キンバーライトの屋敷
キンバーライトの屋敷の屋上に、コスモが降り立つ。
金色のドラゴンだけあって、衛兵が若干緊張した感じで向かい入れてくれた。
私も、若干緊張をしているが、私の心を緊張以上に支配している感情。
それは、恥かしいという感情。
私は、ヘンリー様が選んでくれた、襟付きのピンクに近い紫色の優しい色合いのワンピースを着ている。
ヘンリー様も、ベストとジャケットの裏地が、同じピンクに近い紫色をの服を着ている。
イケメンは何を着ても映えるんだよね。
ヘンリー様の場合は、無駄に色気が漂っているのだが。
それでもって、その、ヘンリー様が選んだ薄いピンクのパンツを・・・・履いている。
下着が見えなかろうと・・・やけに恥かしい。
どんな、羞恥プレーをさせられているんだ。
ここに来る際、フィオナに下着の棚に鍵を付けるように伝えてきた。
もう、ヘンリー様に私の下着を選ばせないんだからね。
衛兵の一人に案内され日当たりの良い部屋に案内をされる。
部屋の窓からは、王宮湖と言われている王宮が、絶景ポイントのように美しく見える。
湖に王宮が映し出されるだけでなく、この屋敷の木々や花も美しさにを演出していた。
私は、窓から外を見入る。
「ここから見る王宮は、綺麗だな。」
と、ヘンリー様は窓の前に立っている私の肩を取り、隣で王宮を見る。
「ヘンリー様・・・ここの庭の演出が素晴らしいです。」
木々の白い花・・・この花はリンゴの花ね。
それに・・・この花は、片栗の花。
うん、観賞用だけでない所が惹かれる庭だわ。
私は、その事をヘンリー様に伝える。
「ふっ・・・サーシャらしいな。」
と、ヘンリー様は吹き出しながら言った。
「あらあら、やはり、仲がよろしいですね。」
と、ショートカットのキャリアウーマン的な容姿の20代半ばの女性が入って来た。
「当然だ。」
”チュッ”
「な、何を・・・何をして」
いきなり私の頬にキスをしたヘンリー様に怒鳴った。
「わからなかったのなら、もう一度するか」
「しなくていいです!!」
私は、顔を赤くし訴える。
「ヘンリー様の独占力は困ったモノね。そのせいでサーシャ様と自己紹介ぐらいしか時間が取れなかったのよ。」
それも、遠くから・・・。
一応と言えるのか、セラ様と私は自己紹介は出来ている。
ヘンリー様と私が婚約を公表した舞踏会の時に、ライ様がアマルテアと絆を結べたという事もあり、舞踏会がお開きになり、クローライトの屋敷に戻る際に、5メートル程離れた位置からの自己紹介なのだ。
なので、自己紹介とは・・・自信を持って言えない。
あの時は、私がうれし泣きをしていた後だった為、遠くでの自己紹介で良かったと思っていたが、このような状況となって、涙でボロボロであっても、近くまでよって自己紹介をすべきだったと思った。
「あの時は、遠くでの挨拶となってしまい申し訳ありません。」
私は、誤りの言葉をかけてから、丁寧にお辞儀をする。
『改めて、初めまして』と、言ってから、自己紹介をする。
「始めましてサーシャ様。セラ・キンバーライトです。」
と、挨拶をして、お互いに握手をする。
「それにしても・・・。」
セラ様は、ヘンリー様をじろりと見る。
「夫婦になると似だすという事を聞いたことがありますが、舞踏会で拝見した時は、ただただ可愛らしい方だと思っていたのですが・・・。」
セラ様はそう言い、ため息をつき私の方を向けて再び話始める。
「今は、色気が現れだしたというか・・・。」
私を方に顔を向けながら、目はヘンリー様の方を見る。
「ヘンリー様の色気が仕込まれた感じがしますね。」
え?
「昨夜はお疲れ様でした。」
”かーーーーっ”
私は一気に顔を赤くする。
口をパクパクし、言いたいことが言えないでいた。
『色気を仕込まれる』って?
『昨夜はお疲れ様』って・・・どういう意味なのでしょうか?
理解しにくいというのか、理解したくないと脳内で拒否ってます!!
「うん・・・ヘンリー様が独占したいと行動する訳が分かりますわ。」
”ぎゅっ”
と、ヘンリー様が私を抱きしめる。
「サーシャの独占権は俺しか認めないモノだ!!」
俺しかって・・・いつから、そんな権利が出来ているのですか?




