表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

328/423

真相は・・・

 「ロゼリス様が昨夜、サーシャ様が女だったから、ステラ様がヘリオドール家に殺されたと、おっしゃられたと、聞いたのですが・・・。」

 いつ聞いたか、マリーに質問すると、ここに来る前の俺が、父上に報告したのをモーリスが聞いていて、その真相を聞きにマリーに伝えてきたと

返ってきた。

 「それは、絶対ありえません。」

 きっぱり、マリーが答えた。

 「ナーガ王国には、25歳、24歳。それに17歳の、第2、第3、第4王子がいますもの。」

 何だと?

 それって・・・。

 「その王子を婿養子として向かい入れれば、クラウンコッパー公爵家の権力が格段上がりますよね。」

 マリーは、ロゼリス殿に、嫌みふんだんに取り込んだ笑顔を見せる。

 「場合によっては、サーシャ様がイリス帝国を乗っ取り、女帝になられたかもしれません。」

 あり得るというか、安易に想像が出来てしまう。イリス帝国女帝サーシャの姿が・・・いや、絶対にダメだろう。

 サーシャは俺の妻だ。

 妻以外は、あり得ない!

 「その計画を拒絶したのはステラ様です。どうして何でしょうね・・・。」

 「マリーは、真相を知っているのか?」

 ”ダーーーンッ”

と、いきなり鉄格子を叩くロゼリス殿。

 「そんなの、聞きたくないわ!!出て行って!!」

 ロゼリス殿は、いきなり怒鳴るように言いだした。

 「マリー、真相を教えてくれ!」

 「聞きたくない!!出て行ってと、言っているでしょう!!立ち去りなさい!!」

 ロゼリス殿が、発狂するように言葉を言う。

 何か言おうとすると、大声を上げて言葉を遮って来た。

 俺とマリーは、ロゼリス殿から離れ、牢屋の部屋から出て行った。


 塔の階段を昇りながら俺は、マリーに真相を再び聞いた。

 「サーシャ様と、ナーガ王国の王子との婚約話は、水面下で進められていました。ですが・・表に出なかった。どうしてかわかりますか?」

 「その前に、ステラ殿が亡くなったからか?」

 マリーは、首を振って否定をする。

 「まず、王子との話を進めるには、サーシャ様の身の安全が、確実なモノにしないとならない。」

 サーシャが殺されたら、それでお終いだ。

 「サーシャを守るために、その話を蹴ったのか?」

 「それもありますね。」

 他にも、あるような物言いで返してきたな・・・。

 「他にもあるようだな。」

 マリーは、頷いた。

 「こちらが本題と言うべき内容でしょうね。」

 「何故、真相をサーシャに伝えなかったのだ?」

 マリーが元々伝えていれば、サーシャがあんなに悲しむことが無かったはずなのに・・・。

 「ロゼリス様の見解も、真実も、どちらにしても、サーシャ様は悲しむ結果となります。ですから、サーシャ様から真相を聞いてこない限り言いません。」

 ・・・どちらにしても、悲しい内容なら、サーシャ本人が真相を知りたいと言わない限り、言わないとなるな。

 「だが、俺には、伝えて欲しいのだが・・。」

 「婚約して1年も経っていない溺愛年数のひよっこのヘンリー様に、伝えると思いますか。せいぜい私がサーシャ様にお仕えしている15年経ってから、おっしゃってくれませんかね~。」

 15年と言っても、一時期サーシャの専属から離れていた時期が、あるような気がするのだが・・・。

 その事を言うと、145年の生きている者が、細かい年数を気にするとは嘆かわしいと、言われてしまった。

 単に、出会ってから15年ではないのかと、言っていたのだが・・・。

 まあ、いいか。

 サーシャの事をここまで慕っている者なのだからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ