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危険な金曜日

 ・・・困りました。

 どうすればいいでしょうか?

 私は、洋服ダンスの前で悩んでした。

 早く決めないと風邪を引くよね・・・・。

 只今、私の格好はバスタオル一枚。

 着る服は決まっているのよ。学園の制服なのは・・・。

 決まってないのが・・・下着。


 本日は金曜日。


 ルベライトの屋敷に帰る日。

 午前中にアジュムの清掃をして、泥だらけになったのでシャワーを浴びた。

 そして・・・下着。そうよ・・・下着。されど・・・下着だ。

 薄緑色の下着を着るか、別の下着を着るかの選択。

 ・・・まずは、制服のブラウス着るか。

 私はブラウスを着だす。


 ヘンリー様の言いつけ通りに薄緑の下着・・を着る?

 羞恥プレーをするのは、ヘンリー様のみ喜ぶだけ。

 そんなの嫌だわ。私も、嬉しいと思いたい。

 だけど、私は学生で、平日は会えない身。

 だから、下着を着るだけで喜んで貰えるなら・・・と、少し・・・微妙に思う事もないのよ。

 でもね・・・これを許したままだと、卒業後も下着を選んで渡してくるわ。

 それは嫌。

 私まで、変態にしないでと切に思うのよ。

 

 止めなければ・・・・。


 私は意を決して洋服ダンスの棚を開ける。

 うん、ここはシンプルに白よ!

 レースがアシンメトリーについているパンツ。

 これだわ!!


 私は、白い下着を着る。

 しっかりスカートに、ベストにジャケットも着て、リボンも付ける。

 うん、これでOKね。


 私は、部屋を出た。

 学生たちは、久々の我が家に帰れると嬉しい顔をする者。

 ドラゴンと絆を結ぶために真剣な顔で、学園の外へ向かう者がいる。

 私はこれからヘンリー様との戦闘態勢の為に、キリッとした顔立ちをしていると思う。

 そうあって欲しい。


 学園を出て、馬車の乗合所へ向かう。

 ”ガララ バシャッ”

と、道路から甘い香りのする物をいきなり頭から被った。

 「え?」

 「すみません!!」

と、道路の方から男性が来る。

 「お前ら何しているんだ!積み荷をしっかり固定しないから、こうなったんだぞ!!」

 どうやら、荷馬車の荷物をしっかり固定しなかったために、荷物の飲み物が、曲がると同時に落ちて、私にかかったようだ。

 「すみません。服を弁償します。あの店がいいですね。」

と、男性が私の顔をハンカチで拭きながら近くの洋服屋を指さす。

 「これは、制服です。学園の購買の販売のみになっているはずです。その様な所では売ってません。」

 私は、来た道を折り返そうと後ろを向く。

 「ですが、まずは服を着替えないと。」

 男性が私の腕を掴む。

 「学園は、すぐそこですから、それに部外者は、簡単に学園に入れません。説明の為に、このままの格好の方がいいでしょう。」

 私は断じて断った。

 それには理由がある。

 ・・・何かこの男・・・チャラいのだ。

 オレンジ色の髪を後ろでポニーテールで結んでいるが、白い羽の髪飾りが付いている。

 前髪がやたら長く流していて、水色の瞳が締まりのない感じに、こちらを覗き見ているように見える。

 なので、謝っておきながら、顔がへらへらしているように思えるのだ。

 申し訳ないと思う気持ちがはっきり言って伝わらない。

 「制服は、こちらで洗いますから、まずは服を着ましょう。」

 「服なら、学園に置いてあります。どちらにしても学園に戻らないとならないのです。」

 私は、男の腕を振り払いたいが、振り払えず、学園に向かってゆっくりと進むしか出来なかった。

 「ですが、そのような格好をさせているわけには・・・・ね。」

 何が『・・・・ね』だ。

 「被害者の私のいう事を全く聞き入れず、被害者により不快感を与えているのが、どれだけ失礼に値するのか・・・ご存じですよね。」

 私はそう言い、手を離して貰う。

 「学園は、あちらです。」

 私は、学園に堂々と向かう。

 私のその後ろから男性が付いて来る。

 ”ぐらりっ”

と、学園を目の前に再び体がぐらつく。

 ・・・私、下着の事を気にしすぎて、身体を冷やし過ぎたのかしら?

 熱出てしまうのかな・・・困ったわ。

 「えっと・・・馬車に乗りましょう。」

 男性が、自分の馬車に私を乗せようと近づくが、私はしっかり睨みつける。

 「積み荷をしっかり止めてない馬車を動かしているのですか?」

 なんて、非常識な人たちだ。

 「端によせて積み荷を縛らなければ、再び私のような被害者が出ますよ。」

 そんな、馬車に乗らすのかと断った。

 当然の事だわ。

 男性は、慌てながらも、その通りだなと言い。馬車を端に止めて積み荷をしっかり縛るように指示を出した。

 私は、指示を出している男を無視して学園へ向かう。

 そして、学園前に到着すると、門番に事情を説明する。

 門番から、全くの無関係な者を学園に入れるには、学園長の許可が必要と言われた。

 なので、私は一端着替えをしてから学園長室へ向かおうと、自分の部屋へ向かう。

 「サーシャ様、どうなさったのですか?」

と、部屋に戻る途中にある一石二鳥以上の前で、ラスキンさんに声をかけられる。

 私はラスキンさんに説明をする。

 すぐに制服を用意して貰うためだ。

 ”ぐらりっ”

 まただ・・・また、いきなり体がよろけてしまった。

 「わっ!」

 すぐに、ラスキンさんが私の体を支えてくれた。

 「!!!?」

 何か、身体に衝撃が走る。

 ・・・何だ?

 「ラスキンさん、離れて!!」

 私は、すぐさま叫ぶ様に言う。

 ラスキンさんは驚き、すぐに離れてくれたが、すぐに私の異変に気付く。

 「・・・・サーシャ様?・・・この臭い。」

 ラスキンさんは、私にかかってしまった飲み物の臭いを嗅ぐ。

 「何てことだ!!」

 ラスキンさんは、すぐに部下を呼びつける。

 「サーシャ様。いいですか・・・これから、今まで以上に身体がよろけると思いますが、誰の手も借りずに、部屋へ戻ってください。」

 ラスキンさんが、真剣な眼差しで言う。

 ”ぐらっ”

 本当だ。早速ラスキンさんの言うように、私はよろけましたよ。

 周りの人が駆け付けてくれる。

 「サーシャ様に触れてはダメだ!!」

 ラスキンさんが怒鳴るように言うと、びっくりして周りの人が止まる。

 「今のサーシャ様に触れては、ダメです。危険です!!」

 「ラスキンさん・・どういう事?」

 私は、なんだか朦朧となりだし、本格的に熱が出始めたと思いながら聞く。

 「サーシャ様が被ってっしまった液体は、その・・・媚薬です。」

 なんだってーーー!!

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