福があったからかな・・・。」
フレディ様が、含み笑顔をしながら、あからさまにヘンリー様と私を見ながら言って来た。
「ドラゴンの頂点にいるコスモが、ドラゴンの大樹に待機していた事も要因にあげられますね。」
セシル様も、生温かい眼差しでこちらを見ながら言ってくる。
そして、何故か皆がこちらを見て来る。
・・・やめて頂けませんでしょうか。
非常に恥ずかしく、何も考えられなくなるのですが・・・。
私は目を瞑り俯く。
「まったく、サーシャは・・・。」
”グイッ”
ヘンリー様が、お穏やかな口調で言うと、いきなり引き寄せられる。
驚きで目を開けると、にヘンリー様の顔が目の前に現れた。
「な、何を・・・す、すりゅのですか!」
慌てふためき、挙句に噛みながら訴える。
「分からないなら、もう一度するしかないな。」
「しなくていい!!会議中でしょう!!」
私は、ヘンリー様に訴える。
重要な会議しているのに、キスするなんてけしからん!!
反省しろ!!
サブタイトルが決まり次第、次話を出します。