表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

306/423

商売のいろは

 「貿易を生業として、いろんな国を巡るには、最低でも2つの商会を経営しなくてはなりません。」

 早速、衝撃的な事を聞きました。

 「それは、どうしてだと思いますか?」

 衝撃発言に驚いてないで、頭を使わないと・・・。

 

 もしも私が商会を起ち上げたとして・・・名は、ルベライト商会。

 商船で、ナーガ王国に真珠を売りに行く。

 はい、高額で買い取らせて貰います。

 おおきに~。

 ナーガ王国からは・・・リュヌの銀は無理だよな。

 そうなると、コーヒー豆、鉄鉱石・・・香辛料に香水、あと造船・・・木材もあるな。

 はい、頂きました。

 ・・・・普通に交渉成立する。

 

 待てよ。

 もし、ホルンメーネに行くとすると・・・。

 ルベライト商会の商船が岸に着くぞ~。

 ドラゴニアの国の公爵家の名じゃないか~!!

 火矢を構えろ・・・・放て!!

 はい、終了。

 陸に上がるすら出来ない。


 「ドラゴンの国用の商会と、ユニコーンの国用の商会の二つの商会が必要にますね。」

 私の回答に、ライ様も納得した顔をして、ラスキンさんを見る。

 「ご名答です。シナバー商会の対の商会が、このボーウェ商会です。」

 ラスキンさんは、私が持って来た商会名が書かれた用紙から、ボーウェ商会の箇所に丸をする。

 「ここまでが、初級編・・・と、でも言っておきましょうか。」

 満面の笑みで、ライ様と私の方を見るラスキンさん。

 「中級編があるという事ですか・・・サーシャ、どんな内容だと思う?」

 ライ様は、いきなり私に振るように聞いて来た。

 「それが分かっていたら、商人として、ここにいると思うのですが・・・。」

 ラスキンさんの笑みに、微妙にうっさん臭さを感じながら、ライ様に答えてみる。

 「確かにな・・・だが、それを待っている笑顔だったらどうするんだ?」

 非常に困るのだが・・・。

 「『客との信頼が大事』って、よく商人から聞きませんか?」

 私は、ライ様に聞いてみる。

 「うん、聞くよな。信頼する所で品を依頼するからな。」

 「・・・もし、その信頼が損なわれる事になってしまったら、それが王侯貴族とかだと、影響が大きいと思いませんか?」

 私がライ様に聞く横で、ラスキンさんの笑顔の目に、驚きの眼差しが含まれ出したのが解った。

 目が大きく開き始めたからだ。

 「そうなると、大変だな・・・。」

 ライ様も、ラスキンさんの変化に気づいたようだ。

 「信頼が失った商会は、衰退し・・・潰れる。」

 ライさんの顔が明るくなっていく。

 「潰れた商会の受け皿が必要です・・・つまり。」

 私も、引きつっていた笑顔が、普通に明るく微笑んでいた。


 「商会が、もう一つある!!」

 「商会が、もう一つ存在している!!」


 ライ様と私は一緒に答えを言った。

 「これは・・・驚いたとしか言えませんね・・・素晴らしいです。」

 ラスキンさんは、商会の書かれた用紙から、商会を2つ丸する。

 「ドラゴンの国専用のラバスト商会。その対でユニコーンの国専用のアルバ商会。この2つも私自らが経営をしています。」

 「ラバスト商会もラスキンさんの経営だとは・・・。」

 「何かあるのかラバスト商会には?」

 ライ様が私に聞いて来たので答えようとすると、ラスキンさんが、私を制した。

 「ラバスト商会を主に使っている国は、イリス帝国とリンドル国ですね。」

 私が知っていると言った商会は、まさにラバスト商会だった。

 リンドル国は、ドラゴニアとピューゼンの大陸ジャンナ大陸と、イリス帝国とナーガ王国があるコアルト大陸の間にあり、この世界で一番小さな大陸と言われるジーク大陸に存在する。

 その事をラスキンさんが説明をしてくれた。

 「ラスキン殿。先に言っておくが、上級編は分からないので、さっそく説明して欲しい。」

 ライ様、言ってくれてありがとうございます。

 私もその事をラスキンさんに目で訴えた。

 「ククククッ・・・まあ、いいでしょう。」

 ラスキンさんは、商会の名に再び丸をする。

 ライ様と私は驚いて目を見開く。

 「スターマイカ商会とマリア商会も、私が経営しています。」

 ラスキンさんはスターマイカ商会の横に、ドラゴンと記入し、マリア商会の横にユニコーンと記す。

 「さすがに、姉がキンバーライト公爵家に嫁ぎましたからね。いろいろと心配ですから、念のために、もう一つ経営をする事にしたのですよ。」

 苦笑いをしながら説明をしてくれた。

 「それにしても、マリア商会の名で、図書館にパッチワークキルトの本を置いたのは一冊しかなかったはず。よくその本を見つけましたね。」

 「ヘンリー様が、昔、社会勉強で一年間図書館で働いていたので」


 「ええ!!!」


 ライ様ラスキンさんは、私の話途中でいきなり驚きの事を上げた。

 私は驚き言葉が止まった。

 「いつですか?」

 「ヘンリー様が、学園に飛び級で入学する前の年に・・・。」

 100年以上も前になるが・・・・。

 ゲーム上では、一作目の『ドラフラ』で、ヘンリー様はサポートキャラとして、図書館で社会勉強で働いているっていう設定だったから、至極当然なんだけど、2人からすれば、寝耳に水な内容だったのね。

 「ですから、図書館の事務所に図書館内の全ての本と、その本の取り寄せてくれた商会名が記載した書類が保管されているのをヘンリー様は知っていたので、そこから商会名を探し出したのです。」

 私は、商会名を調べ上げた経緯を伝えた。


 それにしても、ラスキンさんは、ドラゴンだけでなく、ユニコーンの国で使っている商会を、ドラゴニアで使用して大丈夫なのだろうか・・・。

 私は、その旨を伝える。

 「それは、ドラゴニアは信用に値する国ですからね・・・せざるおえないと言った方が正しいかな。姉がキンバーライト公爵家に嫁いだ影響が大きいです。」

 なるほどね・・・。 

  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ